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パーティー1

あー、本当はパーティーなんて行きたくなかったんですよ?

だって、マリアンヌ様とダニエル王子の婚約披露パーティーらしいじゃないですか....

そこに私が呼ばれている時点で、なんか嫌な予感しません?

...私はします。

「本日は、みなさんと...」

あ、王妃が話し始めました。

壇上には、王と王妃、ハイドローザ公としかいませんね...

ダニエル王子とマリアンヌ様はどこに?


「みなさん、その前にお話があります。」

王妃の話をぶった切って出てきました。ダニエル王子とマリアンヌ様。

「私、マリアンヌと、ダニエル王子は婚約致しました。」

マリアンヌ様がにっこりと仰る。

パチパチ...とまばらに拍手がなる。

...もう完全に元のマリアンヌ様ですねー。

あんなボロ雑巾みたいになっていたとは、とても思えません。

「だ、ダニエル王子!その話はもう...!」

思わず立ち上がった人もいました。

マリアンヌ様が王妃となるのを阻止したい人がいて当たり前です。

だってそうですよね。私との関係も完全に清算されたわけじゃないし。

そもそもマリアンヌ様って次期王妃となる資格がお有りなんですかね?

学園でもちょこちょこ男を侍らせてましたけど、王子以外の男と体の関係あったら...アウトですよ?

そういや吟遊詩人がなんだ、とか。

なんだかこれ、アウトな匂いがします。

「父上、聞いてくれ。レティシアのことなら分かっている。だが、金を出す必要もない。レティシアが悪いのだから。」

どーん、と胸を張る王子。

...え?今、私の名前でました?

王も目を白黒させて、私と王子を見ている。

周りがざわつく中、王子とマリアンヌ様だけは落ちついていた。

「レティシア!ここへ来い!」

あー、やっぱり聞き間違いじゃないですよね。呼ばれてますよね、私。

仕方なく、王子たちのいる方へ歩く。

マリアンヌ様、顔がこわばってますよ...

「なんなの!そのドレス!私が手に入れられなかった、一番人気の技術師のデザインじゃない!」....って、思いっきり顔に出てます。

はい、しまってしまってー。

このドレスがマリアンヌ様の元へ行くはずないんですよ。ディディオンが作っておいてくれたものなんですから....

「れ、レティシア嬢....」

王の顔が真っ青になっている。

「みなさん!聞いてください!この、レティシアは、マリアンヌに嫌がらせを繰り返し行いました。

そんなレティシアと婚約破棄をし、マリアンヌと婚約することの、何がいけないのでしょうか?」

マリアンヌ様が悲しそうに俯く。

....いつの間にそんな話に?マリアンヌ様も自作自演を続けてらっしゃったんですか?...お暇なんですね....


周りがざわめき、私に非難の目が向けられる。王子もマリアンヌ様もそれを見て満足気だ。

ただ、他の王族の方の表情も見た方がいいかと..


「陛下、発言をお許し頂けますか?」

「お前は、...よい、話せ。」

王は散々ユリウス様にやり込められたことを忘れてはいないようです。

「...ダニエル王子はレティシア嬢がマリアンヌ様に虐めを行うところをご覧になられましたか?」

思ったような発言じゃなかったのか、ダニエル王子はポカンと口を開けた。

「な、なにを...ユリウス!お前もあの場にいただろう!」

「はい。ですが、我々が見たのは、泣いて倒れているマリアンヌ様と立っているレティシア様です。」

「そ、それがなによ!私は、レティシアに魔術で乱暴されたのよ!?」

会場がよりざわめく。

魔術によって他人を傷つけることは、重罪とされている。

「魔術?それは、どんな?」

「風魔術よ!それで切り裂かれたの!!」

マリアンヌ様、ねこ、ねこ。脱げちゃってますよ。

「そうですか。レティシア様は、学園内で魔術を使って攻撃されたと。マリアンヌ様は魔術で防御したり、攻撃仕返したりは?」

「ユリウス!貴様、なにを...!!」

「ダニエル王子、ただの確認ですよ。...それで、マリアンヌ様?」

「わ、私は何もしてないわ!いきなりのことで、怖くて...」

「マリアンヌ...!」

涙を流すマリアンヌとそれを慰めるダニエル王子。


私、壇上にいるの恥ずかしいんですけど...

呼んでおいて放置とか、やめてください...



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