002 死体と選択
強欲な王がいた。
民を顧みず、ただただ自分の富を追求し、自分にくみしない血族は鏖殺した希代の愚王。
王の墓がある。遺言により冥府にまで自分の富を持っていくとし、墓の中には国中の財が集められた。
ただし、王墓の所在はどこにあるか誰にも知られていなかった。
その王の伝説を知ったトレジャーハンターは伝説をおった。
そして、なんと王墓の在処を示唆する書物を見つけた。
大金をはたいてトレジャーハンターは王墓へと向かった。
だが、同業が先にいたようで争い蹴落とし合いながら王の墓へと向かった。
そして、王の死体の前にまで辿り着いたのだった。
だが、宝がない。装束すらなく尊厳なく干からびたミイラがあるだけだ。
「どういうことだ」
トレジャーハンターを追って同業が来た。
「やはりなかったか」
「貴様は知っていたのか?」
「あぁ、そのために呼ばれたネクロマンサーだ」
なに、とこぼし、ネクロマンサーを名乗る男が王のミイラの前に経つ。
すると呪文を唱え始めた。そして、ミイラの目に光が灯る。
「だれじゃ? 余の眠りを妨げるのは」
「貴方に仕えていたものの末裔です」
「おぉ、忌々しい、予の財物を奪った鼠賊め」
「私の先祖は貴方の財宝を一つ足りとも奪ったわけではありません」
「ホォ、では守らなかった奸臣であったか」
「私が貴方の前に立ったのは、一言言うためです」
「聞こう」
王は耳を傾けた。
「貴方は王としての選択を誤った」
言葉に死者が笑う。
「そうであったか、忠言大義」
そして、骸は骸に戻る。
「どういうことだよ、宝はどこにあるんだよ」
「宝は王の死とともに、本来の持ち主に再分配された」
「遺言は果たされたなかったのかよ、王様だっていうのにか?」
「如何な王とて、選択を間違い続ければ見放される」
事実見放されたから王墓は隠された。
「この哀れな王は自ら誰からも弔われない道を選択したのだ」




