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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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9.朝の訓練

リョウ視点です。

目が覚めたのはまだ日も出ていない程の朝早い時間だった。

相変わらずスートとルイは幸せそうに寝ていたが、リナの姿は見当たらない。

俺はスートとルイを起こさないようにゆっくりと下ろし起き上がった。

俺はベッドから出てリナを探す。

もう魔力を探知出来るため、簡単に見つけることが出来る。

場所は体育館のようだった。


俺は部屋を出てリナの所に行く事にした。

体育館に着くと、魔力で作った矢を射つ訓練をしているみたいだった。

だが、俺もそうだが魔力単体で物質を作り出す事は出来ない。

もしやるとするなら、それは属性魔力剣のような魔法の一歩手前のようなものでしか実現できない。


リナも上手くいかずに試行錯誤しているようだ。

これは、俺が教えてもいいのだがそうするとリナの成長を妨げる事になる気がする。

ただ、リナのやろうとしている事はおそらく学園にいる人物でも出来る人のほとんどいない特殊なやり方だろう。

そうすると、人を見て参考にすることが出来ない。

それは少し壁が高すぎると思ったので、俺はリナに例を見せることにした。


「リナ、おはよう随分苦労してるみたいだね、アドバイスはいるかい?」


《リョウ、おはよう!、そうなの中々上手くいかなくて、どうしたらいいの?》


あれ、疑問形に疑問形で返されたけどまあいっか。

俺は魔力で弓を作り出す。

弓はただの魔力の塊だが、叩いたりするわけではないので一応は使う事が出来る。

ただ、威力はかなり落ちるだろうけど。

こうして出来た魔力弓に俺は闇属性を持った矢を作り放つ。

元は魔法の形を変えたようなものなので弓に関係なくそこそこの速度を持って飛んでいく。

見事壁に当たると当たった所から衝撃が伝わった範囲が消失した。


まあきっと、リナがやりたいのはこんな感じだろう。

リナを見ると、真剣に先程の現象を頭の中で考えているようだった。

そうして、弓を構えると緑の色の魔力が矢を形成する。

それを壁に放つと、俺の矢とは比べ物にならない速度で飛んでいき、壁に当たると衝撃と共に風魔法特有の小さな傷が壁に刻まれた。


毎度思うのだけど、リナって俺のやること教える事すぐに出来るようになるよな。

何で俺が来てから上達は早いのに、それまで伸び悩んでいたんだろう。

そんな事を考えていると、リナは魔力矢が出来た事に喜び、その勢いで俺に抱き付いてきた。

いや、うん、ほんとかわいいよな。

そんなリナの頭を撫でると幸せそうな表情を浮かべて俺に話しかけてくる。


《リョウとかカリバーンのやってた魔力で剣を作るやつをやってみようと思ったから、色々と試してたんだけど、中々上手くいかなかったのにリョウの見たら出来るようになったよ!、不思議だよね!》


確かに、俺が見せたからとはいえ、直前まで出来なかった事がすぐに出来るようになるものなのか?

何となく不思議な現象だなと思っていると、頭に無機質な声が聞こえてきた。


【スキル(グロウサポート)を手に入れました。】


おう、何となく効果が想像出来そうなんだが一応ステータスを見てみるか。


ステータス


天神 凌 (てんじん りょう)


HP6000/6000

MP5190/5200


装備 (エジマリフ魔導学園制服) (靴) (カリバーン)


スキル (並列思考) (浄化) (登り降り) (剣技) (拳技) (精神耐性) (異世界言語理解) (意識共有) (魔力創造) (グロウサポート)


スキル(グロウサポート):スキル所有者が許可したものの成長を促進させる。


何か割と反則なスキルのような気がするのだけれど。

これ、俺がやろうと思えばいくらでも凄い人物を作れるよね。

ただまあ、成長を促進させるだけで成長限界を越えられる訳では無さそうだから、既に限界まで鍛えられてしまっている人には効果がないかもしれないな。

そう考えると難しい所か。

まあ、それでもこれがあれば成長で悩むリナみたいな人を減らすことが出来るかもしれないな。


朝からリナとイチャイチャしつつ、新しいスキルももらえたので、俺は満足した。

リナは朝食の用意をするそうで、先に体育館を離れた。

俺は今戻っても出来ることはないので、少し訓練をしてから戻ろうと思う。

まずやるのは生命力の操作だ。

もちろん、ルイに聞くのが一番早いんだけどまあ、わからなくなったら聞けば良いのでとりあえずやってみる。


他の人の生命力はオーラのように身体に纏っていた。

俺もそれをイメージしてみる。

気を抜くと、魔力と混同しそうになるので魔力を意識から外し生命力だけを操ってみる。

エネルギーを集めようとしてみるが、身体には既に生命力が纏われていて上手く集められない。

少し発想を変えて、身体から少しだけ離れた所に生命力を集めてみた。

すると、身体に疲労感が溜まったが無事に身体の中央に集めることができた。


ただ、ルイやレイさんのように技として形成できない。

多分魔力のように方向性を定めないとならないのだろうが、そのやり方は俺にはわからない。

とりあえず出来るのはこのくらいだろう。

それを壁に放ってみると、当たった瞬間かなり広い範囲がへこんだ。

それほど力を込めていたわけではなかったが、威力は魔力と比べ物にならないほど高かった。

ただ、魔力がMPを使うなら生命力はHPを使うため、使い方を誤ってしまえば命を落とす危険がある。


それでも、強力な力であるのは間違いないので他の使い方も試してみよう。

とりあえず生命力を身体の内側に入れて魔力と同じように流してみる。

すると、魔力で身体強化をしたときよりも更に強化されているのがわかる。

魔力強化が元の3倍だとするなら、生命力での強化は元の5倍になった。


ここまできたなら試す事は決まっている。

体内で魔力と生命力を混ぜて流してみる。

すると、混ぜる際に若干手間取ったが魔法剣を作るときにも似たような事をやっていたので、すぐに混ぜる事ができた。

そして、生命力と魔力を混ぜた結果、相乗効果で先程生命力で強化した時の2倍程の身体能力を得られた。


同様に魔法剣や魔力剣、魔法など俺の使えるありとあらゆるものを生命力は強化してくれた。

そして、魔力で産み出した道具はただの魔力の塊で剣を作った所で斬ることは出来なかったが、魔力で作った物に生命力を流すと、実際の道具と変わり無く使う事ができた。

ただし、これには魔力が全快の状態の2/3と生命力をかなり消費する。


実際にもう1本剣を作ってみたのだが、魔力は枯渇寸前だし、生命力をかなり使ったため全身が鉛のように重く疲労感もかなりあった。

その甲斐あってか、作られた剣はカリバーンには劣るが、黒の刀身と金の持ち手のとても綺麗な俺好みの剣になった。

今は剣しか使っていないが、そのうちに色んな武器を使えるようになりたい。

これはものすごい有用な能力だ。


さて、とりあえず収穫もあったことだし、そろそろリナの朝食も出来るだろう。

俺も部屋に戻ろう。

俺が部屋に戻ると、丁度リナが朝食を作り終えてスートとルイを起こそうとしているところだった。

俺は朝食を作ってもらったので、起こすのは俺がやることにしてリナには先に席に着いてもらった。

俺がスートとルイに声をかけると、二人とも眠そうに目を擦りながら起き上がった。

そして、俺を見るととても嬉しそうな表情をしていた。

何となく恥ずかしくなったので、俺は顔を背けながら二人を急かす。


「ほら、せっかくのリナの料理が冷めるから早く食べようぜ!」


俺の様子に3人とも笑いながら席に着いた。

今日の朝は比較的軽い物で、フランスパンもどきとコーンスープもどきとスムージーもどきだった。

食べてみると、フランスパンはカリカリとしたいい食感で、コーンスープはかなり時間を掛けて作ったようで濃厚でパンにも良く合いものすごく美味しかった。

スムージーもどんな果物が入っているかはわからないが、おそらく7種類くらいの果物が入っているらしくそれぞれの果物の食感を残しつつ、絶妙なバランスで味を仕上げていてとても美味しい。


リナの朝食に満足して片付けを終えたところでそれぞれが準備を始める。

俺の新しい剣について聞かれたので、俺が作ったことを伝えると、ルイは拳甲を作れとせがんできた。

俺は別に構わないが、俺が作るよりも性能の良い物はあると思うと忠告したのだが、どうしても俺が作った物が良いそうなので今日の夜に作ると約束をした。

すると、リナとスートも俺の手作りの品が欲しいそうなので、1日に作れる本数が限られている事を伝え、リナは明日の朝に弓を、スートは明日の夜に槍を作る事になった。


これから大変になるなと思いつつも、初めてのプレゼントとなるわけなので、全身全霊を込めて作ろうと決めた。

カリバーンとデミアンにも作らないといけないなと考え、今日のうちにリクエストを聞いておこうと思いながら、準備を終えてスート共に金クラスへ向かった。





次回更新は5/6です。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークお待ちしております!


みなさん、これからも「憧れの異世界で」をよろしくお願いします!!

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