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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
46/141

27.ミノタウルで魔法破壊

リョウ視点です。

さて、町へと戻る前にウィダル荒野とボグールドの沼地を抜けないといけないので、いくらソルンの生命力と魔力が高くても、さすがに丸腰はまずいと判断した俺は、何か装備を作ることにした。


「ソルン、今から武器を作ろうと思ってるんだけど、どんな装備が欲しい?」


《大剣がいい!、あのドラゴンも相手できるようなやつ!》


いや、さすがにそんなデカイ剣は使えないだろ。

俺は内心で突っ込みつつも、一応要望には応える。

道具生成のプロセスをふみ、具現化した大剣に効果付の魔力を流していく。

刀身を自由に変えられるビニマグ、使用者の身体能力を強化するフィジカルブースト、自動修理のリペア、剣の性質を自由に変えられるマジックチェンジ。

最後に協力を力とする意志を込めて完成する。


完成した大剣は、ソルンよりも少し大きいくらいの大きさで、金の分厚い刀身としっかりした持ち手に加え、刀身に俺の魔力を込めた紋様が刻まれ、豪華そうな見た目と力強さを併せ持った剣になった。


これをソルンに渡すと、早速刀身の大きさを変化させて遊んでいた。

ここで戦った熊やハリネズミを超えるほどの大きさにしているのを見て、俺は苦笑いするはめになった。

まあ、重さはほとんどないから、大きくても問題は無いのだが、それにしても見た目との差が激しすぎて笑える。


しかも、ドペルのおかげかはわからないが、俺の武器達のように、身体と一体化させられるようだ。

俺はそれを見て一安心していた。

さすがにミニドラゴン形態の時にこんな剣を背負っていたら邪魔になっただろう。

まあ、それを防ぐために大きさを自由に変化させられるようにしたのだけど。


ソルンの準備も整ったので、俺たちは町に向かって移動を始める。

前衛が2人もいるため、俺はルサフルで後方から戦うことにした。

ようやく、俺のやりたい戦い方を実践できそうなので、今のうちに訓練しておく。


俺は偵察機械ことピット君達を索敵の為に飛ばしていく。

どうやら、ピット君とシナイルードンは相性が良かったようで、任意でシナイルードンと合わせられるみたいだ。

ようするに、戦闘中の立ち位置を気にしないでも、シナイルードンとピット君を合わせれば、別々に扱うよりも少ない労力で戦況を把握できる。


これで、俺のパーティーだけなら全員揃っていても、問題なく戦闘を優位に進められそうだ。

これの良いところは、常にピット君とシナイルードンを合わせなくて良いとこだ。

これにより、索敵範囲は多少狭まるがシナイルードンを展開させながら、索敵もこなせる。

早速ピット君の索敵に引っ掛かったモンスター達がいたので、少し寄り道して狩る事にした。


モンスターは、熊さん5匹、ハリネズミ3匹、それとゴーレムが2匹だった。

ゴーレムが多少厄介そうだが、このメンバーなら余裕だろう。

俺は2人に声をかけてモンスター達の元へと向かう。


ピット君はわりと高性能なようで、魔力を飛ばして相手に軽い衝撃を与える位の軽い攻撃をすることが出来たので、それでモンスター達を挑発してこちらへと呼び寄せている。

おかげで思ったよりも早くモンスター達と遭遇することが出来た。

流石にこれ以上待つと、弓を持っている意味が無くなってしまうため、俺は一足先に攻撃態勢にはいる。


まだそこそこ距離があるが、俺の作り替えた目と(分析)(並列思考)があれば、矢を真っ直ぐ飛ばせさえすれば当てるのは比較的簡単だった。

そこそこの威力はあるみたいだが、やはり一撃で倒すには急所に当てないと駄目なようだ。

ただ、今の俺には当てる事はできても、狙った所を射ち抜く事は出来ないし、狙おうとすると少し時間が掛かってしまう。


だが、今回は俺だけでなく、スートとソルンもいるので、十分牽制した俺は矢の精度を上げるのに専念することにした。

ゆっくりと、急所を狙っていくつもの矢を放っていると、何本か惜しいところまでいくが、急所に当たるのはせいぜい一本くらいだった。


そして、モンスターの群れへとたどり着いたスートとソルンはお互いの攻撃に巻き込まれないようにそれぞれの得物を振り回していた。

ソルンは敵の中心に向かい、刀身を大きくして大剣で敵を叩き斬り、スートは一定の距離を開けながら、槍で突く、凪ぎ払う、近づかれたら二刀流スタイルに変更し、相手を無力化させていた。


モンスターが不利を察して撤退を始めると、デカイ刀身の大剣を更に大きくして、ものすごいスピードで距離を詰めながら、モンスターを叩き斬り、スートは一本槍形態の魔法槍改にしてそれをぶん投げて、リターンで戻すを繰り返していた。

ただでさえ破壊力の高いスートの魔法槍改だが、二刀流スタイルから一本槍スタイルになったことで、より破壊力も槍のスピードも上がっていた。


俺は急所狙いから、動きを封じる為のポイントに狙いを変え、2人をアシストしていく。

いい具合にパーティーとして戦えている。

まあ、まだ一緒に戦うのは初めてなので、多少のぎこちなさや、拙さはあるがそれを差し引いても十分な結果を得られた。

俺はモンスター達をゲートに放り込みながら追撃する2人を追っていく。


すると、2人の向かった先にあのドラゴン程ではないが、ここら辺で見かけないモンスターに遭遇した。

俺はリンクイヤーで2人を1度落ち着かせる。

深追いし過ぎで余計な攻撃を受けたら困るからな。


[スート、ソルン、そいつは少し手強いモンスターだ、もうちょいでそっちに追い付くから一旦戻って合流するぞ!]


[[わかった!]]


そうして俺はいつでも彼女達を守れるように、シナイルードンを彼女達の元で展開させ、相手の動きを伺う。

すると、全身がゴリゴリの筋肉に覆われた馬みたいな顔をしている、俺の知ってる名前だとおそらくミノタウルスに該当するであろう生物は、何かしらの魔法を放つ用意をしていた。


残念ながら、ピット君の視界共有では相手の魔力の流れや生命力までは読めない。

まあ、それでも雰囲気である程度の強さは予想できるので問題はないが、こういう時は不便だなと思った。

しかも、それなりに距離が離れているので、肉眼だといつものような使う魔法の把握はできなかった。


だが、どんな魔法を使ってきたとしても、シナイルードンを突き抜ける事はないだろうし、スートとソルンは既に俺のスプレッドテリトリー内にいるため、防御が間に合わない事もない。

最悪、高速で相殺するための魔法を展開させれば問題なく対処できるだろう。

俺の思考がまとまった所で、ミノタウルスは火の魔法を唱えてきた。


以前、スートが異物に操られた時に使っていた魔法とほぼ同威力の物なのだろうが、あれから俺も成長しているため、今では焦りも脅威も感じない。

俺は魔法を展開させるまでもなく、一応シナイルードンでスートとソルンを守りながら、ルサフルで魔法を射抜く。

魔法もエネルギーの塊だが、どこかに核となるイメージがある。


相殺は、このイメージをお互いに凄い勢いで削り合う状態だが、イメージを直接攻撃し、打ち勝てば容易く魔法を破壊できる。

より強力なエネルギーの塊で核を守っている技だと余程の実力差がなければ破壊は難しいが、あの程度のエネルギーしか纏っていない魔法なら難なく破壊できる。


それに、魔法が自由ならそれを構成する魔力も同様に自由さがあるだろう。

これはドーマ先生の喜びそうな内容だなと考えながら、ミノタウルスの放ったおそらくグラン.ファイアであろう魔法をルサフルの魔力矢で射ち抜く。

先程の戦闘で狙ったポイントを正確に射ち抜く訓練をしていたので、わりと簡単に魔法の核となるイメージにたどり着いた。


そもそも、エルンやサクラのような圧倒的なイメージの持ち主でない限り、俺が負けることはないため、あっさりと魔法を破壊させることが出来た。

驚いたのか、一瞬硬直したミノタウルスの隙を見逃す2人ではないので、スートは一本魔法槍改を相手の急所へ、ソルンは槍に合わせて大剣を構えながら距離を詰める。


硬直のせいで反応の遅れたミノタウルスは、何とか槍を防いだようだが、その後のソルンの一撃には反応出来なかったようで、真っ二つにされていた。

強そうに見えたが、わりとあっさり倒せたので拍子抜けだった。

だがスートとソルンは勝利を噛み締めているみたいだった。


「2人はあのモンスターを知ってたのか?、何か思ったよりも弱くて拍子抜けだったんだが。」


《あれ、ミノタウルって言って、たまに村を襲ってくる、あの魔法が厄介なモンスター。》


《ミノタウルをあんなに楽に倒せるなんて、自分でも不思議!、武器が違うとあんなに戦闘がやりやすくなるんだね!、それにリョウの魔法破壊するやつも凄かった!、あたしにも出来るかな?》


「まあ、あの魔法は前に見たから思ったよりも楽だったよ、しかもスートの使ってたやつの方が強かったしな、ソルンはドペルから魔力の扱い方と生命力の扱いを教わってるか?」


《うん、戦闘中に教えてもらった!》


「なら、あれはその応用みたいなもんだ、魔力で相手のイメージを上回る一撃を、核となるイメージにぶつけるだけだ、魔法同士の相殺と違って一点集中だから、そんなに強い魔力もいらない、ただ核を正確に狙わないとだから、そこが難しいかな。」


《なるほど!、魔法がきたら試してみる!》


その後もモンスターと遭遇したが、熊やハリネズミ、ゴーレムなので、どれだけ数がいたところで大した問題はないので、相手にもならなかった。

ただ、魔法が使う相手はいないので、先程の魔法破壊の練習ができなくて、2人とも残念そうにしていた。

仕方ないので、ウィダル荒野を抜けボグールドの沼地に入ると、絨毯に乗るのでその際に俺が2人に魔法を使って訓練させた。


2人とも楽しそうにやっていたが、スートもソルンも魔法がそれほど得意な訳ではないため、すぐには習得出来ないみたいだった。

ただ、少しずつ核に攻撃が近づいてきているし、段々と使うエネルギーも減っていき、一点集中のイメージが出来てきたので、このまま続けていけば近い内に出来るようになるだろう。


そんなやり取りをしながら、俺たちはオーノスへと帰って来た。

寄り道しながらだったので、大分遅くなったがその分報酬的には良かったので満足した。

早速、ギルドへ報告に行ったのだが、やはり証拠品がないため、完全な依頼達成にはならなかった。

ただ、依頼は未確認生物の確認であり、相手が新種のドラゴンだったことや、ウィダル荒野のモンスター達の素材を提示したことで、依頼失敗にはならず、報酬が減っただけとなった。


それでも、緊急依頼をこなしたお陰で、ランクが1つ上がり、Dランクに、報酬は大銀貨9枚をもらった。

大銀貨は3枚ずつわけあい、俺は全てクラスカードに入れた。

相変わらず便利だなと思いつつ、ギルドを後にして俺達は学園へと戻る。

モンスターは、マドルに捌いて貰ってから魔法石にするので、今回は売りに行かない。

まあ、いざというときの資産だと思うことにする。


そのうち、素材そのものを使って道具生成もしていこうと思っているので、素材はなるべく持っている事にしよう。

俺はソルンの話もあるので、全員の気配を探す。

すると、全員訓練中のようで、別校舎の体育館にいた。

俺は2人を連れて体育館へと向かう。

道中、スートは俺に甘えてきたので俺もそれに応えた。


ソルンも増えたから、女子会も大変になりそうだなと思いつつ、変に口出しして問題を増やしても仕方ないので、そこはみんなに任せる事にした。

リナには迷惑をかけるなと申し訳なく思いながら俺たちは体育館へと到着した。



次回更新は5/23です。


ポイントがブックマークのおかげで着実に増えてきて、もうすぐ100に届きそうです!!


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしておりますので、これからも「憧れの異世界で」をよろしくお願いします!

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