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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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105.戦闘と言う名の蹂躙

リョウ視点です。

少し歩いていると、先行している俺の分身の1体がモンスターを発見する。

それを見て俺はエルンが言っていた事を思い出した。

なるほど、確かに擬態が上手いというのは本当らしい、こうして魔力や生命力を感知する目を持ってる俺ならわかるだろうが、肉眼で見た場合このモンスターを発見するのは難しく、先制攻撃をくらってしまうだろう。

エルンの話では元の戦闘力も高いそうなので、下手をすればそのまま命を取られる事もあるのだろう。

まあ、こんな辺境に来る命知らずならそうなっても文句は言えないだろうが、生憎俺達はそんな風になるのはごめんだし、こうやって発見できた以上、立場は逆転しているのだし。


「エルン、少し歩いたところにモンスターが擬態してる、俺の分身がいるからそれを目印に先制攻撃を頼む。」


『ああ、任せておけマスター、しかしマスターの索敵は便利だな、出来るかはわからないがやり方を教えてもらえないか?』


「ああ、簡単に言えば魔力と生命力を混ぜた物を目に集中させるだけだ、慣れてきたら目を改良して常時展開させる。」


『こ、こうか、確かにこれなら何時もとは違った景色が見えるな、ただリョウのように索敵するには私には負担が多過ぎて厳しそうだ、まあ徐々に慣れていけば便利だとは思うが。』


「まあそれは仕方ないさ、俺の脳の処理能力は他の人と比べ物にならないくらいにずば抜けてるらしいから、俺の真似をするよりアレンジした方がいいと思うぞ。」


『そうしよう、リョウの使う技術は私達には難しい物が多いからな。』


そう、今でこそ俺に実力が追い付いてきたリナ達だが、以前のリナ達なら到底俺の技術を使うことは出来なかっただろう。

それに今でも、俺の技術を教えてはいるが、上手く使いこなせる人物は多くはない。

魔力に関して言えばサクラが、技に関してはスートが俺を上回ってはいるが、それでも今朝成長を経験した俺はおそらく2人を超えてしまっただろうし、技術も同様に洗練されてしまったため、俺のをそのまま真似するより、自分の使いやすいようにした方が楽だろう。


「その内エルン達も周りからそう思われるようになるはずさ、さて、会話してる内に着いたな、見えるか?」


『ああ、凄いな、あいつはメレオだろう、擬態に関しては右に出る物がいないほどの能力を持つモンスターなのだが、こうして目に集中させると擬態も問題ないな、それにマスターの分身は獲物を見つけるのに長けているメレオの監視を普通にかいくぐれるのか、流石だな。』


「まあ、その分戦闘力は劣るけどな、それより先制攻撃は任せたぞ。」


『ああやるぞ!』


その声と共にエルンがメレオに矢を放つ。

擬態していようが、攻撃は普通に通るようでエルンの矢が命中すると、擬態が解け怒りのままに襲い掛かってくる。

見た目は完全に巨大カメレオンなのだが、毒々しい色をしているのから、おそらく毒持ちなのだろう。

まあ、そう簡単に毒でどうにかなるとは思わないが、好んでくらいたくはない。

近付いてくるメレオを初めに迎撃するのは、エルンの分身。

エルンがいつも使っている剣を振り回し、メレオを足止めする。

そして、その少し後ろからトライゴルクで攻撃を加えつつ、レイワロンを通して支援魔法でエルンの分身と俺自身を強化する。


「オールアップ!」


俺の魔法でメレオと力で拮抗していたエルンの分身が、メレオを徐々に追い詰めていく。

エルンの分身は数が少ない分俺の分身より性能が高い。

このままでも勝てるだろうが、任せきりにするわけにもいかない俺達は、エルンの分身から逃げようとしたメレオにトライゴルクでの攻撃を加え、逃げられないようにする。

動きが止まった所にエルンの矢が命中し、止めを分身が刺す。

エルンの分身はエルンの思い通りに動かせるため、連携は滞りなく行えるし、俺は中衛で2人に動きを合わせるだけで良い。

意外とバランスが取れているため、楽に戦える。

再び俺の分身を索敵に向かわせる。


「うーん、マッドシルダー山脈の敵よりも弱くないか?」


『まあ、純粋な戦闘力だけならそうだろうが、厄介さという面で言えばこちらの方が面倒だろう、それにマスターの索敵能力があるからこそこうして優位に戦えるのだしな。』


「それもそうか、あとこんな毒々しいやつの肉って食えるのか?」


『ああ、毒抜きが面倒だが、それさえ出来ればかなり旨い肉だ、マドルの調理能力があれば旨い料理が食べられるだろうな。』


「そうか、それは楽しみだな、お、また分身が見つけたみたいだ、こっちだ。」


『わかった、それじゃあ、さっきのように行くぞ。』


そして、再び擬態しているモンスターへ向けて矢を放つエルン。

それに合わせ分身が迎撃、俺がフォローする。

次に現れたのは、存在感の薄いモンスター。


『面倒だな、やつはゴーレイ、見た通り物理攻撃は効きづらい、その代わり火の魔法が弱点の分類ではアンデッドに該当するモンスターだな。』


「ああ、そいつは確かに面倒だな、まあ俺達に関して言えば問題はないけどな。」


中衛の良いところは本人に戦える能力と判断力があれば臨機応変に戦えるところだ。

俺は魔法も使えるから、こういう相手でも関係ない。

エルンの分身が効きづらいながらも攻撃を加え、足止めをする。

その間に俺は魔法を完成させる。

とりあえず弱らせれば良いかと思い、それほど威力は込めなかった。


「ファイア!」


小さな火の玉がゴーレイに飛んでいき、命中すると、火の玉に包まれそのまま消え去ってしまった。

呆気に取られる俺を見て、呆れた表情を見せるエルン。


『マスター、いくらグリーンフィールドのモンスターとはいえ、マスターの魔力を込めて作った弱点の魔法を当てられてしまえば流石に耐えられるわけがないだろう。』


「いや、かなり魔力を節約したんだけどな、魔力の感じも覚えたし、次にあいつを見つけたら俺が魔法で潰すか。」


『その方が良いだろうな、残念ながらやつからは食材も魔石も取れないしな。』


「益々戦いたくない相手だな、ただ俺と分身がいれば安全に戦える相手ではあるのか、なあエルン、ここにアベルとミロールを連れてくるのはまずいか?」


『いや、この感じならグリーンフィールドを治めるボスに挑まないなら、リョウがフォローしながら戦えば問題はないだろう、連れてくるのか?』


「ちょっと聞いてくる、少しの間待っててくれ、分身達は残しておくから索敵は問題ない。」


『わかった、マスターが来るまで待っているとしよう。』


「ありがとな、転移、アベル!」


こうして俺は戦闘経験を積ませる為にアベルの元へと飛んでいった。



次回更新は8/10です。


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