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気ままに掌編  作者: 古緑空白
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037 砂と誕生

 遠い昔、ひとつの星が生まれました。

 大きな大きな岩の塊とそれを覆う多くの水がありました。

 岩と水は互いに喧嘩し合いました。

「やい、水め、てめぇは儂を削り殺す気か」

「ふん、そう言う私も俺を沸騰させようてか、暑苦しいのだ、貴様」

 何を、と互いに激し合い水は発して大気となり、岩は削られ大地となりました。

 そうなってからは水も岩も喧嘩をしなくなりました。

「水公、てめぇとも長い付き合いだな」

「岩、貴様も丸くなったな」

 違いねぇ、岩と水は笑って自分たちの半身を見ました。

 岩は水に削られ、砂が生まれ、水は岩に熱せられて様々に形を変え海になり、やがて多くの命を育みました。

 これからも、争いは絶えず起こるでしょう。

 しかし、争いによって生まれるものもある。

 それこそ砂の数だけ、出会いがあって争いがあり――生まれるものがある。

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