日常変化 壱
遅くなってしまいましたぁ・・・・。週一ペースとかマヂ無理・・・。
不定期ですが更新は進めていきたいので気長にお待ちください。
「…ここは?」
動こうとしても全身の痛みで動けない。どうやらだいぶ魔力も消費しているようで、目も霞む感じがする。
「ここは君の部屋だよ。」
左上の方から声が聞こえる。聞いたことがある声だが、思い出せない。そこまで親しくもない奴なのかもしれない。
「申し訳ない、…誰だ?」
「僕だよ。」
そう言って視界の端っこにあの幼女神が写り込む。
「なんだ神様かぁ…。」
「って!神様!?」
驚き目を見開く。対象に目の前の幼女神は可愛い笑顔を浮かべる。
「ねぇ、驚いた?ねぇねぇ驚いた!?」
「そりゃ…驚いたッスよ…。」
目の前に神様居たんですもん。そういう僕の顔を不思議そうな顔で見つめる。
「なんでそんな変な敬語使ってるの?」
今度は僕が変な声を出した。
「へっ?そりゃ、位が高い種族が目の前にいたら、畏まりもしますよ。」
「んん?」
また、幼女神が僕の言葉に不思議そうに頭を斜めにする。
「種族…あぁ、種族かぁ…!」
ポンッと手を叩き、顔の横に電球のマークが付きそうな理解の仕方をした。
「うーん…何から言おうか…。」
あぁ、まずアレからか…。そう言って人差し指を立てて話し始める。
「まず!君の今の状況を説明するよ!昨日の出来事は覚えているかい?━━━そう、あのフードの奴と戦ったことだよ。
君は神相手に大健闘したねぇ、僕も見てて大興奮だった!最後は叫んじゃったぐらいだよ。
まぁ結果的に君の左半身は吹き飛んだ。そう、大量の血が吹き飛んだのを覚えてるよ。
君は流血魔法の使い手だろ?見ててわかったよ。そう、ここで君たち流血魔法師の特性を思い出してほしい。
━━━…え?知らない?そうか…あれもかなり昔の文献だからなぁ…。
いいかい?君たち流血魔法師は"他者との血を混じれる"んだ。この意味わかるかな?
そう、タイプ関係なしに君たちは血液を体内に循環できるんだ、A型なのにAB型の血が混ざってるなんてざらにあるよ?」
「へぇ、そうなんッスか。初耳ッス。」
「それでね?"僕の血"雑ぜちゃった。」
「へぇ………はっ??」
「いやぁ、君の血、美味しかったなぁ。」
じゅるりと舌なめずりする幼女神。対称に僕は愕然としている。
「えっと…神様?」
「うん?」
「この場合僕ってどうなるんスかね?」
「勿論"セカンド種"に変態してるよ?」
「まじかよ…。」
セカンド種…二つの種族が交わりあい双方の力の良いところだけを持って生まれてくる種族である。その力は強大な分、生まれる確率は低く、どの種族にも属さない。属せない。
だからこそ戦争や内乱の時には重宝され、多額の資金で利用される。
「はぁ…。後天的なセカンド種なんて聞いたことねぇぞ…。」
小声でつぶやく。しかし幼女神には聞こえたようだ。
「うん、本来なら血液が凝固して死んじゃうんだけど…。生憎僕の血は特別性でね。」
少し悲しげな表情で笑う彼女。僕は気づかない振りをした。
「そういえば…聞きたいことが二つあるんだけど。」
思い出して幼女神に問いかける。
「そうそう、下手な敬語よりその方が君らしいよ。何かな?」
先程の悲しい顔を払拭し、また可愛らしい笑顔を浮かべる。
「1つ目、君の名前を知りたい。」
「僕?僕はね」
「"イーコール"。そう、イーコールっていうんだ。」
━━━脳内検索。……ヒット。
「"神の血"か。」
「そう。"御神の席第一席"の血液。それが僕だよ。」
「なるほど。だからこんな不可解なことも出来ちゃうのかな。」
「??不可解なこと?」
「うん、だって僕、元々セカンド種なんだよね。」
「へ?」
「いや…、だから元がセカンド種なの僕。人間と魔術師の。」
そう言った僕をイーコールは驚愕の目を見開く。
「…いま君の中に三種の血が混ざってるのかい?」
「まぁ、君の話が真実ならね。それって結構不思議なことなのか?」
「そりゃ勿論!!君は神の間でも成しえなかったことをしてるんだよ!?」
「元々セカンド種ですらそんなに数を確認されていないのに。君は…。」
自身の体にそんな変化があるとは…。驚いた。
「まぁそのこと追々知っていこうか。質問2つ目をしてもいいか?」
「あ、うん。いいよ。」
そう、先ほど、いや。起きた時からしたかった話。ゆっくりと上体だけ起こす。
「ごめん、前もって言っとく。不謹慎かも。」
「まぁ…、大方の見当はつくけどね。」
「何故、君がここにいるのか、もしくはあの後の説明をしてもらってもいいかな?」
「だよね、いいよ。でもその前に…。」
イーコールは扉をじろりと睨み付ける。するとすぐにコンコンとノックの音が響く。
「君の体については君が言った通りまた追々話していくよ。とりあえず、僕は消えるね。」
そう言い去って消えるイーコール。
「あっおい!!どこに行くのかぐらい言ってくれよ…。」
そして、扉は開かれる。そこにいた人物に僕は両目を見開いた。
「えっ…。」
「…久しぶりだな。唐綿。」
無表情、かつ感情の乏しい声で静かに語りかける。
「久しぶり、兄さん。」
僕も笑顔でこたえようか。