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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
36/141

17.プレゼント

リョウ視点です。

俺がいつもの朝訓練アラームで目を覚ますと、まだリナが隣にいて、俺を見て微笑んでいた。

確か昨日はエルンと握手した後、恐くなって全速力で部屋まで逃げてきて、そのまま寝ちゃったんだっけ。

右側にはサクラもいる。

何となく状況はわかった気がするので、俺はリナに微笑み返して起き上がる。


そういえば、俺とリナだけ訓練してたからズルいとかみんな言ってたっけ。

俺は一人ずつ声をかける事にした。

すると、みんな起き上がって体育館に向かうようだ。

俺は何となくそれが嬉しかった。

仲間と一緒の時間を共有するっていうのがこんなに楽しいなんて知らなかった。

その分大変さも多いけれど。


俺たちはそれぞれ準備を始めて、別校舎の体育館に向かう。

少し遠いのだが、昨日のように馬鹿共に絡まれては面倒なことこの上ないので、そんな事の起こらない別校舎へと向かう。

その道中にルイが腕を組んできた。

そういえば、今日はルイの日かと思いつつ、みんなを平等に扱うと決めたので、俺もそのまま歩く。

腕を組んだルイはとても幸せそうで、朝から機嫌が良く、見てる俺まで幸せになってきた。


悪戯心が働いて、ケモミミを優しく触ると、ピクッと反応するのでしばらく遊んでいた。

そして、それを羨ましそうな目で見るハーレムメンバー、同時に私もやってもらえるというような期待に満ち溢れた目をしていた。

何となく失敗した気もするが、まあ覚悟も決めたし何とかすることにしよう。

精神的な不安定さは昨日に置いてきた!

もう大丈夫なはず!


ちなみに、家事担当のマドルだが、それでは訓練の時間も減ってしまうため、朝はご飯担当が部屋に戻るまでは訓練参加、昼間は仕事が終わり次第自由時間という感じにした。

これで、誰かに負担を押しつけて訓練するという罪悪感は減るだろう。

こうして色々考えながら体育館に着くと、既に何名か訓練を始めていた。


俺は素直に感動した。

いつもなのかはわからないが、俺たちよりも早く訓練を始めている人達がいるとは思わなかった。

俺はその人達に挨拶しようとすると、なんと全員金クラスだった。

俺は物凄く嬉しかったのと同時に、彼らの目標になっていられるよう努力することを決めた。


「おはよう!、みんな早くから頑張ってるな!、俺たちも訓練するからよろしく頼むよ!」


俺の言葉にそれぞれが返事を返して、また訓練に戻っていく。

これ以上はいても邪魔になると思ったので、俺は彼らから離れて自分達の訓練を始めることにした。

俺の装備は景品になっているが、既にリナとルイとスートには作ってしまっている。

それでは不公平だと思い、俺はまだ装備を作ってない5人に希望を聞く。


「えっと、まだ俺の装備を持っていないメンバーは、希望があれば今から作るけどどうする?、ただこれはクラス内トーナメントでは使っちゃダメだからね!」


《リョウ殿、私は盾を希望するのでよろしく頼む。》


《リョウ様ー!、私にプレゼントなんて感激です!、益々好きになりますよ!、私はあいj、、、すみません、嘘です、ごめんなさい!、私が欲しいのは自在剣っていうので、これみたいなやつです!》


《私は杖を希望するわ!、リョウの作る武器は軽いんでしょ?、なら今の杖とリョウの杖の2本を使って更なる高みを目指すわ!》


『私は弓を貰おうか、魔法や剣も使えるが、マスターの要望に応えるなら遠距離の攻撃も必要だからな。』


『私は戦闘メインではないので、良ければ包丁が欲しいです、戦闘家事の両方で使わせていただきます。』


「わかった、今から作るからみんな訓練して待っててくれ。」


フランは盾、リンダが謎の自在剣、サクラが杖、エルンが弓、マドルが包丁だ。

リンダの自在剣は剣の部分がいくつにも別れていて、伸縮自在で鞭のように操れるようになっているものだった。

俺は早速装備作りに取りかかる。

昨日も武器4本は作れたし、それから限界も上がっただろうから、問題なく5本作れるだろう。

余裕があれば、全員に連絡を簡単に取り合えるイヤリングを作ろうか。


まずは盾からだ。

防具は初めて作るが、伊達にゲームや小説を読んでいたわけではない。

俺の道具作成はイメージさえあればできる。

まあ、消費も激しいけどな。

俺は意識を集中させる、ここまではいつも通りだ。

それと今日は少し余裕もあるから挑戦もしてみようか。

盾のイメージと共に杖と弓のイメージも同時に作り上げる。


自在剣と包丁はまだ作ったこともないし、包丁は同時に作ってもいいんだが、リンダのだけを別に作ると何を言われるかわかったものじゃないので、とりあえずはその3つを同時に作る。


(並列思考)を駆使して、いつもよりも更に集中力を高め、魔力でイメージ通りの物を作り上げていく。

完成した魔力の塊に生命力を流し、それぞれを具現化させていき、それぞれに様々な魔力を流していく。


盾には、受けた衝撃を抑えるプロテクト、魔力で盾の性質を変化させるマジックチェンジ、自動修理のリペア、魔法を軽減させるマジックブロック。

最後に全てを守り抜く意志を込める。


杖には、魔法を強化するマジックブースト、魔法の範囲を広げ対象を選択できるスプレッドテリトリー、自動修理のリペア、魔力を蓄えて任意のタイミングで発動させるチャージバースト。

最後に魔法を追求し続ける意志を込める。


弓には、弓の性質を変化させるマジックチェンジ、矢を強化するブースト、自動修理のリペア、知覚範囲を広げるフィールド。

最後に敵を殲滅する意志を込める。


こうしてできた3つの装備は盾は銀色で中央に俺の込めた魔力の含まれた赤い宝石が埋め込まれ、持ち主になるフランの扱いやすい大きさだった。

杖は金色で先端に俺の魔力が込められた7色の宝石が埋め込まれ、神秘的な輝きを持っていた。

弓は真っ白で、弦はエルンの鎧と同じ青で所々に俺の魔力が込められた宝石が細かく散りばめられていた。


こうして、俺の装備の同時生産が成功した。

魔力、生命力の消費も変化がないので、今後も作りたい物はまとめて作っていく事にした。

ただ、バラバラなイメージを明確に持ち続けるのは意外と難しいため、おそらく同時に作れるのは3つが限界だろう。

ただ、同じ物ならハーレムメンバー全員分くらいは作れそうなので、共通の物を作る時は楽になるだろう。


残りは自在剣と包丁だ。

包丁はそれほど難しくないのだが、自在剣のイメージを作るのは難しい。

何しろ、こんな装備はなかなか出てこないため、リンダの見せてくれた物を参考にしながら作らなければならないからだ。

こういう、イレギュラーな装備は勉強にもなるのだが、量産するにはイメージが難しいので効率が落ちるだろうから気を付ける事にする。


さて、気を取り直し再び集中力を高め、イメージを魔力で再現し、生命力で具現化、そこから様々な魔力を込めていく。


自在剣には、イメージ通りに動かせるフリーダム、切れ味を上げるキーン、自動修理のリペア、剣の性質を変化させるマジックチェンジ。

最後に自らの決めた道を歩む意志を込める。

包丁には、性質を変化させるマジックチェンジ、切れ味を上げるキーン、自動修理のリペア、素材の質を上げるクオリティ。

最後に主に仕える意志を込める。


自在剣は刃が7つに別れて連結していて、それぞれが属性色を持っていて綺麗だった。

そして俺の魔力が込められた紋様が刻まれて独特な雰囲気をかもしだしていた。

包丁の方は黒の持ち手に金の刃、持ち手には俺の魔力を含む青の宝石が埋め込まれ、包丁とは思えないほどの存在感を持っていた。


これで俺のハーレムの装備が全員分完成した。

この装備をそれぞれに渡すと、みんな目がキラキラと輝き、中には頬を紅らめて涎を垂らしていたり、息が乱れる奴らもいた。

おい、リンダとマドル!!

お前らはもう少し自重しろや!!

周りもドン引きしてんだろーが!!

俺が視線を向けると、嬉しそうな表情をしてくるので俺は頭を抱えた。

そして一言。


「これからイヤリングを全員にプレゼントしようと思ったんだが、リンダ、マドル、お前らはいらないみたいだな。」


俺がそういうと、リンダとマドルは固まり、慌てて土下座してきた。


《ホントにごめんなさい!!、リョウ様お願いだから私にもイヤリングを作ってください!!》


『旦那様申し訳ございません!!、反省しますのでイヤリングを作ってください!!』


「まったく、喜んでくれるのは嬉しいが、時と場所を考えてくれ、部屋なら自由にしていいから。」


俺は土下座で喜ぶ二人を見て何となく罪悪感が湧いてきた。

その証拠に周りからは俺にも疑いの目が向けられている。

何で!?、俺悪いことしてないよね!?

泣きそうになる俺をルイが励ましてくれた。


《まあ仕方ないんじゃない?、周りに人を増やすからこうなるんだよー、でも私にも優しくしてくれるからちゃんと支えてあげるよー!》


ルイの優しさに心が救われながら、次はイヤリングの製作にかかる。

デザインは同じにして、宝石の色だけそれぞれの種族の精霊に準じたものにする。

イメージも出来ているので、俺は改めて集中力を高めて魔力でイメージのイヤリングを9つ作り、生命力で具現化、そこに様々な効果のある共通の魔力を流す。


持ち主の思考をサポートをするブレイン、同じアイテムを持つ人を探知し判別するスキャン、相手の魔力に同調させるコネクト、自動修理のリペア。

最後に繋がりと絆を大切にする意志を込めて完成させる。

出来た9つのイヤリングは赤、青、黄、緑、銀、白、透明が2つ、7色プラス透明のが1つだ。

それぞれの宝石に俺の魔力が込められ、イヤリングそのものは金色に輝いていた。

このイヤリングはリンクイヤーと名付けた。


俺は赤をリンダに、青をルイに、黄をフランに、緑をリナに、銀をサクラに、白をスートに、透明をマドルとエルンに渡し、残りを俺自身に着けた。

みんながそれぞれ右の耳につける。

効果の説明を実際に使いながら教える。


[みんな聞こえるな?、これがこのイヤリングの使い方で名前はリンクイヤーという、これならどれだけ離れていてもリンクイヤーを通じて会話できるし探すことができる、会話の仕方は意識を集中させて心の中で会話する感じだ、もう少し応用した使い方もあるが、これは負担が大きすぎるから止めておいた方がいいだろう。]


[リョウ、これすごい便利な道具だね、しかももっと複雑で頭こんがらがるかと思ったけど、意外と簡単にできるね。]


[何か不思議な感じー、応用ってどんなのー?]


[これ楽しい、いつでも皆と話せる。]


[リョウ様ー!、愛していm]


[リョウ殿はさすがですね、これからは有効活用させていただきます。]


[もう私の想像が追いつかないくらい凄すぎて何て言葉が見つからないわよ、でもこんなすごい道具をありがとう。]


[旦那様、貴重な道具ありがとうございます、これで私の仕事もやりやすくなります。]


[相変わらずマスターは面白いな、このイヤリングは私たちでも作れんないぞ。]


8人感想が俺に伝わってくる。

本当は電話のスピーカーのように全員と会話を共有できたり、(意識共有)の劣化版で相手の見ている景色や音も拾えるのだが、これは情報量が多過ぎて(並列思考)を持っている俺かマドルでなければ処理できないと思う。

ちなみに、俺は普通に全員から会話を聞けているが、これを皆がやるにはいくらブレインがあっても辛いだろう。

まあ、エルンならもしかしたらできるかもしれないが。

他のメンバーはむしろ、ブレインがなければこうして会話する事もままならないと思う。


いつか皆が俺と同じ事を出来るようになるのを祈るばかりだ。


[さて、これの応用が何かという質問があったので答えると、それは意識の共有と会話の共有だ、両方ともお互いの了承が必要だが、了承が取れれば相手の見ている景色や音がわかり、会話も誰が誰にどんな話をしているかわかる、上手く使えば情報も共有しやすいが、情報量が多過ぎて扱えないはずだから気を付けるように。]


「さて、秘密の会話はここまでにしてみんな試しに魔法を使ってみてくれ。」


俺の言葉にみんな不思議そうな顔をしていたが、詠唱を始めるとみんなの表情が変わる。

魔法は無事発動して、それぞれが壁に当たる。

魔法に詳しいサクラと、俺を間近で見てきたリナ、魔力を合わせて使えたスート、機械人形なので処理能力の高いマドルの4人は違いに気付いたようだ。


《これすごいわね、複数の属性で魔法発動とかできそうね。》


《リョウ、これってリョウみたいに魔法を使えるようになるってことだよね?》


《前よりも同時に色々できる。》


『旦那様ほどではないですが、これはかなり情報を扱いやすくなりますね。』


「そういうこと!、これは戦力アップの意味もあるから大事にしてくれ!」


4人の言葉を聞いて、残りのメンバーもこのイヤリングの真価に気付いたようだ。

そう、思考サポートは何も会話の為だけにあるわけではない。

ようするに(並列思考)の劣化版が付いているということだ。

それに伴い、複数属性の魔法詠唱や待機魔法(ウエイトマジック)等、俺がよく使う複数の情報を扱うものも使えるようになるということだ。


まあ、劣化版ではあるので俺と同じように使う事はまだできないはずだが、それでも今まで出来なかったことも出来るようになるだろう。

それによって、俺とは違う新しい何かを生み出してくれると思う。

俺はそれを楽しみにしている。

みんなも早く色々と試したいのか、それぞれ訓練に熱が入っている。


俺はそんな彼女達と離れて訓練をすることにした。

やるのは、新しく作った装備のスキルを覚えることだ。


「ゲート!」


俺はゲートを開き、部屋に置いてある俺のリュックから4つの武器を取り出す。

トライゴルク、ルサフル、レイワロン、アノスブレイル。

まずは槍のトライゴルクから始めよう。

他の装備は俺の身体のあちこちに着けている。

これに重量があったら動くことも出来なかっただろうが、魔力で作られた武器たちは重さがほとんどないので問題ない。

どうやって訓練しようかと思っていると、エルンがやってきた。


『少しマスターの実力を体感させてくれないか?、召還の時に込められた魔力でマスターが私を呼んだ目的もわかっているが、私もモンスター以外との戦闘勘も磨いておきたいんだ、それにマスターの訓練にもなるだろう?』


「わかった、ただまだ慣れてない武器を使うからガッカリさせたらごめんな。」


そういって向かい合う俺とエルン。

俺が最強までいかなくても、かなりの強者をイメージしてエルンを呼んだため、実力は相当高いだろう。

俺は集中力を高めて、トライゴルクを構える。

エルンは輝く白の剣と白の盾を構える。

合図は互いの武器を軽くぶつけた後、互いの武器の射程外に出てからスタートだ。

俺とエルンは武器を軽くぶつけ互いに射程外へ離れる。


こうして俺とエルンの訓練という名の模擬戦が始まった。




次回更新は5/14です。


キャラや武器が増えてきたので、どこかでまとめ回を作ろうと思います。


これからも「憧れの異世界で」をよろしくお願いします!!


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