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しち

[宰相:政務室]


「宰相閣下!大変です!!」

朝からバタバタと慌ただしくしていた。


「演算師から契約の停止が...!」

「そんな!演算師がいないと仕事になりません!」

「誰か、演算機を使えるやつはいないのか!」「演算機の使用許可がおりません...!」


一体、どうなっているんだ...

私は困惑していた。

演算師は政務の要を担っている。数人しか知らない特殊な魔式や、演算機という特殊な道具を使って算出する。

魔式はあまりにも複雑で、今まで使えたものはほとんどいない。特別な暗号を使われていて、解明することも叶わない。

...ここだけの話、演算機の使い方を覚えるよう、政務官にこっそり指令が出たこともある。しかし政務官にも覚えられたものはほとんどいない....そもそも基本的には演算師にしか使う権利がない.....

十数年前に発明された演算機は、習得するには年月が足りなかった。

演算機も演算師が持ち込んだもので、演算師との契約で使用できることになっていた...

それが、どうして急に...

契約内容と違いが出たとはどういうことだ...


ぱちぱちと弾く音が聞こえない。

これがこんなに不安なことだとは....

私は肩を落とした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


バタバタバタ...

「だ、ダニエル王子!大変です!」

父の部下が離宮に飛び込んできた。

「ぶ、無礼者!」

マリアンヌは急いで服を着せ、俺もガウンを羽織る。

「ノックもせずに入るなど...!」

マリアンヌの体が他の男の目にさらされ、怒りがこみあげる。

俺だけしか見たことのない、この柔肌を....!

「貴様....!」

「王子、それどころではないのです!婚約発表パーティーのことで...!」


婚約発表パーティー。

マリアンヌと婚約をしたことを全ての者に公表するためだ。どうせすぐ結婚するのだが、マリアンヌが、「婚約披露宴も結婚披露宴もやりたいの!」

というので婚約発表を行うことにした。

マリアンヌとの婚約を決めてすぐに取り掛かったから、もう支度は終盤だった。


「なんだ。招待客が増えたか?」

「ち、違います!王宮楽器のほとんどの使用許可がでません!楽師の都合もつかず...」

「な、なんだと!?楽師は王族の婚約披露以上に大切な予定があると言うのか!?」

「い、いえそういう訳では...」

「何故だ!もう良い。ユリウスを呼べ!」


楽師が呼べないだと!?それじゃあ婚約披露宴が開けないじゃないか!

王宮で仕事をもらっておいて、こんな大事なときに来ないなんて....職がなくなってもいいのか!?

とりあえずユリウスだ。あいつは宰相の息子だから、何があったか分かるだろう。

給金を上げるために反旗を翻しているのか?

バカな考えだ。大人しく言う通りにしておけば良いものを....



「ダニエル?どういうこと...?」

マリアンヌが不安そうな顔をする。

俺はマリアンヌの肩に手を置いた。

「楽師が反抗しているらしい。」

「楽師が?他の楽団を呼べばいいんじゃない?」

「いや、流行っているものは楽師でないと弾けない曲ばかりだ。他国の王族も来るのになめられたら困る。鍵盤機も楽師しか持っていないし....」

春の花の歌は特にここ数年人気があり、楽師の中でも数人しか演奏し歌うことができない。鍵盤機はどんな魔方陣を使っているのか、全く解明できていない。見えるところに魔方陣が書いてなく、解体しなければ分からないことから中々手出しができていなかった。


「王子の命令に従わないなんて...」

マリアンヌは俺のために怒ってくれている。

こんな優しいマリアンヌの願いを聞き入れないなんて。楽師に罰を与えようか...


にやつくダニエル王子は知らなかった。



....本当に罰が与えられるのは誰かということを....


ねがいましてーは〜〜...

子供の頃から大好きです。


王の教育に対する突っ込みを沢山頂きました。ありがとうございます。


気になる方は、活動報告に詳しく書いております。

七話を手に取って下さり、ありがとうございますm(__)m 9.1

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