いち
ありがちな婚約破棄モノです。
....が、だんだんと他の要素が出てきます。
よかったら読んでみて下さいm(__)m
ええ、婚約破棄されましたよ。
それが何か?
もう、うんざりです。
どれだけ、私が!
...頑張ってきたと思ってるんですか!?
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[私:六歳、ルカ:四歳]
「お、お姉ちゃん...一緒に寝ていい?」
「いいよ、おいで。」
義弟のルカ。
布団をかけてあげると、可愛く笑う。
「よ、姫。俺はディディオン。」
突然、目の前に現れた。
「分かんねーよな....」
言われてうなずく。
「おじさん、だあれ?」
目を開き、ずーんと肩を落とす。
「おじ...まあ、ガキからみたらおじさんか........」
きょとん、と見て首を傾げた。
「チビ、よーく聞け。お前は自分で自分の身を守らなきゃならねえ。」
真剣な顔に対しても、まだきょとんとしていた。
「あ〜、まあこれからだ。」
ガシガシと頭をかき、何か投げてよこす。
「それ、付けとけ。」
チョーカータイプのネックレス。
無言でうなずく私の頭をガシガシと撫でた。
この日を境に、見知らぬ誰かに後をつけられることになる。
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...まあ、今考えたら危ないオジサンですよね。
しかも六歳児にネックレスって。
あと、うち公爵家なんですけどね。
簡単に入られちゃって。護衛の方、仕事してます?
父、仕事漬け。母、鬼籍。
あ、私の記憶にないうちにお亡くなりに。
義弟、これが謎なんですよね。
父いわく、「お前の弟だ。」と。
母が亡くなった後に現れたので、義弟だと思います。
それだけしか分かってません。
あんまり私と似てないので、遠い親戚かなにかだと。もしくは、父がどっかでつくってきた子。
ああ、えー、この頃はまだ平和でした。
王子のや'お'の字も出ない。
育ててくれる人がいなくても、そこそこまともに育ちます。私くらいには。
あ、ディディオンいたんだった。
ディディオンとは、これ以来長い付き合いになる。
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[初等部]
「レティシアさん、今日ご一緒にお茶でもいかが?」
「ごめんなさい...行けない。」
あの日以来、ずっと誰かにつけられている。
本当は遊びに行きたい....
でも、護衛がついていて、帰るしかない。
つけているのが誰か分からない以上、一緒に出歩くと危険にさらしてしまうから....
「お〜帰ったか。なんかお前をつけてるやつ、増えてんぞ?」
ストーカー増。
部屋でディディオンがくつろいでいた。
護衛、ちゃんと仕事してるのかな?
ディディオン、思っ切り侵入してるけど....
「も〜やだ!しんどいよー」
通学カバンを投げ出す。
ストーカー(仮)と護衛の監視が厳しくて、遊びにも行けない。
....クラスでも浮いてきてる...
「このチョーカーも重たいし...外しちゃダメ?」
「やめとけ、監視どころじゃなくなんぞ。」
ディディオンは怪しいし、イラっとすることも言う。
でも、私の孤独を埋めてくれるのは、いつもディディオン。
「よし、んじゃ、今日も勉強すっか。」
ニヤリと笑う。
...嬉しそう
ディディオンの教えはスパルタで、貴族のご令嬢に必要ないことばかり。
「覚えてて損することはねぇ。」
まあ、暇だからいいけど。
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....私の護衛への不信感。ひどいですね。
いや、この護衛の方々は、父の護衛なんですよね、そもそも。まあ、うちの使用人は父に雇われてるんで、当たり前なんですけど。
父の命令で私の護衛についてるだけなので、私とコミュニケーションとる気がサラサラないんです。
ご令嬢って、だいたいこういう護衛兼監視役、みたいなのが付いてるんですよねー。
その程度なんで、私の後をつけるストーカー(仮)については気づいてないみたいです。
ストーカー(仮)はもう、5.6歳の頃からずっといるので、慣れちゃいましたけど。
それより慣れないのは、ディディオンとの勉強です。
魔術を教えてくれるのは、正直すんごくありがたいです。ディディオンは中々魔力もあるし、魔力が少ない私でも器用にやればいい感じになることを教えてくれたし。
しかし!他がひどい。学園で習ったことないような、奇妙な教えばっかりです。
ディディオンは学術師かなんかですかね?
あ、学術師というのは、簡単に言えば文化を発展させるための発明などをする人です。
新しい形式のパーティーとか。
芸術師や技術師と共同で、新しいドレスの形を生み出したり、とか。
独立した組織ですが、お金がかかるので実質王家お抱えです。
あ、初等部なんて昔の話聞いても〜、って思いました?
いや、でも嫌でも昔のことを思い出しちゃいません?
....こんなことが、さっきあったんですから。
1話と2話は、回想シーンが多いつくりになってます。
ルカというキャラクターを義弟と表現しています。