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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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107.実戦という戦闘訓練

リョウ視点です。

歩くこと数分、再び俺の分身がモンスターを発見する。

今度は複数の分身達が反応していることからモンスターも複数いる事を示していた。


「アベル、ミロール、エルン、見てわかると思うが今度はモンスターが複数いる、準備はいいか?」


俺の言葉に3人共戦闘準備を整えながら頷く。

それを確認した俺はついでにと全員の能力を底上げする。


「オールアップ!」


俺の魔法で能力が上がったのを感じたらしく、驚きの表情を浮かべるアベルとミロール。

それもそうだろう、おそらく今のアベルとミロールが身体強化で能力を上げるのと同じくらいは俺の魔法で上がっているのだから。


「凄いな、いつもより力が入るし、身体が動く気がする、流石リョウだね。」


《私もこれなら先程よりも楽に戦えそうです。》


そうして弓を構えるミロールは、先程よりも良い感じに力が抜けていて自然体でいるのがわかり、その成果はもちろん放つ矢にも現れる。

俺の分身目掛けて放った矢は、先程よりも格段に速く、威力が高いのが見てわかる。

そんな矢を2発、3発と次々に放っていき、その全てがモンスター達に命中していく。

無論当たったモンスターはそれに伴い擬態を解いてこちらへと向かってくるが、中にはミロールの矢の一撃で絶命したものもいた。

またそこまでいかなくても、ミロールの一撃で大分弱っていたため、今度はアベルが一撃を加えることであっさりと仕留める。

そうしてメレオの群れは俺達が特別助けることなくアベルとミロールだけで全滅した。


「戦闘に慣れるのも早いな、俺達も手助けするつもりだったが余計なお世話だったな、まあまだ甘い所もあるから油断だけはしないように気を付けてくれ。」


「それはもちろんだよ、僕もリョウの支援魔法のおかげで思ったよりも戦えるから驚いてるよ、次の戦闘はリョウの魔法無しでもいいかい? いつまでもリョウに頼ってもいられないだろうし。」


《私も兄さんの意見に賛成です、安全面ではリョウの支援魔法があった方が良いのでしょうが、それだと地力が上がらないと思うので。》


「了解、流石王族だけあって考え方がちゃんとしてるな、そんじゃまあオールアップを解くぞ。」


そうして俺はオールアップに使った魔力を俺へと戻す。

まあ、ある程度アベルとミロールが使っているから全てを戻すことは出来ないが、それでも使った分の半分は戻すことができた。

最も、俺の魔力量からすればそれは微々たる量でしかないが、それでも無駄にするよりは良いだろう。


「やっぱりリョウの魔法がないと、身体の動きが違うんだな、この辺は僕達の身体強化をもっと上手く使いこなせれば解決できそうだけど。」


《そうですね、それでも上を知れたというのは貴重な経験ですから、上手く活かしましょう。》


2人の動きの確認が終わった所で、再び俺の分身がモンスターの群れを発見する。

中には俺がまだ遭遇した事のないモンスターもいたため、俺はいつでもアベルのフォローが出来るように準備する。


「アベル、ミロール、エルン、次の群れに俺が初対面のモンスターがいるからとりあえず先制攻撃は任せるが、アベルは前線の1歩後方にいてくれ、行けそうなら無理はせずに参加してくれ。」


「わかった、そこら辺の状況判断も重要な戦闘訓練って事だね。」


「そういうことだ、じゃあ行くぞ。」


俺の合図と共に、エルンとミロールの矢が俺の分身目掛けて、正確には擬態しているモンスターの群れに向かって放たれる。

そして現れたモンスターには、メレオ、ゴーレイの他に猪のようなモンスターもいた。

実体を持っているかと聞かれると微妙な半透明と言えばいいのか不思議な身体を持っているその猪は、矢の攻撃を受けてはいるが、それほど致命傷にはなっていないことからもわかるように、物理攻撃はあまり効かないのだろう。


『なるほど、シシガミか、この島のモンスターの中なら上位に君臨するモンスターだ、ゴーレイと同じように魔法の方が効果があるな。』


「アベル、ミロール聞いたな、2人は後方から魔法を放ってくれ、俺とエルンの分身が足止めする。」


「了解。」


《わかりました。》


俺の指示にすぐさま行動するアベルとミロールに感心しながら足止めに専念する。

槍という長物を使っているため、問題なく足止めが出来る。

ゴーレイやシシガミ対策に魔力も纏わせているため、攻撃が効かないということはない。

まあ、俺だけでも仕留められなくはないが、今回はアベルとミロールの戦闘訓練を兼ねているのもあり、仕留めるのではなく足止めに専念してるが。

そうしていくらか時間を稼ぐと、アベルとミロールの魔法が完成する。

それをエルンが強化する。


「吹き荒れる業火を、ファイアストーム!」


《静めよ蒼き炎、ブルーインフェルノ!》


『合唱!』


アベルが炎の竜巻を、ミロールが蒼い高温の炎の塊を放ち、それをエルンがアシストしてより強いものにする。

そうした2つの炎の魔法はモンスターの群れへと飛んでいき、2つが合わさりより強力な魔法へと変わり、モンスターを焼きつくしていく。

こうしてあっさりとモンスターは全滅する。


「思ったよりも魔法の威力も高くなってるな、詠唱も短いし上出来だ。」


「リョウの足止めのおかげで詠唱に集中出来たからね。」


《リョウにそう言ってもらえて嬉しい限りです、それにエルンのアシストもありましたので。》


『一応助けはしたが、それが無くても十分全滅させられる威力はあったな、魔法の適性も高いとなると王族にさせておくのが勿体無いくらいだ。』


エルンの言葉に内心では同意してしまうが、こういった人物が王になってくれれば安心ということもまた事実なので、今はアベルとミロールを短い期間でも鍛えようと改めて思った。

まあ、分身を作れるようになった今ならいつでも訓練しようと思えば出来るのも事実なのだが。

そんな調子で俺達は日が暮れるまでグリーンフィールドのモンスターを次々と仕留めていった。

次回更新は8/12です。


遂に感想を書いてくれた方が現れてくれて感動しました!!

これからも「憧れの異世界で」をよろしくお願いいたします!


また、引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしております!!

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