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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
123/141

104.グリーンフィールド

リョウ視点です。

アベル達を含めた楽しい食事を終えると、アベルはミロールと一緒にマドルへと料理の感想を伝えていた。

どうやら、アベル邸で2回程食べた料理の味を見事に別の食材で再現していたようで、とても驚いていた。

ミロールも料理をするそうなので、レシピや材料、調味料等を聞いていた。

そんな3人を尻目に、リナ達はそれぞれ出掛ける準備を始める。

俺は埋め合わせと、今日の自由日もありエルンと予定を決める。


「エルン、今日はどうする?、今朝の事もあるし、ある程度の要望があれば答えるつもりなんだが。」


『それは随分と大きく出たなマスター、そうだな、いつもよりも遠い所に狩りに行きたいのだが良いか?』


「ああ、転移で飛べるのか?」


『いや、場所を知っているだけで行ったことはないから飛ぶ条件を満たせない、知り合いもいないしな。』


「そうか、それじゃ久々にインセプションリングの出番だな、転移魔法と合わせれば比較的簡単に移動できそうだな。」


『そうだな、とりあえずマッドシルダー山脈からの方が近いからそこに飛ぼう。』


「わかった、アベル達は学園から帰る時間になったらリンクイヤーで呼んでくれ、それじゃあ行ってくる、転移、マッドシルダー山脈!」


今までは人気のない裏道に行ってからインセプションリングを使って飛んでいたのだが、転移魔法を覚えた今なら、マッドシルダー山脈に飛んでいってから移動すればいい。

距離的な問題で真逆な場合はまた考えるが、そうでないなら、こんな秘境と呼べるような所に人は来ないからな。

マッドシルダー山脈に飛んできた俺達は、早速インセプションリングを装備し、天使の羽を広げるエルンと、シナイルードンに乗る俺。

そのまま互いに空を飛び、エルンに着いていく。

久々にこうしてゆっくりとは言えない速度だが、空のデートを楽しんでいた。

まあ、俺にしか姿は見えないのだけど。

ただ、飛んでるだけなのもつまらないから、俺は埋め合わせの件もあるし、エルンと会話することにした。

リンクイヤーでだけど。


[エルン、あとどれくらいかかりそうだ?]


[そうだな、このペースで飛んでも2時間はかかると思う。]


[なら、こんなんで埋め合わせにはならないだろうけど、せっかくだし話ながら飛ばないか?]


[そうしてくれるなら私としても嬉しい限りだ。]


[じゃあいつもやってるけど、互いの近況から話すか。]


こうして、俺は今朝会ったソーマとシーマ兄弟との話をした。

俺が興味を示すほどの物なら見てみたいらしく、後日エルンと行くことになった。

埋め合わせを思わぬ形で作れて良かった。

そんな感じでとりとめない話を繰り返しながら、飛び続けていると、意外と2時間はあっという間に過ぎていった。

やがて、着いた所はこれまた秘境といったとこで、マッドシルダー山脈が霧に包まれた所なら、ここは見渡す限り障害物の何もない緑だけが広がる土地、ようするに草原だ。


『ここが、マッドシルダー山脈よりも狂暴なモンスターが住むグリーンフィールドだ、遮蔽物が全くない上に、モンスター達は索敵能力が高く、擬態がうまい、それに加え戦闘力も高いからな、天界に居たときも戦うのに苦労した。』


「なるほどな、まあ丁度試したいこともあったし、そう考えれば良い環境か、ミニマムシャドー!」


俺は自分の身長の10分の1くらいの小さな分身達を辺りへと走らせていく。

彼らの目は俺の目と同じもので、分身というだけあってピット君の時と違って、かなり索敵の精度が上がっている。

しかもこいつらは小さいから見つけにくいうえに、モンスターのように擬態も上手い。

まあ、その代わり戦闘力はそれほど高くないのだけど。


この分身達は俺と視界を共有しているし、俺には彼らの魔力を感知して何処にいるのかもわかる。

試しでやってみたが、こいつらがいれば今まで行ったことのない場所にも行けるし、視界を共有しているから、風景も記憶できる。

これで、この世界を自由に転移できるだろう。

まあ、その為にはもう少し戦闘力も必要だろうけどな。


『あの小さいのはなんなのだ?、見たところリョウと似たような気配があるが。』


「あれは俺の分身みたいなもんだ、今はまだ10体しか作れないが、そのうちもっと増やして、索敵だけじゃなく、戦闘の役にも立たせたいと思ってる。」


『ほう、面白そうだな、私もやってみよう。』


そういって、エルンは自らの羽と魔力を媒介として小さな分身を作った。

それでも、普段のエルンの半分くらいの身長で、俺の索敵用よりもどちらかと言えば戦闘寄りだ。

俺のように何体も呼べるようではないらしく、2体目は呼び出せなかった。


『これは難しいな、視界を共有するのはリンクイヤーで慣らしてはいたが、やはり情報量が多いから維持が難しいな、ただ上手く使いこなせれば戦闘がより楽になるだろうな、基本は私は1人で戦う事が多いからな。』


「すぐに使えるだけ上出来だろ、とりあえず索敵は任せとけ、違和感とかも早めに修正しときたいしな。」


『ああ、任せる、ただここのモンスター達は油断できないからな、一応気は抜かずに行こう。』


「それは当然だな、じゃあ俺は今回はトライゴルクで戦うからそのつもりで頼む、遮るものを突き破る我が矛!、トライゴルク!」


『了解だ、私は弓を使って、分身には剣を使わせよう。』


こうして俺達は即席パーティーを作り出し、グリーンフィールドを歩き出した。


次回更新は8/9です。


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