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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
30/141

11.リョウのオーダーメイド

リョウ視点です。

俺が目を覚ますと、ベッドに横になった俺に寄り添うようにスートが気持ち良さそうな顔をして寝ていた。

俺は状況を整理する。

確か、金クラスのみんなを結界で体育館に閉じ込めて、全員の黒い異物を取り出した所で魔力が尽きてみんなの安全を確認してから気を失った。


大丈夫だとは思うが、金クラスのみんなが心配なので、カリバーンに(意識共有)を要求するとすぐに了承された。

すると、体育館では金クラスのみんながそれぞれ訓練を続けていた。

今までは自我を侵食されていたため、中々訓練を出来なかっただろうし、スートと同じように訓練しようと思っても周りを巻き込んでしまうため、遠慮していた人もいるだろう。


そんな状況だったため、ようやく自由に訓練が出来るようになって、みんないきいきしていた。

俺はそんな様子に嬉しくなりつつ、俺の身体の状態を調べる事にした。

魔力切れを起こしてから寝ていたみたいだが、今のところ異常は感じられない。

スートを起こさないように起きあがってみたが、疲労感もないしむしろ万全の体調だ。


俺はこのまま金クラスの人達と訓練しようかとも思ったが、せっかく看病してくれたスートを置いていくわけにもいかないので、今日はこのまま部屋で過ごすことにした。


せっかく回復した事だし、(魔力創造)で色々と作ってみることにしよう。

とりあえずは、特に何の効果もない指輪でも作ってみる。

意識を集中させると、剣を作った時よりも遥かに低コストで指輪が完成した。

次に、リフレッシュヒールの効果を含んだ指輪を

作る。

これをリフールリングと名付けて、見た目はエメラルドのような緑色に白の紋様が入っていてとても綺麗な指輪になった。

剣程の消費はなかったが、ただの指輪を作るよりも遥かに魔力も生命力もかかった。


この事から、イメージとして何かを作る際にはその作る物の強化や別の能力を付与することで魔力、生命力の消費を増やすようだ。

リナ達に作る物は俺の出来る限界まで消費を増やして良い物を作ろう。

とりあえずリフールリングを着けてみると、これらを作った際の疲労感が和らぎ生命力の回復スピードも上がってるようなので、割と便利な物が作れて良かった。


少し休むと、使った分の魔力と生命力が回復したので、約束していたルイの拳甲を作る事にした。

目を瞑り身体の魔力と生命力を意識して、集中力を高めながら2つを合わせていく。

魔力で拳甲を形成しながら生命力を混ぜて、具現化させ、そこに拳甲の強度を上げるプロテクト、自動修理のリペア、疲労回復と生命力回復速度を上げるリフレッシュヒールの魔力を流し込む。

更に生命力を流し込み、この拳甲の強さの格を上げていき、魔力の力強さを同時に上げていく。

最後に彼女を守るための意志を魔力に込めて送り込んで完成させた。


せっかく回復した魔力の大半と生命力の半分程を使ったが、疲労はリフールリングのおかげで和らいでいるし、魔力も0になったわけではないので気を失う事はなかった。

こうしてできた肘の辺りまで使用者を守る拳甲は銀色で神秘的な輝きを持ち、綺麗な装飾が施され、手の甲の部分には青の綺麗な宝石のような物が付いており、これに俺の込めた魔力の全てが入っている。


俺の今出来る最高傑作だが、予想以上の出来映えに満足した。

これなら、俺の持っているカリバーンと同等クラスの装備になったし、ルイが前に持っていた拳甲を超えることが出来ただろう。

早くルイに見せて驚く顔が見てみたいな。


さて、(魔力創造)と生命力の合わせ技で物を作れるようになった俺だが、これはかなりの魔力と生命力を使う。

生命力はリフレッシュヒールを込めた指輪で回復速度が増しているが、魔力はどうすれば回復が早まるのかわからない。

とりあえず、魔力の回復の仕組みを理解するために意識を集中させる。


すると、血液が魔力に変換されて魔力量が少しずつ増えていく。

意識すると回復量を増やすこともできるが、急激に血を抜くようなものなのでフラフラしてくる。

このやり方では中々回復量を増やすことは出来なそうだ。

この血液に生命力を流してから魔力に変換してみると回復量が上がった。

また、生命力を直接魔力に変える事もできるみたいだが、どっちにしろ生命力を使いすぎると死んでしまうので多用していい物ではないだろう。


ただ、リフールリングで生命力の回復速度は上がっているので使い方さえ間違えなければ早く魔力を回復させられるだろう。

寝ると早く魔力が回復するのは生命力の回復する余剰分が魔力に変換されるからだろう。

結果的に魔力と生命力を回復させるなら睡眠をとるのが一番良いようだ。

生命力を含んだ血液を変換したり、生命力を直接変換するのは非常手段だな。


納得のいく結果が得られたので早速回復した魔力で血液を貯められて、血液生成量を増やす効果を持つアクセサリーと、魔力を貯めておける指輪を作る。

血液生成量を増やし貯める事もできる指輪はブラッドリングと名付け、ルビーのような赤い色の指輪になり、魔力を貯めておける指輪はマジックキープリングと名付け、透明なガラスのような指輪になった。


これで、リフールリングとブラッドリング、マジックキープリングの3つの指輪が俺の指につけられた。

ブラッドリングとマジックキープリングは今のところまだ機能してはいないが、食事と睡眠の時に真価を発揮してくれるだろう。


さて、結構今日1日で魔力や生命力を使ったが、ステータス的にはどうなっているか確認しておこう。


ステータス


天神 凌 (てんじん りょう)


HP4000/9600

MP1000/14300


装備 (エジマリフ魔導学園制服) (靴) (カリバーン) (ブラーク) (リフールリング) (ブラッドリング) (マジックキープリング)


スキル (並列思考) (浄化) (登り降り) (剣技) (拳技) (精神耐性) (異世界言語理解) (意識共有) (魔力創造) (グロウサポート)


うん、最後見たときと比べ物にならないほどHPとMPが増えてる。

おそらく魔力はMPで生命力がHPなので、今日の道具生成と結界と黒い異物の取りだしのおかげで魔力を空っぽにしたり、生命力もかなり使ったりしたからだと思う。

遂にMPがHPを超えてしまったが、MPである魔力の方が使う機会も多いし空っぽに近づける事も多いので仕方ないだろう。

さすがにHPである生命力を空っぽに近づけるわけにはいかないからな。

それをやると死ぬかもしれないし。


さて、確認も終えた事だしリナ達が帰ってくるまではもう一眠りしよう。

出来れば今日中にはスートとリナの装備も作ってあげたいからな。

俺がベッドへ戻るとスートはまだ寝たままだったので頭を一撫でして俺も隣で寝転がり目を瞑るとそのまま眠りについた。


《リョウ、ご、、き、よ!》


名前を呼ばれた気がしたから目を開けると、リナが俺に呼び掛けていた所だった。


《リョウ、ご飯できたよ!》


そういって微笑むリナは女神のようだった。


「おはようリナ、今日もお疲れさま!」


そういって俺はベッドから起き上がり、既に席に着いているスートとルイに続いて席に着いた。

リナも席に着いた所で俺達は食事を始めた。

今日のメニューは餃子もどきと、ワンタン麺と桃の香りのするジュースだった。

リナの作る料理はレパートリーが広く、毎日食べても飽きないように工夫されているのでいつまでもリナに料理を作ってもらえるように俺も頑張ろう。


食事を食べ終えて片付け終わった所で、それぞれ今日あった出来事を話し合った。

受けた魔法の授業よりも俺の説明の方が分かりやすいや、今日食べた定食が美味しかったなど他愛ない話で盛り上がった。

俺の金クラスでの出来事を聞くと、俺を褒めてくる3人だったが、魔力切れで倒れたのを話すと3人に詰め寄られて心配され、そんな無茶な事をするなと怒られた。

あの場にいたスートも何故か参加していて俺は苦笑するしかなかった。


俺は話が一段落したので、ルイの為に作った拳甲を渡すことにした。

ルイは俺の作った拳甲を見ると驚愕して俺に質問してきた。


《リョウ!?、これリョウが自分で作ったのよね!、これ物凄い装備なんだけどホントにもらっていいの?》


「ああ、これはルイの為に俺が作ったものだからプレゼントだ。」


プレゼントと聞いて、照れたようで俺から顔を背けていたが俺の作った拳甲を着けるとうっとりとした表情を見せながら大事そうに抱いていた。

これだけ喜んでもらえたので俺は作った甲斐があったと嬉しくなった。

リナとスートも羨ましそうにしていたので、ちゃんとフォローする。


「二人とも今から作るから少し待ってて。」


俺の言葉に大喜びなリナとスート。

身体も万全になったし、ブラッドリングとマジックキープリングも十分効果を発揮していたようで、2つ分の道具生成は問題なくできそうだ。


俺はまずリナの弓を作る事にした。

意識を集中させ、魔力で弓を作り生命力を流し込んで具現化させる。

これに、魔力変化を行いやすくするマジックチェンジ、放った矢を強化させるブースト、狙われにくくなるハイド、自動修理のリペアの魔力を送り込む。

最後にリナを守る意志を込めて完成させる。

出来た弓は金色でサファイア色の紋様が入っている。

サファイア色の紋様が俺の込めた魔力で、金色の弓と合わさって芸術的になっている。


今の俺の実力で作れる最高の物だ。

ただ、魔力の限界値が上がっても形成するための魔力は変わらないので、質的にはルイに作った物と変わらないので優劣はつかないだろう。

2つのリングを使って補給しようかとも考えたが、限界値が伸びていたおかげでそれほど消耗しなかったので、次はスートの槍作りに取り掛かる。


それぞれの装備は別の物なので、一回一回イメージをし直す必要がある。

俺はもう一度意識を集中させ、魔力で槍を作り生命力を流し込んで具現化させる。

そこに槍の刃の鋭さを上げるシャープ、手元にすぐに戻せるリターン、分解接着を自由にできるシングルダブル、自動修理のリペアの魔力で送る。

最後にスートを守る意志を込めて完成させる。

完成した槍はサファイアのような深い青に黒の刃、それが槍の両端についていて、魔力を込めた白の紋様は槍全体に広がり物語の英雄の使うような立派な槍が完成した。


さすがに2つも装備を作ったため、身体がだるく魔力不足の兆候も出てきたが、最高の物を作れたのでよかった。

作った装備をリナとスートに渡すと、俺の作る過程も見ていたので、とても感動していたみたいだった。

それぞれ弓と槍を手に取り大事そうに抱え、ほんとに嬉しそうだった。


3人から改めて感謝されて照れくさくなって目を背けながら返答を返した。

俺の反応を相変わらず楽しんでいる3人だが、俺も装備を作って疲れたので早めに寝ることにした。

昨日のように、俺の上にスート、左にリナ、右にルイと女の子に囲まれて寝るという男なら発狂する体勢で理性をしっかり持つことで誘惑に打ち勝ち、暖かさと安心感で眠くなってきたのでそのまま意識を飛ばす。







次回更新は5/8です。


長いゴールデンウィークも終わって明日からいよいよいつもの日常に戻りますね。


これからも「憧れの異世界で」をよろしくお願いします!!


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしております!

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