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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第一章 ここ、異世界?
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1.状況把握

リョウ視点です。

目を開けると、どこまでも広がる澄んだ青い空、様々な音を届ける風、ここまではいつもと変わらない光景だ。


しかし、目の前に広がる樹齢がわからない程大きな幹を持ち高くそびえる木々、人の胴体より遥かに太く生命力の高さを感じさせる枝、つける葉と実はく七色の輝きを持っている。


こんな物は少なくても俺が生きてきた中では見たことも聞いたこともない。

だが、この幻想的な光景は、俺が知らない所にいることを忘れさせるくらい綺麗だった。

しばらく目の前の光景に目を奪われていたが、ふと我にかえった。


「ん?ここどこだ?」


キョロキョロと周りを見渡すが、俺の見覚えのあるものは何一つ見当たらなかった。

どうしようかと考えてみるが、人に流されながら、携帯を頼って生きてきた俺に豊富な知識などあるはずもなく、、、


「そうだ!携帯、、、は家で充電したままだ」


目が覚めてこの状況になっているのだ、携帯など持っているはずがない。

とりあえず状況を把握するため、昨日寝るまでの行動を思い出す

、、、


家族におやすみと声をかけて自分の部屋に戻った俺は、いつも通り充電器を携帯に付け、最近はまっている異世界で主人公が活躍する小説を少しだけ読み進めると、眠気がおそってきたため、そのまま布団に入った。


うん、思い出した所でこんな景色の場所にいる理由はわからなかった。

となると、夢かと思ったが、俺が見る夢でこんなに感覚がしっかりしていることは今までになかったため、一応定番の頬をつねるを一人でやってみたが、やっぱり痛かった、、、


そうなると、あり得ない考えだが寝る前に読んでいた小説のせいもあり、少しだけの期待と多大な不安を持ちながら、自分の置かれている状況を整理した。


「もしかしてここ、異世界か?」


と、一人呟いた。


俺、天神(てんじん) (りょう)は、ちょっと感性が人と違うとこを除けば、どこにでもいるごく普通の人見知り気味な大学生だ。


成績普通、運動神経普通、容姿普通と突出した所はなく、大学では授業を受け帰るのみで、大学から帰ってからはバイトか、家で小説を読み、たまにゲームをする。


そんな生活を行っているため、基本的には一人で過ごしていることが多く、思ったことをふと声に出してしまう。


それを、治そうとしない辺りで、人と違う感性の持ち主である一端を示しているのだと思うが、まあ自覚しているからいいかと思っている。


「とりあえず、これからどうするか、、、」


ここがどんな世界だとか、ほんとに異世界なのかとか、わからないことは多くあるが、まずは水と食事をどうするか考えなきゃならない。


「あの七色の実が食べられればいいんだけど、どうなんだろ?」


こんな知らない土地に一人で来て、不安な気持ちだけじゃなく、少しのワクワク感もあるのは、俺の感性が人と違うからなのか、誰かに聞いてみたいなと思った。

周りに誰もいないけど、、、


何か方法はないかと考えていると、ふいに今まで読んだ小説の内容を思い出した。


「こういう異世界の定番は、女神様からもらった特殊能力、魔法、スキル、あとはステータス画面とかか?」


まず、女神からの特殊能力は会ったこともないからあり得ないとして、魔法は魔力とかわかんないし、使えなそう。


スキルは何を使えるか確認するためにステータスを見る場合がほとんどだ。


ということは、まずはステータスを見るための手段を試してみよう。


とりあえず、左手の人差し指と中指を合わせて下に振ってみる。

定番のメニュー画面を出す方法だが、反応する気配はないため、同じように右手でも試してみた、、、が結果は変わらなかった。


「ステータス、うわっ!」


次は声に出す方法を試してみた。

一つずつしらみ潰しにしていこうと思った矢先、目の前に多くの情報が突然表示された。


まさか二回目で成功するとは思わなかったためにかなり驚いたが、運が良いと思い自然と顔が綻んだ。


端から見たらかなり怪しいと思うが、ここには俺しかいないため気にしない。


そして肝心のステータス画面だが、情報量が多い割には周囲も見えるくらいの透明度だし、かといって書いてある文字が読みにくい訳でもなかったため、とても便利だなと素直に喜んだ。



そんな事を考えながら俺はステータスを確認した。


ステータス


天神 凌 (てんじん りょう)


HP 50/50

MP 50/50


装備 (ジャージ上下)


驚いたことによくある攻撃力や防御力等のステータスは表示されていなかった。


HPとMPの説明はこうだった。


HPとMPはそれぞれ体力と魔力であり、体力は0になれば死にいたり、魔力は0になると気絶してしまうようだ。

また、両方とも0に近づくほど、身体を動かし辛くなったり、意識が朦朧としてくるようだ。


そして最も注意しなければいけないのは、HPが残っていたとしても死に至る場合があると言うことだ。

例えばHPが残っていても出血多量で死ぬことはあるし、臓器が傷つけば即死もあるそうだ。


鍛える方法はHPは身体を動かし、身体を疲労させる事で疲労具合に応じて伸び、MPは魔力を消費することで伸びるそうだ。


これらのステータスの説明を見て俺が思ったのは、異世界じゃない俺の故郷にステータスがあればこんな感じだったのだろうなということだった。

身体を鍛えれば体力と筋肉がつくのと同じで、こちらの異世界でも身体を鍛えればHPが伸びることがわかったため、これから鍛えるのを忘れないように気を付けようと思った。


次にスキルの確認だ。

こういう異世界ではお馴染みの物だが、覚え方は俺が小説で知るだけでも数多く存在するため、どれが適用されるのか、またまったく新しいやり方なのか早く知りたいと思い、早速確認した。


ステータス


天神(てんじん) (りょう)


スキル (なし)


やっぱりと言うべきか覚えているスキルは無く、スキルの取り方の説明もなかった。

唯一あったのはスキルに関しての説明で、スキルは才能のようなものであり、磨くほど出来ることが増えるという、またもや俺の故郷と似たようなものであった。


ステータスを一通り確認し終わった俺は、スキルを得る方法を小説の知識から探していると、突然頭のなかに無機質な声が聞こえてきた。


【スキル(考察)を手にいれました。】


突然の声に驚き、いないと思っていても辺りをキョロキョロ見渡して、声のした方を探していた。

頭のなかに聞こえてきたことはわかっていたことなので、無駄な行為なのだが、何となく身体が動いてしまった感じだった。


一通り周りを見渡すと、再びスキル画面を見つめ、先程の声が幻聴で無いことを確認し、スキルの効果を調べた。


ステータス


天神(てんじん) (りょう)


スキル (考察)


(考察):思考スピードが上がり、手に入れた知識が使いやすくなる。


わりとすごいスキルが手に入り、俺は浮かれそうになったが、実際の所問題は解決していないし、只でさえ凡人の俺がこんなスキルを使いこなせるかも不安になってきて、気を引き締めようと心に決めた。





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