パーティーマリアンヌ
パーティーが始まる。
これで私とダニエル王子の婚約が決まる...!
王と王妃にはまだちゃんと認められてないみたいだけど、披露しちゃえばこっちのものよ。
ハイドローザ家だって私のものだし、どうしようかしら?
レティシアだって、王妃になる私の支配下。
うふふ、こっちはもっと面白いわね。
一番人気の技術師は今休業してるんですって。まあ、それなら私のドレスが作れなくても、他の人のドレスに負けることはないから許してあげる。
本当は新しく考えられたらしい、上から下へ徐々に色の変わる生地のドレスが良かったんだけど....
「マリアンヌ様、髪はどうなさいますか?」
「そのままにしといて。」
「少し痛んでらっしゃるので、オイルなどは?」
「そうね、つけておいて。」
色はいいんだけど、毛先がチクチクしちゃうのよね。
もうバレちゃったし、染めるのやめようかしら?
いつもなら私の髪について、痛んでる、なんて言い方をするメイドの首はチョン、だけど。
今日は待ちに待った婚約披露パーティーだもの!
会場の袖から様子を伺う。
王と王妃はもう揃ってるわ...私のパパも...宰相とユリウス..あっ、カルロス親子も...それと、あれは他国の王子?
「レティシアも来てるのか...」
「レティシアにも招待状は出したわよ?」
私の晴れ姿を見せてあげないと。
うふふ。
今まで王子の婚約者として生きてきたあなたの、惨めな姿が早く見たいわ...
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マリアンヌはパーティーに浮かれている。
王と王妃に何も言わずマリアンヌを住まわせたせいで怒られたが、婚約者との仲を深めるのも王子の仕事。
マリアンヌが公爵家の娘でなかったことは残念だが、魔力はあるから良い血筋に変わりはないだろう。
ただの庶民だと誤解するところだった。
ユリウスも俺に逆らいやがってーー
馬鹿だなあいつも。
髪色がどうのと言っていたが、マリアンヌは学園で魔術を使っていたんだぞ?
なぜそれに気づかない。
マリアンヌは貴族だという証拠だ!
「ダニエル?どう?」
マリアンヌがくるり、と回り、ドレスがひらり、と揺れる。
「すごく似合ってる。」
そうだ、ドレスのデザインを断った技術師...あいつもどうにか罰を与える必要があったな。
まあ、それは後で良いだろう...
今日はレティシアへの罰を与える日だ。
ディオゲネス公に守られて良い気になっている。
マリアンヌの方が相応しいことを皆に知ってもらおう....
 




