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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
136/141

117.圧倒

リョウ視点です。

1番、カリバーンvsレオン


両者が中央の戦闘のためのスペースで向かい合い、審判が進行する。

ルールはいつも俺たちがやってる模擬戦と同じで、致命傷となるであろう攻撃を受けたり、気絶したりすれば負けとなる。

しかし、あの審判の先生は見たことがなかったのだが、金クラス側を明らかに侮蔑の視線で見ている。

何となく嫌な予感しかしないのだが、まああれだけの実力差があれば問題ないだろう。

レオンは残念ながらその実力を感じ取れないようだけど。

一瞬俺の方に視線を向けて、にやっと気持ちの悪い笑い方をする。

なんだ? そんな風に考えるが、結局わからないので、もうカリバーンに任せることにした。

すると、審判の合図があり、試合が始まる。


まず動いたのはレオン、両手斧を持っているとは思えないようなスピードでカリバーンに近付くレオン。

ただ、それはあくまで両手斧を持ってる一般人よりも速いってだけで、俺とは比べ物にならないし、なんならソルンの方が速い。

迎えうつために全く動かないカリバーンだったが、それをどう解釈したのかわからないのか、勝利を確信したかのような表情を浮かべながらカリバーンに斧を振り下ろす。

ほんと話にならない。

確かに一般人から見たら中々のスピードなのだけど、俺達のクラスを相手にするなら物足りない、というか遅すぎる。

しかも見るからに威力が足りない、これから俺達のクラスなら全員素手で止められるだろう。

俺の予想通り振り下ろされた両手斧を人差し指と中指の間で止める。

それに衝撃の表情を浮かべる会場にいる俺達以外のクラスとレオン。

こんなんで勝てると思われていたのはほんとに心外だな。

しかも、これがこの赤クラスで1番強いとか大丈夫なのかよこのクラス。

それから斧を抜こうと必死に足掻いているのだが、もうレオンの実力を大体把握した結果、目の前の光景のように、全く斧を抜けずに、もはや斧を抜くのに必死でカリバーンの事を忘れているんじゃないかと思うほどだった。

そのまま斧ごとレオンを真上にぶん投げるカリバーン。

その高さは半端ではなく、もはやレオンの姿が点にしか見えないくらいだ。

重さを感じさせない両手斧だったが、さすがに空中では両手斧の重さにレオンが引っ張られていた。

そしてものすごい速度で落下してくるレオンを尻目に審判に勝敗を確認しているカリバーン。

審判は頑なにカリバーンの勝利を認めようとしなかったのだが、空中のレオンの落下スピードは更に加速していてこのまま落ちたら無事ではいられないだろうダメージが入るはずだ。

俺達のクラスのメンバーなら、空中で体勢を整えたり、落下スピードを落としたり出来るが、レオンは獣人族のため魔法を使うことができない。

まあ俺達のクラスでは使えるんだけどな。

やがて、これ以上問答しても仕方ないと思ったカリバーンは審判に確認するのをやめ、レオンの落下を待つ。

あの審判、赤クラスよりなのか、まあ判断としては最低だな。

大丈夫だとは思うが、こんなスピードで落ちたら身体ダメージが軽減されてなければ即死だろう。

軽減されていても、かなりのダメージが残るだろうし。

そして、遂にその時は訪れ、物凄い音をたててレオンが地面に落下する。

身体ダメージが軽減されているので、意識はあるようだが、起き上がることはできない。

これで決まるだろうと思っていたのだが、審判はカリバーンの勝利宣言を行わない。

ほんと、金クラスを勝たせたくないのだろうが、愚策すぎる。

ゆっくりと近づくカリバーンに遠目からでも恐怖に表情を染め、命乞いをするレオン。

カリバーンは更に追い討ちをかけるかのようにピンポイントに殺気まで当てている。

そして遂に降参を申し出るレオン、審判はそれに戸惑った様子をみせ、中々勝利宣言をしない。

予想はしていたので、カリバーンはレオンに攻撃を加えようとする。

レオンは必死に審判に自分の負けを訴えていて、審判は苦虫を噛んだような表情でカリバーンの勝利を確定させた。


戻ってきたカリバーンに俺達はそれぞれ声をかける。


「カリバーンおつかれ、災難だったな。」


『ほんとだぜ、あんな高さから落ちて生きてられると思ってるなら、とんだ馬鹿だ、というか、俺様たちにあんな攻め口を与えるなんてな、この代償は高くつくぜ!』


「そうだな、とりあえず学園側を責める材料が増えたな。」


こうして思わぬ収穫をした俺達。

次は2番手同士の戦いなのだが、次はスートなので心配していない。

そもそも、クラス最強らしいレオンですら手も足も出ないのだから、向こうのクラスの実力などたかがしれている。

だが、スートの見た目が小さいことで侮った表情を見せている赤クラスの選手。

もはや、名前すら覚えられないくらいの相手で試合開始と同時に気絶した。

あまりの呆気なさにスートも微妙そうな顔を浮かべ、審判は慌てて意識の有無を確認して、スートの勝利を宣言する。

流石にあれだけ動かないと、誤魔化す事もできないみたいで、今回は早かった。

俺達は顔を合わせ、苦笑いするしかなかった。

1試合目、2試合目のクラスの試合ではうるさいくらいだった各クラスだが、今ではシンとしている。

俺達のクラスのメンバーは負ける事がないのはわかりきっていたので、静かにうなずくだけだ。

それが余計にこの静寂を強調させている。


次の3番手同士の戦いなのだが、こっちはシノグが出るのだからもはや試合にならない。

こちらも開始直後に、シノグが動きだし、一撃で相手を気絶させて勝利した。

こうして3勝0敗で俺達のクラスの勝利が確定した。


次回更新は8/22です。


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