十五
お久しぶりです。
婚約破棄されて、ちょっとだけ生活が変わりました。
私自身忘れてたんですけど、マリアンヌ様をいじめたことになってるので..
それもあって私の株はだだ下がりですよね。
本当迷惑というか...学園では十分な成績を収めてるのでちょこちょこさぼっちゃってます。....ごめんなさい、嘘です。ほとんど行ってません!
お金払ってもらって行かないのもなあ、なんて思ったりもするんですが、あれ以降父上が凄く優しいんですよね...
「おお、レティシアか。」
なんて、普通に話しかけられて。
急に変わられても、ちょっと怖いですよね...
「いいじゃねーか。優しくなって。」
「でも、私婚約破棄されたんだよ?普通、父上なら怒ると思うでしょ?」
「まあなぁ。でもあんなことがあったわりには平和じゃねーか。」
確かに。
婚約破棄をされたにしては、生活はものすごく平和なものでした。
今まで行って来た王妃のための教育もなくなり。
父も優しくなり。
なんだかルカまで優しくなった気が....
まあ、ルカは元々優しい子なんですけどね。
え?ひいき目?
いいじゃないですか。可愛い義弟ですもの。
「それよりさ、パーティーの招待状届いたんだよね...」
レティシア宛に、マリアンヌとダニエル王子の連名で招待状が送られてきていた。
「あ?いくのか?」
「行きたくないよ!でも父が行けって...」
王子と婚約していた頃は、パートナーとして顔見せするために行かなければならなかった。
でも、もう行く必要もないはずで、父が望むワケもわからない。
「ドレス代だってバカにならないんだよ?もう王子の婚約者じゃないから、ドレス代もでないし...」
「ドレスなら良いの用意してやるよ。」
「ディディオンが?」
ディディオンのセンス、大丈夫かなあ。
正直心配です。
「一番人気の技術師にな、ちょっとツテがあってな。」
「ウソ!?」
一番人気の技術師については全然知らないけど、あの鍵盤機と演算機を設計した人らしい。
どっちも使うの難しいんだよなあ。
初めは全然できなくて泣いたくらいだし....
ディディオンに泣かされたのも、今となってはいい思い出です。
「そういや学園のパーティーには行かないのか?今日やってんだろ?」
「うーん。そろそろ学園には行こうと思ってるけど、パーティーは、ねえ?」
パートナーもいない。
仲良い人もいない。
むしろ、針の筵。
私なんて、王子に婚約破棄されて、王族かつ王子の婚約者であるマリアンヌ様をいじめた女よ?
う〜〜やだやだ。
平穏な学園生活で良かったのに!
次期王妃として変な扱われ方した後は、これ?
ん?まてよ。
マリアンヌ様とダニエル王子の婚約で湧いている。
てことは、私のことなんて皆忘れちゃってるんじゃないの?
「ディディオン。私、そろそろ学園生活に戻るわ!」
レティシアは、皆がパーティーで浮かれたところに漬け込もうと、明日から学園へ行くことを決めた。
...今、学園のパーティーで何が行われているかなんて、レティシアには知る由もなかったのだ...




