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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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106.アベルとミロール初めての実戦

リョウ視点です。

俺がアベルを目印に転移すると、そこはどこかの教室で授業中だったみたいで、横にはミロールとルイが座っていた。

まあ、念のためインセプションリングを着けてきたから騒ぎになることはなかった。

黒板を見る限り魔法の、中級らしい。

だが、ただ魔法書から引用したような説明と、独自の解釈を全面に出しているこの授業に俺は僅か数秒で飽きた。

というか、こんな風に教えてるから魔法を上手く使えない生徒が多かったんだとガッカリしてしまう。

まあ、中には良い先生もいるのだろうが、俺が見た限りではそんな先生はほんの一握りしかいない。

こんな所にいたら3人が魔法を使ううえで得にならないと考えた俺はリンクイヤーを使って話しかける。


[ルイ、アベル、ミロール、今インセプションリングで姿を隠して3人の後ろにいるんだが、こんな為にならないような授業なんか抜けて実戦経験積みにいかないか?]


[リョウが良いならお願いしようかな、リョウに教わった後だと、この授業を受ける意味がないなと僕も思っていたし、2人はどうする?]


[うーん、私は行きたい所だったけどー、抜け駆けすると色々面倒になりそうだからやめとくー!]


[兄さんが行くなら私は行きます。]


[OK、じゃあ転移で飛ばすけど、準備はいいか?]


2人はノートやペンをそれぞれゲートの魔法が付いた道具にしまい、俺の渡した剣と弓を着けると頷いた。


[じゃあ行くぞ、転移、エルン!]


こうして俺達はルイを残してエルンの元へと戻る。

教室で生徒が消えたのが問題になるかと不安だったのだが、どうやらあの先生は金クラスを見下している人物だったようで、元からルイ達の方を見ていなかったようで問題にならなかったみたいだ。

エルンの元へと戻ってくると、いくらか戦闘した跡のような物があったが、エルンは無傷で、それどころか草原で横になっていた。


「いや、俺の分身がいるから気を抜いても大丈夫なのはわかってるけど、和みすぎだろう。」


『リョウか、思ったより早かったな、アベルとミロールも良く来た。』


「リョウ、ここは一体どこだい?」


「グリーンフィールドって所だ、擬態とかする面倒なモンスターが多いところだが、戦闘力が対して高くない奴が多いから丁度良いと思うぞ?」


「いや、リョウ? グリーンフィールドって立ち入り禁止区域の1つなんだけど何で普通に来てるんだ?」


「いや、だってその辺だとモンスターが弱いからな、こういう秘境だと良いモンスターがいるんだよ。」


「はぁ、リョウに言っても無駄か、それに立ち入り禁止なのは危険だからだし、リョウがいれば大丈夫か。」


「まあそういうことだ、それに擬態に関しては心配しなくていい、ミロールそこに小さい俺の分身が見えるだろう? それを射抜くように矢を放ってみてくれ。」


《わかりました。》


そういってミロールが矢を放つと、俺の分身はもちろん回避し、その後ろにいたモンスターに矢が刺さる。

すると擬態が解けメレオが現れる。

予想通りの相手だったが、ミロールが思ったよりダメージを当てられていて驚いた。


「まあこんな感じで俺の分身が索敵はしてくれる、ミロールはそんな感じでどんどん弱らせてくれ、エルンはミロールのフォローで、アベルはエルンの分身と一緒に前線だ、危ないと思ったら攻撃より回避に専念してくれ、一応俺がヤバい時はフォローするがあんまり頼りすぎるなよ。」


『ミロールの指南は任せておけ。』


「わかったよ、じゃあよろしく頼むよリョウ。」


《モンスター相手は初めてですが頑張ります。》


それぞれやることの確認をしたところでメレオを相手にする。

俺はトライゴルクを構えながらシナイルードンを1機出しいつでもアベルを守れるようにしておく。

流石に王族に怪我をさせるわけにはいかないから、準備はしておく。

まあ、極力助けることはするつもりはアベルの為にもするつもりはないが。

早速ミロールがエルンにフォームを修正されたりしながら矢を次々と放っていく。

みるみる内に弱っていくメレオをアベルとエルンの分身が更に追撃していく。

だが、今回はアベルの実戦訓練を兼ねているため、エルンの分身はさっきまでと違いあくまでアベルのフォローがメインだ。

俺はそんなアベルの動きに合わせて行動を変える臨機応変さを身に付けるのが目的で、それと並行してアベルの動きを修正していく。


「アベル踏み込みすぎだ、だから剣に力が乗らないんだ、適切な間合いで戦うことはそれだけで戦闘を有利に進められるんだからな。」


「わかった、気を付ける。」


こうしてメレオに攻撃するアベルの動きはどんどん洗練されていく。

思ったよりもアベルの飲み込みが早いため、初めての実戦の割に思うより戦えている。

2人の戦闘センスに改めて感心しながら戦闘を進めていくと、メレオは力尽きる。

初めての戦闘での勝利に喜びの表情を見せるアベルとミロール。

もう少し苦労するかと思ったが、この調子なら思ったよりも成果が上げられそうだ。


「2人ともお疲れ、どうだった初めての実戦は?」


「2人と分身がいたからだろうけど、それほど気負わずに戦えたよ。」


《初めての実戦でしたけど、落ち着いて戦えました。》


「そうか、俺の想像より2人の戦闘センスは高いから、この調子で経験を積めば大分戦えるようになるはずだ。」


「リョウそれは本当かい? それを聞くとより一層頑張りたくなるな。」


《ええ、リョウまだ戦闘訓練は終わりではないのでしょう?》


「ああ、じゃあまたモンスターを探しにいくか。」


こうして俺達は再びグリーンフィールドでモンスター探しを始めた。




次回更新は8/11です。


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