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028 弓矢と予言
昔、ある国で予言が放たれた。戦争が遠ざかった平和な国にだ。
「この国の王は弓矢によって命を奪われるだろう」
その予言を真に受けた三代目の王は国中の弓という弓を矢という矢を刈り取った。
それにより狩りは衰退し兵の調練も弓矢ではなく投石という形式に変わっていった。
そして、戦争が起こる。
三代目の王は戦争というものを知らず老臣に言われる通り、戦場に立ち指揮をとった。
「我が方劣勢!」「将軍討ち死に!」
様々な言葉がとどく。
三代目の王はとうとう敗走してしまった。
そして、命からがら城に逃げ帰ろうとした際に、弓矢に射抜かれた。
流れる血を見て、命が溢れる実感を得ながら己にこう問うた。
「あの予言は弓矢を私が禁じてしまったがために、命が奪われたという予言だったのであろうか?」
問に答える口を動かす気力すらなく、三代目の無力なる王は死に絶えた。




