033 近未来とラブコメ
男というものは弱い。
なぜなら世界からいなくなってしまったからだ。
近未来、男のいなくなった世界で彼女たちは暮らしている。
人口はゆるやかに確実に、減少と高齢化の一途をたどっている。
最後に生まれた子供たちが最低年齢が十八歳になった世界である。
彼女もとうとう十八歳になってしまった。
自分よりも年下の存在がいないという不安の中彼女は出会ってしまった。
自分よりも明らかに年下の存在である。
しかも、生物の授業をとっていた彼女にとってその存在は異質だった。
自分たちと明らかに違う骨格、小さいながらにも硬そうな筋肉。
それは世界からいなくなった男だったのだ。
男が見つかったという報は国のトップに秘され、様々な女性が彼に興味を示していた。
取り合いになっていたため、彼女も気が気ではなかった。
それは自分が見つけたという優越感からかもしれなかったし、異質であるというだけで惹かれているという小説にある恋愛感情かもしれない。
とかく厄介な感情に支配されていた。
そして、彼とふたりきりで過ごすきっかけを得る。
すごく、ドキドキした。
けれども、彼女は安心させるように言う。
「だ、大丈夫だよ、私は君に悪いことしないから」
「ほ、ホントですか?」
そうだよ、口でいいながら本当のところの理由を思う。
――男との性交渉って、どうするんだろ???
親以外の女性はこの世界では性交渉をしたことはない、女同士でもあるらしいのだが、彼女はそれすらもない。
かくして、知恵の林檎を食べたアダムとイブの如き初々しさで彼と彼女の関係は進んでいく。
恋、というにはあまりにも生々しい恋物語を。




