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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
135/141

116.予選開始

リョウ視点です。

先頭は今回の武術大会予選の出場者である俺達5人で、その中で俺がリーダーのようで、みんなを引っ張るように歩く。

いつもはそれほど気にしないが、今回は俺の行動の1つ1つでクラス全員の評価が決まる。

だからこそ、俺はいつも以上に堂々と歩く。

やがて体育館へと到着すると、何故かいつもの体育館の内装と変わり、生徒全員が観戦できるような席が辺りを囲み、魔法の類いなのだろうが外の、もっと言えば空の景色が本来天井となる部分に映し出されている。

この素晴らしい光景に息をのみ惹き付けられる俺たちだったが、いつまでも見惚れてる訳にはいかないため、いち早く俺は意識を戻し、クラスメイト達に指示する。


「それじゃみんなは観客席に行っておいてくれ!」


俺の声に頷き、予選に出る俺達5人を残し、それぞれ割り当てられた応援場所へと向かう。

俺達のクラスが最後だったようで、辺りからは侮蔑の視線が注がれる。

とはいえ、まだ開始30分前なんだけどな。

俺たちが予選の出場者全員が揃った事を確認したようで、俺達は前回の結果順に右から並ばされる。

もちろん、俺達金クラスは最下位だったので1番左で、それを嘲笑と呼んでもいいような表情で各クラスの予選メンバー達が見ていた。

まあ、リナやルイ、ドーラやイルデはそんな視線を向けてくることもなかったが。

そうして俺たちが並び終えた所で理事長達が全員集まり、開会の挨拶をしてくる。

挨拶といっても、みんな似たような事ばかり言っているし、精一杯頑張れとか死力を尽くせとかそういうのばかりだったので、とりあえず聞き流していた。

やがて、理事長達から開会が宣言されると俺達予選の代表メンバーを除く全ての生徒が声をあげる。

それは、もはや地響きすら起こるのではないかというもので、金クラスの皆も負けず劣らずと声を出している。

まあ、残念ながらそんな俺たちに向けられる視線は侮蔑の含んだ物がほとんどで、それは先生達であっても変わらない。

俺達をちゃんと見てくれているであろう人達はほとんどいないアウェーな空気だが、その表情を驚愕に変えてやるさ。

こうした新たな決意を俺にさせた開会式を終えると、各クラス代表が集まる。

武術大会の予選はトーナメントで、優勝したクラスが武術大会に出場する学校の代表となる。

そして、前回の大会の順位でトーナメントの位置が決まる。


1、白クラスvs青クラス

2、緑クラスvs黄クラス

3、赤クラスvs金クラス

シード 紫クラス


前回優勝の紫クラスはシードで、白クラス、青クラスの勝者と対戦になる。

俺達の初戦の相手はレオン率いる赤クラス、入学当初こそレオンはそこそこの強さを持っているように思ったが、今はそんな気配もないし、というよりも、あの時からほとんど成長していないようにも感じる。

俺に侮蔑の視線を送ってくるが、もはや俺からしたら哀れでしかない。

それを感じ取ったのかはわからないが、機嫌が悪くなるレオン。

この程度で心を乱されるなんて、理解できないな。

そして俺達は戦う順番を決める。

1番にカリバーン、2番にスート、3番にシノグ、4番にソルン、5番に俺だ。

カリバーンとは少し前に(意識共有)をしておいたため、今のカリバーンと俺の戦闘力はほとんど変わらない。

多少戦い方に違いはあるのだが、その実力は俺と変わらないので、相手のクラスがどのような強さを持ってるかの指針にはなるだろう。

まあ負ける事は考えられないけどな。

というか、俺に出番が回ってくるかも怪しいとこだ。


俺たちが戦う順番を決め終えると、早速1回戦が始まる。

青クラスには知っている生徒がいないので、必然的にドーラのいる白クラスを応援する。

1番、2番、3番、4番と戦いを続けて、どちらの実力が拮抗しているおかげで、2勝2敗で勝敗は各クラスの代表同士に委ねられた。

だが、白クラスの代表はドーラなのだから負ける筈がない。

案の定、ドーラが実力も半分を出す事なく勝利し、白クラスが紫クラスの対戦相手となる。

続いて2試合目、緑クラスと黄クラス、ここはリナとルイがいるため、緑クラスが負ける筈がない。

それを裏付けるように、緑クラスはルイ、リナ、緑クラスのリーダーの3人で勝利を確定させた。

というか、実力が違いすぎて偵察にもならない。

続いて俺達の試合、相手は赤クラス、レオンはどうやら1番で出るらしい。

いきなり試合の流れを掴んで勝つシナリオのつもりなようで、実力順で戦う順番を決めているらしい。

だが、さっきの2試合でもわかったが、他のクラスの実力が低すぎる。

これなら、緑クラスのリーダー、リナやルイ、イルデやドーラは別とすれば、俺たちが出る必要すら無かった可能性もあった。

元から期待はしていなかったが、想像の遥か下をいく実力に呆れしか湧いてこなかった。

それなのに、俺達を馬鹿にして格下に見て侮蔑の視線を送ってくるのだから、愚かでしかない。

そんな決意を新たにしたのに、テンションの上がらない相手しかいないという退屈と呼べるような心境で俺達の試合がスタートした。

次回更新は8/21です。


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