014 猿と殺人鬼
※この物語には世界最古の推理小説と言われるエドガー・アラン・ポーのモルグ街の殺人のネタバレが含まれております。未読の方でモルグ街の殺人を読みたい方はこの話は読まないほうがいいと思います。また、読んでいなければわからない、という話ではないため拙文ではありますが、読みたい方は読んでいただけれると幸いです。
モルグ街の殺人という最古の探偵小説がある。その時代から奇抜なトリックが使われており今なお愛好家がいる人気を持つ作品だ。
この事件にはその作品からひっくり返る印象を持つ結末を迎える。
事の起こりは人間嫌いの老人が殺されたというところから始まる。
その館は一人で済むのに十分であったが、老人は一人暮らしではない。
猿とともにいた。
発見が早かったのは老人が作家だったことに起因する。新聞連載をしているため編集者の定時連絡に出なかったことが主因である。
老人は背後から一突きで殺されているが金目の物や、作家特有のUSBメモリやパソコンなど盗まれていないことから、親しい仲であり強盗の線は薄いと警察は見ていた。
老人の交友関係を警察は調べた。すると三人の容疑者が浮かび上がる。
まず、老人の担当編集。しかし、彼にはアリバイがある。
次に以前老人と恋仲を噂された美人モデル。夏でありながら長袖のなんというのかわからない洒落た服を着ている。
最後に老人の弟子である作家志望の青年。彼は一番怪しい。なぜなら弟子ではあるが師匠に認められないばかりかけなされ匿名のSNSで殺したい呟いていることから、警察は真っ先に彼を疑っていた。
捜査は難航していた。
一方鑑識課は成果をあげていた。その最たる例は猿であった。
猿も主である老人が殺されたことと、彼らが主の死の真相を暴こうとしている者だということがわかっているためか、すごく協力的だった。
鑑識も発見時猿の手に血があるため、最初第四の容疑者として猿をあげていたが、よくよく見ると違うことが分かる。
まず第一に猿に付着していた血液が被害者のものではなかったことだ。
状況から見て猿に付着していた血液は加害者のものと見て間違いはないだろう。
警察は取り調べという名目で容疑者たちを呼び込み、別室で猿を連れ込み反応を見るというある種実験的な行為をした。
それによって猿が異常に反応した人物が一人いた。
なんとかしてその人物の体組織を採取し照合してみると見事に一致した。
そのニュースは大々的に広められ、マスコミはモルグ街の名探偵と猿を評した。




