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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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87.戦闘での転移魔法

リョウ視点です。

《ーーウ!、ーーなーい!》


何か誰かに声をかけられた気がする。

まだアラームもなってない時間なんだが。


《リョウ!、起きなさい!》


俺に呼び掛ける声で目を覚ますと、そこには朝から元気なサクラがいた。


「サクラ、こんな朝早くにどうした?」


《やっと起きたわね!、昨日言ったじゃない!、明日の相手よろしくって!、だからさっさと準備して訓練に行くわよ!》


「あー、まさか朝からだと思わなかったよ、わかった、それにしても朝から元気だな。」


《だって、早く転移魔法を色々と調整して使いたいんだもん、さあ行くわよ!、転移、別、体育館!》


俺はサクラによって強引に別校舎の体育館へと連れていかれる、いや転移させられた。


「おいサクラ、急ぎたい気持ちもわかるが、強引過ぎるだろ!?」


《だって、リョウも転移出来るんだから、万が一とかないでしょ?、ならいいじゃない。》


「それはそうだけど、そういうことじゃないんだよ!?、まあいいか、それで体育館で何するんだ?、模擬戦か?」


《それはもう少しあと!、とりあえず今転移で飛んでみての感想は?》


「そういうのはあらかじめ言っておいてほしいんだけどな、、、うーん、とりあえず俺のよりも飛ぶときの違和感が少なかった気がする、その代わり俺が飛ぶときよりも溜めが若干長かったかな。」


《ダメ元だったんだけど、的確なアドバイスありがとう、なるほどね、感覚はわかったから、あとは実戦で試せばいいや、そういうわけでリョウ、模擬戦お願い!》


「いや、だから強引過ぎるだろ!?、はあ、俺が言い出した事なんだし仕方ないか、そんじゃ模擬戦やるか。」


こうしてまだリナ達ですら来ていなくて、誰もいない静かな体育館で、俺とサクラは距離を開けて向かい合う。

まだ誰も起きてない朝に起こされてからここまで散々振り回されてきた気もするが、ようやく目が覚めてきたのもあり、集中力が徐々に高まっていく。

模擬戦のルールはいつも通りで、それはお互いに理解している。

俺はコインを上空へ弾き、落下までの間に完全に意識を戦闘にむけ、集中させる。

今回の模擬戦はトライゴルクで戦う。

サクラのインベルに対抗するなら近づく必要がなく、遠距離、中距離どちらでも戦えるトライゴルクか、フリスネイドを使うのが1番良いからな。

昨日はフリスネイドを使ったから、今日はトライゴルクを使った方がいいだろうし。


ゆっくりとコインが地面へと落ちていき、そしてカランと地面と接触する音が鳴った瞬間、どちらも行動に移る。


《インベル!》


俺がトライゴルクを投げると同時にインベルが発動される。

以前は、インベルを使うのにいくらか時間が必要だったにも関わらず、今は開始と同時に使える程の速度を出せている。

それでも、物理攻撃は防げないため、俺のトライゴルクが当たれば俺の勝ちなのは変わらない。

まあ、そんなんで勝てるなら苦労はないんだけどな。

予想通り、ダスガリットによって俺のトライゴルクは弾かれた。

ダスガリットの扱いも以前より上達していて、トライゴルクを弾くのに、危うさの類いは全く見えない。

スートといい、サクラといい、短い間に自分の戦い方を大分極めてるな。

ここからどうやって攻めようか考えていると、サクラが魔法を放ってくる。


《トリプルマジックシャワー、レインボー!》


マジックシャワーですら数多くの魔法が降り注ぐのに、その3倍に増えた魔法が俺へと降り注ぐ。

ただ、以前よりも少しだけ数が少ないような気もする。

その代わりに、1つ1つの魔法の威力が上がっているみたいだ。

イーブンでも防げるのだが、数が多すぎてイーブンでは全てを防ぎきれない。

ただ、すべての魔法を操れているわけではないため、いくつかの魔法は俺へと当たらないであろう軌道を描いているものもある。

そのため、俺は自分に当たりそうな魔法を相殺することにした。


「アンリミテッドマジック、レインボー!」


俺へと向かってくる軌道の魔法と同数の魔法を作りだし、相殺のために放つ。

ここでサクラに向けて撃たないのは、インベルで防がれるのがわかっているからだ。

俺の魔法とサクラの魔法がぶつかり合い、相殺されていき、俺へと当たらない魔法は体育館の地面へとぶつかり、床の破片を撒き散らし、それを別の魔法が細かくし、視界が悪くなる。

それを吹き飛ばそうとした所で、突然背後に気配が現れる。

それに反応が遅れ、同時に魔法が放たれる。


《スタン!》


魔法名が聞こえると、身体が突然動かなくなる。

そして、それは大きな隙となり、サクラにダスガリットを突きつけられる。


《よっし!、リョウにも通じた!、それにしても、スタンを当てたのに意識を保ってられるなんて、さすがリョウね!、ありがとう!、これで転移魔法の調整が完璧になったわ!》


「何が起こったのかわからなかったが、転移魔法を使ったのか、それにしてもスートに続いてサクラにも負けちまった、このまま他のメンバーにも負けていくのはあんまり良い事じゃないな。」


《戦闘に転移魔法を組み込む、出来るとは思ったけど、上手くいって良かったわ、早い内に終わらせてリョウとの時間をゆっくり過ごしたかったし。》


「全く、その辺も俺に意見とか求めないのな、まあサクラのやりたいことを聞こうとは思ってたから丁度いいけど。」


《細かいことは気にしないの!、それじゃ流石に消耗しちゃったし、朝ご飯できるまで休むわよ!、転移、マイルーム!》


こうして俺達の部屋に戻ってきた俺とサクラ、相変わらず強引に物事を進めていくみたいだな。


「だから、あらかじめ説明しろって言ってるだろう!?」


《細かい事は気にしないの!、それじゃ訓練ありがとねー!、これで最終調整も出来たから満足だわ!、それじゃリョウ、おやすみー。》


そういってサッサと2度寝してしまったサクラ。

既にリナ達は部屋に居なかったので、俺達とは入れ違いになったのだろう。

何か朝から振り回されて精神的にドッと疲れた。

俺もサクラに習って2度寝することにした。

それにしても、昨日も今日も呆気なく負けてしまった。

スートとサクラの実力が上がっていたのは間違いないのだが、そうだとしても初見の技、魔法への対応が遅い。

今まで力業できたぶん、力の使い方の基礎はわかっても、応用まで考えられていなかったみたいだな。

それがわかっただけでも、負けの価値はあったのだろう。

それに、俺は負けることにそれほど悪い感情は持っていない。

もちろん、悔しいし、次に負けるつもりもないが、負けるということは、目指すものが出来たということでもある。

その事に、より一層やる気をみなぎらせながらも、疲れた精神を癒すために眠りについた。




次回更新は7/23です。


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