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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
139/141

120.スートvsリナ

リョウ視点です。

途中カリバーンが勝負から離れて訓練していたからか少し時間がかかったが、無事に1番手同士の戦いで勝利をおさめた俺達金クラスは、続く2番手、スートvsリナの激闘を見ている。

リナは遠距離から全属性の魔力矢、しかも俺のマテリアルマジックと同じような物で、物質化もしている。

ただ、これだけで終わるリナではなく、始めの何本かを打ち落としていたスートは続く矢も反射的に打ち落とそうとしてしまう。

しかし、これはリナの罠で、リナの矢は今度攻撃をすり抜けてスートへと迫る。

それを慌てて回避に切り替えたスート、そこまで読んでいたらしいリナはそこから矢を回避先に放つ。

万全の体勢なら避けられる攻撃も1度回避して体勢を崩している今では避けることができない。

命中するのを悟ったスートは矢の当たる所に魔力、生命力を合わせて強化して、ダメージを最小限に食い止める。

だが、それだけ集中力を力の操作に使っていたからか、他が疎かになり、そのあともリナに主導権を握られていた。

スートが得意な技の数々も発動はできているが、リナの反応と矢の物量で相殺される。

ここまでの試合の中で初の金クラス不利の状況に会場は盛り上がりを見せる。

その事実に思うところはあるが、今の俺達の立場上仕方ないことでもあるので我慢する。

それに、俺達金クラスの中でもリナと過ごした時間が長いメンバーもおり、そのメンバー達はクラス関係なくリナを応援し、仲間であるスートを応援するメンバーもいる。

届いているかはわからないが、そんないくつもの応援のお陰か、はたまたリナの動きに慣れてきたからなのかはわからないが、少しずつリナの攻撃を掻い潜り、劣勢から均衡状態1歩手前まで押し返すことができた。


しかし、リナもここでそう易々と主導権を渡すはずもなく、今までのがお遊びだったかのような更なる高火力で攻めてきた。

当然、今までのを何とか押し返しただけのスートはその火力に再び劣勢に立たされる。

それでも、この場で決着がつかないのは、流石金クラスナンバー2と呼んでもいいだろう。

それに、リナも今までの攻撃とは違い、圧倒的な高火力で押し潰そうとしているだけあって、そんなに長い間攻撃を続けられる訳でも無さそうだ。

まあ、他のクラスの人達からすれば十分長い時間なのだろうが。

これでも押し潰せないと悟ったリナは、攻撃の合間に技を形成していく。

それを感じ取ったスートだが、高火力の攻撃は止むことなく続いているため、技を構成するための時間はかなり短くなってしまう。

それでもそこは技の扱いに長けたスートだけあり、リナと同等のイメージと構築スピードを叩き出す。

リナはそれに苦笑いしていたが、その気持ちはよくわかる。

明らかに自分に優勢で、更に言えば相手の攻撃をとことんまで封じて、それでも尚必殺の攻撃は同等のものなのだから。

お互いの技が完成し、それぞれ放つ。

だが、ここでスートの技の真価が見えた。

俺たちも騙されていたのだが、いつの間にかスートはミラージュを発動させていたようで、今までスートだと思っていた人影は、スートがミラージュで作った分身のようなものだったのだ。

俺がなぜこの段階で気づけたのか、それはカモフラージュに発動したミラージュの際に、一瞬だけ気配が漏れたからだ。

だが、これは恐らく会場では誰も、下手をすれば俺しか気付いてないようなレベルのものだ。

本当に、どの段階で入れ替わっていたのか検討もつかない。

だが、現実にスートはミラージュで自らの姿を隠し、偽り、リナを騙しきっていた。

これが技の面白いところだと初めて思うことができた。

俺も元の世界での空想の世界の記憶をこちらで再現しているから、中々こちらの世界の常識を外れる物を産み出すが、これはそれと同等の常識外れだ。

俺でさえ、イメージ力の勝負だと思っていた技に、こんな裏をつく使い方があるのは考えもしなかった。

いや、考えてはいたのだが、これほど完成度の高いものにはならなかった。

試合の決着が近づいているのがわかっているらしく、リナは勝利を半ば確信していた。

このミラージュも進化していて、スートの操るミラージュは本物の気配と大差ない。

なので、ほんの少しだけ幻影だとわかるように調整したミラージュを使い、気配が本物と瓜二つの幻影を本命と見せかけた囮に使う。

これすら判別できない相手なら幻影と明らかにわかる方で止めを刺すのだろう。

当然リナはその程度の事がわからないはずもなく、見事にミラージュを読み切り、本物と瓜二つの幻影に攻撃する。

ここもリアルで攻撃をくらい、瀕死になったように見せかけている。

技の構成を途中で変えるという利点をこのように使うのはかなり斬新だ。

そうして、決着をつけようと弓を構えたリナの後ろから、本物のスートが傷ひとつついていない状態で、槍を寸止めする。

その位置は心臓、スートが止めなければ確実に致命傷となっていた一撃。

リナはその状況に驚愕していたが、この状況でひっくり返しがきかないのは理解できているので、そのまま降参し、俺達の勝利が決まった。



忙しくて更新が遅れてしまいました。

まだ起きてるので、一応8/24は続いているということで(笑)


次回更新は8/25です!


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