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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
105/141

86.2回目の模擬戦は、、、

リョウ視点です。


再びスートと向かい合い、コイントスをする。

ここまではさっきと同じだが、明らかに何かを狙っているのが伝わってくる。

とはいえ、一部の者しかわからない位の者なので、金クラスのメンバー達でこれを察知できるのは、俺、シノグ、シュウの3人にリナ達だけだろう。

やがて、コインが落ちるとスートは前の時と同じように槍を投げてくる。

だが、既に槍を操れるのは知っているし、先程の攻撃との違いもそれほど感じない。

あくまでそれほどなのは、多少の違和感というか、何とも言えない感覚が伝わってくる。

おそらく、投げ方や力の伝え方を変えたのだろうと納得し、フリスネイドで迎撃する。

だが、フリスネイドがスートの槍に当たると、槍を弾いた際に感じる感覚が全く無いことに気がつく。

そして、左右から飛んで来るスートの槍、いつの間にかミラージュを使われていたらしい。

俺は左右から飛んで来る槍をフリスネイドをばらして、対応する。

しかし、これも幻影のようで、フリスネイドは空を切る。

そして、前方から飛んで来るスートの槍、これは2つに別れた物ではなく、1本の槍だった。

流石に3度目は騙される訳もなく、これが本物なのがわかる。

俺はスートの槍をフリスネイドで弾こうとした瞬間、目の前からスートの槍が消える。

先程の幻影が霧散したのではなく、文字通り消えた。

だが、俺はその現象の理由を知っている。

ただ、一瞬だけ反応が遅れてしまった。

振り向いて来るであろう一撃を防ごうとしたが、槍を戻したスートはそこまで想定していたらしく、俺のガードを上手くかわし、俺の首筋に槍を当てる。


「俺の負けだな、まさかミラージュをあんな風に使うとは思わなかった。」


俺の言葉に満面の笑みを浮かべ、喜びを隠しきれないようで、全身を使って喜びを露にしている。


《やっと!、やっとリョウに攻撃を入れられた!、さっき負けた時に考えた、防御をもっとしっかりすることも考えたけど、やっぱり攻めた方が勝てる可能性があると思った、上手くいって良かった。》


「ああ、俺もなまじ2回もミラージュにやられたから、3回目は完全に油断した、しかもリターンも上手く使っていたから、1対1ならまず負けないだろうな、集団戦になったら、更にミラージュが活きるだろうから、戦術が拡がるな!」


《うん!、これでやっとリョウの役に立てる!、今までは、リョウの強さに守ってもらってばかりだったから、やっとリョウを守れる!》


「いつも助けてもらってるよ、ありがとなスート、これからもよろしく頼むな。」


《わかった!、任せて!》


こうして2回目の模擬戦は、俺がこの世界に来て初めての敗北で終わった。

この後も模擬戦を続けようかと考えたが、スートはさっきの模擬戦で少なからず消耗していたし、俺に勝つために、それこそ全精力を掛けていたらしく、精神的にも疲れているようだった。

それを感じた俺は、体育館でスートの疲れを癒しながら、ゆったりとした時間を過ごした。

とりとめの無い話をしながら、俺がいない時の自分達の様子を話したり、金クラスで新しく友達が出来たなど、普段はあまり話す時間が無い為、その時間を埋めるかのように、盛り上がりながら話をしていた。


そうしてしばらく会話していると、いつの間にか大分時間が過ぎてしまったようで、マドルから呼び出しを受ける時間帯になった。

俺はスートとその事実に笑い合いながら、転移魔法で部屋へと戻る。


「転移、マイルーム!」


いつもの感覚を感じながら部屋へと戻ってくると、転移魔法のおかげか俺達が1番早かった。

待っているだけなのは申し訳ないため、マドルの邪魔をしないように、料理をテーブルに並べていく。

すると、サクラが突然俺達の元に戻ってくる。

紛れもなく転移魔法で帰って来たようだ。

俺はその事実に驚きながらも、魔法が得意なサクラならあり得るかと納得もした。


《あら、リョウ達の方が早かったみたいね、まあ、転移魔法を使えるようになったからいいか。》


「さすがサクラだな、まさかもう使えるようになるとは思わなかった、もう思い通りに飛べるのか?」


《うーん、まだ調整中って所ね、でも明日には完成させる予定だから!、そんな訳でリョウ、明日の相手よろしく頼むわよ!》


「りょーかい、それじゃ準備して待とうか。」


それから少し経つと、リナ達が戻ってきたので、いつも通りの席取りの争いを繰り広げ、マドルの作った料理を食べていく。

そんな食事中の会話で、スートが俺に初めて模擬戦に勝った話となり、驚愕の視線と納得の視線がスートへと向けられ、リナ達は自分も負けていられないと意気込んでいた。

そして、もちろんスートが俺に勝ったとなれば、どんな戦いだったのか気になるのは当然の流れで、俺は魔力を教えるときに使う魔法で映像を作りだし、模擬戦の内容を見せる。

2回目から見せてもいいのだが、1回目から2回目の間にスートがどのように考え、戦い方を創造したのかもわかってもらうため、1回目の模擬戦から見せた。

その試合内容を食い入るように見つめるリナ達、スートも自分から見た視点との違いから、より良い改良をするために食い入るように見ていた。

そして、俺に止めを刺したシーンになると、自然と拍手が起こり、スートへの労いと称賛の言葉が掛けられる。

それを照れながら、また嬉しそうに受けるスート、そんなリナ達を見て、俺は嬉しく思う。

この中の誰1人として、スートに嫉妬を抱くものはいないし、その実力を疑う者もいない。

そして、次は自分がとやる気を出しているリナ達。

このメンバーを相手にするのは大変だなと考えながらも、どこか楽しみにしている俺がいた。

そして、いつものように今日の出来事を報告しあい、盛り上がるリナ達。

俺はマスターオブウエポンを使った影響もあり、知らぬ間にかなり疲れていたようで、夕飯を食べ終えると睡魔に襲われた。

俺は皆に寝る前の挨拶をして、一足先に意識を夢の中へと飛ばす。


もちろん、この後壮絶な寝床争奪戦があったのだが、寝ている俺に知る術はなかった。





次回更新は7/22です。


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