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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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96.ロードの実力

リョウ視点です。

もう一度学園の体育館に戻ってきた俺達にクラスメイト達は微妙そうな顔を浮かべていた。

それはそうだろう、つい先程別れたばかりなのに、わずか数分で戻ってきたのだから、挨拶すべきかも微妙な所だしな。

そんなクラスメイト達は置いておいて、変装したロード、アベル、ミロールは体育館の中央へと向かい、ロード1人とアベル、ミロールという組み合わせで向かい合う。

ロードはそれなりに実力者らしいからな、いくらアベルとミロールの実力が上がったとはいえ、一国の王である人物には勝てないと思う。

しかも、装備は全員俺の作ったものだから差は無いしな。

どのくらい戦えるか楽しみにしておく。


そんなロードたちに模擬戦のルールを説明し、いつも通りにコイントススタートにする。

高く打ち上げたコインが落下を始めると、3人の間の緊張感が増していく。

ただ、ロードにはいくらか余裕があるのに対して、アベルとミロールは一杯一杯といった感じだった。

そんな中、コインがゆっくりと落下していき、地面と接触し、甲高い音が鳴り響くとミロールは弓を放ち、アベルは距離を詰めていく。

まだまだ拙い連携ではあるが、お互いの攻撃を邪魔せず、なおかつ防ぎづらいタイミングで攻撃が届くようにミロールが調節しているため、意外と面倒な攻撃になっていた。


ロードはそんな2人の様子を嬉しそうに眺めながら、攻撃に対処しようと先ずはミロールの矢を落とそうとした。

しかし、ミロールは矢を自由に操れるため、弾かれそうになった瞬間、方向を変え、ロードに当てにいった。

その様子に一瞬驚いたロードだったが、その軌道を変えた矢を弾き飛ばし、アベルを蹴り飛ばす。

戦闘慣れしていないアベルは防ぐことが出来ずに吹き飛ばされ、ミロールと同じ位置にまで飛ばされた。


「ははは、まだ甘いのう、攻撃が武器だけとは限らん、そら掛かってきなさい。」


やはり戦闘経験が違うのか、2人を相手にしても余裕を持ち続けているようで、その立ち姿だけでも潜ってきた修羅場の数が1つや2つではないことがわかる。

俺やリナ達にしても、本格的な戦争は経験していないため、そういった場を潜り抜けてきたロードの動きには学ぶべきものが多い。

今も、アベルとミロールが魔法を唱えつつ攻撃をしているが、その攻撃を1歩も動かずいなし、しまいには完成した魔法すらも跳ね返し、アベル達へとぶつける。

俺もたまにやる動きだが、1歩も動かずにというのはおそらく難しい。

それをさも当然のようにやるから、ロードの技術力の高さがうかがえる。

伊達に長く生きてはいないなと改めて感心し、ロードに渡した武器の性能は間違えていなかったことに満足した。


それからも、アベルとミロールは戦い方を独自に組み立て、俺達が考えもしないかのような動きで、ロードへ攻撃を入れにいくが、工夫はいいのだが、まだ身体がついていかないようでロードに良いように遊ばれていた。

ミロールも死角から矢を放つのだが、まだ気配を隠すのが下手なので、簡単に避けられたり、そのまま跳ね返されたりしてしまう。

アベルも独自のフェイントを作り出し、タイミングを外す事に重点を置いて、攻撃を加えていく。

まあ、フェイントといってもまだ出来立てで、フェイントを行うのがわかるし、どこから攻撃してくるのかもわかってしまう。

だからこそ、アベルの攻撃がロードに届くことはなかった。

そうして、しばらく戦闘していると、ロードも満足したのかプレッシャーを強めて、本格的な攻撃姿勢に入る。


「ははは、良い具合に成長しておるな、リョウに会ったのはやはり幸運じゃったのう、まあまだまだ甘い所はあるが、伸び代は十分だしのう、では今度は儂の攻撃を見せようかのう。」


そう言って、ロードが何事もないかのように1歩踏み込むと、一瞬ロードがぶれる。

というか、この速度俺が見るのがやっとってことは、リナ達がギリギリ見えたくらいだろう、アベル達に至っては、何が起きてるのかわかってないだろう。

気づいたら、2人ともロードに引き寄せられて、首に剣を当てられている。

あの速度でまだ余裕がある、あれが一国の王か。

俺はその実力の一端を垣間見えて、素直に喜んだ。


「そこまでだな、流石ロード、動きについていくのがやっとだった。」


「ほほう、儂の動きが見えたのか、流石はリョウじゃな、いずれリョウとも手合わせしておきたいが、今日はやめておこう、そろそろ料理もできるだろうしのう。」


「そうだな、いずれ手合わせ願うよ、2人ともそろそろ現実に戻ってこい。」


俺の言葉でようやくアベルとミロールは我に返り、自分達が負けたことに気づいたみたいだ。


「父上が強いのは知っていたけど、まさかここまでなんて、しかも年齢を感じさせない動き、今の父上を見たら、きっとギルファードが喜ぶね。」


《私たちは父上の血を引いているのだから、鍛えればここまでになれる可能性があるのね、やりがいがあるわ。》


「ははは、2人ともやる気があって何よりじゃ、そうじゃのう、ギルファードにも訓練をつけてやるとするかのう。」


「さて、盛り上がるのは屋敷に帰ってからにしないか?、そろそろ良い時間だろう?」


「それもそうじゃのう、リョウよ、任せたぞ。」


「ああ、任せろ、転移、アベル邸!」


こうして、想像以上のロードの実力を見た俺達はアベル邸へと戻ってきた。

更新遅れまして申し訳ないですm(__)m


次回更新は8/1です。


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