◆他の人としないで!
でも、泣いている時間はない。
あたしはクロロンを迎えに行くのだ。
そして、モフモフに癒してもらおう。
そう思うと、元気が出てきた。
庭に向かう途中、話声が聞こえて、反射的に隠れてしまった。
だって、知っている声だったから。
こっそり覗けば、気落ちしている声は案の定トモハルで。
よくトモハルの隣にいる、あたしより年上のメイドと喋っている。
なによ、ババアが好みなの?
「ご自身の誕生日で、はしゃぎ疲れましたか?」
「俺……口づけが下手らしくて」
はぁ?
ババアにそんな相談するなよ、馬鹿っ。
呆れた。
ほんっと、男らしくない奴っ。
後ろ姿だから綺麗な髪しか見えないけれど、イライラしてきた。
出て行って殴ろうと、思ったら。
思ったら。
「あらまぁ……。それなら、私で練習します? トモハル様がお相手であれば、私は構いません。それに、国王の筆下ろしのお役目も承りますよ」
「え」
?????????????
なんて?
何を言ってるんだ、あの女!
わー、むかつくー。
そんな女、平手打ちして叩きのめし、解雇しろっ、トモハルっ。
コイツはね、結婚しているのっ。
それに、口づけは好き同士がするものなのっ。
練習だの、ふふふふふ筆下ろしだの、馬鹿なの?
でも、植木の陰から二人を覗いているあたしは、一体何をしているのだろう。
出て行って「これ、あたしのですからっ」って言えばいいのに。
というか、トモハルは何故沈黙しているの。
ねぇ、早く何か言いなよ。
不敬罪だって怒ってよ。
「……ありがとう」
聞こえた言葉は、『ありがとう』だった。
小さく笑う女の声が聞こえて、二人が動き、空気が揺れた。
近寄った気がしたのだ。
だ、だから、あたし。
その場から、逃げ出した。
出て行って、二人を殴ればいいのに、その権利はあるはずなのに、出来なかった。
な、何よ。
トモハル、口づけが下手だからって、ババアで練習しなくてもいーじゃんっ。
あたしでいいじゃん!
……下手じゃないよ、違うの。
とても、上手なの、上手だったの。
だから、やめてよ。
他の人に口づけしないでよ。
トモハルはあたしのなんだから、あたしに言われて凹んだくらいで、そんな。
やめてよ。
あぁどうしよう、今日もまた、頭と胸が痛い。
ごめんねクロロン、あたし、迎えに行けないかも。
だって、迎えにいくためには、あの二人が口づけの練習をしている前を通過しなくてはいけないの。
無理よ、嫌だよ、行きたくないよ。
一目散に部屋へ戻って、ベッドに飛び込んだ。
吐きそうなほど気持ちが悪くて、お昼ご飯も食べずにお布団をかぶっていた。
あぁでも、眠いのに眠れない。
お腹も頭もギリギリと痛いし、身体の内側から爆ぜてしまいそう。
「た、助けて」
もがいていたら、窓の外が真っ暗になっていた。
一睡もできなかったのに、時間だけは過ぎてしまったみたい。
どうにかお布団から這い出てみたけれど、お腹は空いているのに、食べに行く気力はない。
ふと、テーブルを見たら何かが置いてあった。
「わぁ……」
クロックムッシュみたいな食べ物が置いてある。
香りに惹かれて起き上がり、手に取ると、まだ温かくて。
夢中で、一口齧った。
あぁ、美味しい。
それに、温かい紅茶も置いてある。
きっと、トモハルが持って来てくれたのだろう。
でもね、お腹は空いてるのに、食べ物が喉を通らないの。
それでも、美味しいことは分かるよ。
なかなか思うように食べられなかったけれど、無理やり飲み込んでどうにか完食する。
『美味しい物を食べると元気になれる』、おねーちゃんがそう言っていたから。
確かに、身体の内側から気力が湧いてきたよ。
よし、クロロンを迎えに行こう。
お腹を空かせているよね、たくさん食べさせなきゃ。
庭園を歩いていたら、ようやく瞳が暗闇に慣れてきた。
灯りを持ってこればよかったけれど、いざとなったら炎の魔法で周囲を照らそう。
虫の鳴き声が聞こえる中で、草をかき分けるような物音が聞こえたから、そちらへ向かう。
でも、クロロンにしては音が大きいような。
「トモハル様の口づけは、とても情熱的。巧いですよ」
「ちょっ」
「えー、えー! 口づけしたんですかー? それなら私たちにもしてくださいよー、お給料と同じで平等にしてくださいー。ねっ、トモハル様!」
耳を疑った。
何、今の会話。
朝のババアと他数名の女たち、そしてトモハル。
っていうか、なんで女ばっか引き連れているの?
熟れたトマト! 茹で蛸! ……みたいに真っ赤になって。フリフリの衣装に包まれた女たちに囲まれて、満更でもなさそうに……って、ん?
トモハルの口づけが上手いことを、なぜババアが知ってんの?
やっぱり、気のせいじゃなかったの?
朝、あそこで口づけの練習をしていたの?
あたしにしたように?
想像したら、胸が抉られたように痛い。
やめだ、やめっ!
今のなしっ。
全身が痛くて痛くて、トモハルを見たら。
鼻の下を伸ばし、デレデレしていた。
「……口づけは、好きな人としかしちゃいけないって、おねーちゃんが言ってたのに」
トモハルは誰とでも出来るらしい。
それ以上先に進むことが出来なかったあたしは、またしてもクロロンを迎えに行けずに部屋へ戻った。
そっと戻ることしか、出来なかったのだ。
惨めだ。
どうして怒ることができないのだろう。
というか、怒る必要もないのか、な。
あたし、別にトモハルのことを好きなわけじゃないし。
うん……そうだよね。
トモハルが誰と口づけをしても、誰と抱き合っていても、平気だもの。
でも、酷く。
疲れてしまった。
そして、涙が止まらないの。
今日もまた、吐きそう。
あぁ、さっき食べたものを全部ぶちまけたい。
ぶちまけたら、すっきりするのかな。
お布団に包まっていたけれど、どれだけ待ってもトモハルは帰ってこない。
こっそり扉を見ていたけど、僅かも開かなかった。
……嫌だな、まだ口づけの練習をしているのかな。
今度は、不特定多数と。
最低じゃん、不潔じゃん。
嫌い、嫌いだ、トモハルなんて、大嫌い。
好きじゃない、好きなわけがない、だから、あたしは傷つかない。
はずなの。
はずなのに、苦しいよ。
今日もまた、一人の朝を迎えた。
結局、トモハルは帰ってこなかった。
もしかして、あのババアの部屋に寝泊りしているのだろうか。
口づけの練習から、筆下ろしとかいういかがわしいことに発展しているのかもしれない。
……と考えたら、どうしようもなく苛々した。
あぁ、一刻も早くクロロンを迎えに行こう。
今日は奴らが庭園にいませんように。
「クロロン、クロロン、どこにいるの」
人の気配はない。
安心したあたしは名前を呼んで捜しまわった。
「みゃー」
鳴き声が聞こえる方向へ進んだら、あたしに気づいたのか木から下りてきた。
上手になったね、以前は自力で下りられなくて困っていたのに。
「にー」
んっ!
クロロンより低い声が聞こえ、茶色の猫も下りてきた。
ふ、増えた!
二匹はあたしの足元でじゃれている。
「クロロンの友達? そっか、寂しくなかったのかな。よかった」
持参したキャットフードを見せると、二匹は豪快に食べ始めた。
お腹は空いていたんだね、ごめんね、来るのが遅くて。
二匹で頑張ったね。
茶色の猫は遠慮をしているように見えたので、クロロンに見つからないよう、そっと手から与えた。
警戒心なく食べ始めるコイツも、とても可愛い。
「おまえは、チャチャって名前にしてあげる」
頭を撫でたら、嬉しそうに鳴いた気がした。
満腹になった二匹は、あたしの目の前で遊んでいる。
チャチャはクロロンを追っかけまわしているけれど、逃げられてばかり。
「にー」
「みゃー!」
威嚇してもしつこいから、クロロンはチャチャをひっかいた。
あははー。……でも、チャチャは一生懸命クロロンについていくんだよね。
邪険に扱われても、一途に。
それにしても、見ているだけで癒される。
あたしのやさぐれた心は、いつしか光り出した。
猫は偉大だなぁ。
夢中になって二匹を見ていたから、近づく足音に気づくのが遅れた。
誰よ、あたしの至福の時間を邪魔する奴は。
怪訝に振り返ると、トモハルが立っている。
「え、猫?」
見つかってしまった。
でも、好都合かな。ようやく言い出せる。
「……うん。あたしの友達」
「名前は?」
「黒色がクロロンで、茶色がチャチャ」
「プッ、そのまんまだね」
吹き出したトモハルに、カチンとくる。
「……分かりやすくていいでしょ」
あたしの隣にしゃがんだトモハルは、背丈の長い草を引き抜いて二匹の前で揺らし始めた。
すると、猫たちはそれに飛びかかる。
猫と遊ぶトモハルを、あたしは横目でじぃっと見ていた。
唇を見た。
ほどよい厚みがあるし、結構綺麗な形をしている。
そうか、この唇に……。
指先で自分の唇に触れたあたしは、知らず甘い溜息を吐く。
「チャチャは、クロロンのことが好きなんだね」
「ふぇ? ……そうなの?」
「うん、チャチャがオスで、クロロンがメス」
二匹を持ち上げて性別を確認したトモハルは、優しくクロロンを撫でている。
その姿は慈愛に満ちていて、とても美しく思えた。
端正な顔立ちが、いつもの五倍くらいよく見えるほどに。
熱心に見ていたら、不意にトモハルがこちらを向いた。
びっくりして、慌てて顔を背ける。
「俺の顔に何かついてる?」
「べ、別にっ。相変わらず間抜け面だな、と思って。でも、猫の扱いは上手」
「はは。さっきツマミ食いしたお菓子がついてるのかと焦ったよ」
「国王がツマミ食いって、恥ずかしいっ」
「でも、美味しそうだったから」
久しぶりに、笑いながら会話をした気がする。
二人で芝生に座り、猫と戯れる。
うん、以前みたいな時間が戻ってきた。
あたし、こういうのが好き。
とても楽しいな、幸せだなって思える。
クロロンのことが気に入ったらしく、トモハルは抱き締めて放さない。
だからあたしは、チャチャを撫でていた。
「クロロンは美人だな。シュッとしていて凛々しいのに、愛らしい。チャチャが惚れるのも納得だ」
優しそうな瞳で口説くように囁くから、思わずあたしは服を掴む。
「あ、あのさ。……口づけ、してもいーよっ」
唇を見ていたら、無性に重ねたくて。
至近距離で囁かれるクロロンが、とても羨ましいと思ったの。
でも、その、あれだ。
うん……言って、恥ずかしかったから。
「な、なんかさぁ、城の人たちに『あんたが口づけが下手で落ち込んでる』って聞いたからー。仕方ないからこのあたしが直々に練習相手になってあげるよ、特訓特訓。顔も悪くて口づけも下手な男なんて、最悪でしょ。うん、だから、……さ」
嘲り笑うように、小馬鹿にした感じでそう言って、あたしは大人しく目を閉じた。
目を閉じてないと恥ずかしくて、また反射的に身構えてしまいそうだったから。
「…………」
沈黙が続く。
ニャーニャー鳴く猫の声が聞こえるけど、トモハルは何も言わない。
空気が揺れたから口づけをしてくれるのだと思ったら、ぽふと軽い音がして、頭に何かが乗った。
あったかいこれは、クロロンだ。
黒い尻尾があたしの顔に触れて、くすぐったい。
瞳を開いたら、隣にいたはずのトモハルが距離を置き、微笑んでいる。
あ、あれ?
「し、しないの? 特別だよ? この先、こんな機会は一生ないかもしれないよ?」
「……ごめんな、気を遣わせちゃったね。そんなことしなくても、大丈夫だよ」
え。
「さて、そろそろ戻ろうかな」
「……仕事?」
「うん。大事に育てるんだよ。部屋に入れていいからね」
「う、うん」
あれ。
クロロンを撫でたトモハルは、振り返ることなく去っていった。
……どうして?
どうしてババアとの練習に応じたのに、あたしとはしないの?
なんのために練習したのよ。
あたしの頭から下りたクロロンは、芝生で転がっていたチャチャと遊び始めた。
あんなに嫌がっていたクロロンなのに、彼を認めたのか、仲良くくっついている。
……いいな。
いい、なぁ。
ねぇ、どうして口づけてくれないの?
二匹の猫はとても仲が良いみたい。
ねぇ、チャチャみたく、もっとさ、頑張ってよ。
あたしに何か言われても、気づいてよ。
本心じゃないの、頑張ってよ。
夕飯後、ベッドに転がってクロロンとチャチャと遊んでいたら、トモハルが戻ってきた。
二日ぶりだ。
あたしが起きていると思わなかったのか、ぎょっとしている。
いや、ぎょっとしたのはあたしの格好を見て……かな。
あたし、何がしたいのかわかんないけど、ふりふりすけすけの地球産ベビードールを着てみたのだ。
いつもはお気に入りのブランドパジャマだけど、うん、いや、その、なんとなく。
淡い桃色のこれは、おねーちゃんと色違いだ。
気まずそうに視線を逸らしたトモハルを一瞥し、あたしはわざとらしくごろごろ転がる。
ほぉらごらん、マビルちゃんのプリプリ太腿! 形の良い臍! 細い腰! 豊満な胸! 魅惑の肌!
チラチラとトモハルを盗み見ていると。
クローゼットから何かを取り出し、それをあたしにかけた。
ん?
パーカー?
胡乱な瞳で見上げると、トモハルは困惑しつつ笑っていた。
「駄目だよ、そんな格好を人に見せたら」
「……おねーちゃんとお揃いだったの。可愛いでしょ」
「うん、パジャマパーティーってやつだよね。でもそれは、女の子同士で寝るときに着るんだよ」
「いつ着てもいーじゃん、別にっ! それに、おねーちゃんはいないしっ」
「駄目だよ、俺がここにいるから。分かるだろう?」
言葉遣いがいちいち子供をあやすみたいで、ものすごーくむかついた。
「あぁ、魅力たっぷりなあたしに欲情し、獣のように見境なく襲っちゃうんだー。そうなんだー、前科があるしね。怖い怖い」
特別に相手してもいいよーって笑って言おうとしたら、トモハルは。
真顔で、いや、少し険しい顔つきで。
「もうしないから、心配しないで。絶対にあんなことはしないと誓うよ、だから、安心して眠ってね」
あたし。
思わず言葉を失った。
酷く、傷ついた。
拒否された気がしたのだ。
べ、別に、してもいいのに。
あたしがいいって言っているのに。
……なんで?
「ふ、ふん。信用できないねっ」
「アサギに誓って、絶対にしないよ」
澄み切った声に、あたしの喉がヒュッと鳴る。
おねーちゃんに誓って?
それは……もの凄いものに誓ったな。
つまり、本当にしないつもりなんだろうか。
……しないんだろうな、おねーちゃんの名前を出してきたんだ、絶対しない。
決意が固い。
え、どうして?
なんで、なんで?
だから、口づけもしないの?
「そういう格好をしていても、俺は平気だけれど。ただ、そういうのは好きな人の前で着るものだよ。アサギはきっと、トランシスの前で着ていただろうから」
それくらい、知ってるもん。
でも、待って。
平気?
このあたしがこんな格好をしているのに、なんとも思わないの?
自慢の身体を貶された気がして、羞恥心から顔が熱くなる。
……トモハルに見せようと思って着たのに、これじゃ意味がない。
トモハルは強引に目を瞑ってあたしにローブを着せると、そのまま、手を軽く繋いで横になった。
「それに、そういう格好は身体を冷やす。温かくして眠るんだよ。おやすみ、マビル」
「お、おやすみ……」
唖然とするあたしの目の前で、トモハルは寝た。
寝やがった。
本当に寝やがった、コイツ!
し、信じられないっ。
薄布をまとったマビルちゃんを前に何もしない……だなんて!
男としての機能が壊れてない? 大丈夫?
口づけはしない、身体にも触れない。
けれど、手は繋いでくれるみたいだ。
「…………」
それなのに、あたしは酷く胸が痛くて。
大声を出さないと発狂しそうだった。
どうして、どうして?
滲む瞳で、背中を見つめる。
そう、広い背中を見つめた。
前はこっちを向いて寝てくれた、互いの顔を見て眠っていたの。
でもね、どうして背を向けているの?
どうして、あたしを見てくれないの?
口づけをする相手が他に出来たから?
それ以上のことも出来る相手が、山ほどいるから?
あたしなんか、どうでもいいんだろうか。
一度罵声を浴びせて拒否したから、面倒だし、もう手を出さないって?
すり寄ってきたクロロンとチャチャの存在がなければ、あたしは粉々に砕けていたかもしれない。
この子たちがいてくれて、よかった。
とはいえ、あたしだけ心を乱されたから、腹が立つ。
仕返しに、その後も毎晩様々なベビードールをまとってみたけれど、トモハルは苦笑するだけ。
しまいには、長い溜息。
あたしだけ一生懸命で、バカみたいだ。
……自棄になっているのは分かっているけれど、悔しいじゃん。
「ト、トモハル」
「ん?」
「あ、あの、す」
「?」
「す、すきやきが食べたいっ」
「すき焼? 明日の夕飯はそれにしてもらおう。きっと作ってもらえるよ、待っていて」
あぁ、馬鹿みたいだ。
離れたら惜しくなったのかな。
こっちを向いて欲しくて、『好き』とかいう言葉を伝えたかった。
好きじゃないよ、ただ、あたしの自尊心が許さないだけ。
おねーちゃんがいなくなった以上、現在世界で一番の美貌を持つのは、双子の妹のあたし。
そのあたしが隣にいるのに、何もしてくれないだなんて。
でも、よくよく思い返せば。
いつも一緒だったのに、トモハルの誕生日まで手を出されなかった。
異常じゃん。
男として欠陥品なのだ、そう思えば少しは傷つかずに済むのかな。
もしかして、同性が好きなのかな。
へっぽこ勇者と仲がよかったし、あり得る。
でも、あの日のトモハルの視線は艶めかしくて、心をかき乱されたな。
……あの日の視線と口づけを、もう一度ちょーだい。
好きと言いたくても言えないあたしは、幾度もすきやきを食べる羽目になった。
地球で食べたものとは違うけれど、甘じょっぱくて、美味しい。
けれど。
でも、いい加減飽きてしまったの。
目の前で食べているトモハルの唇が、気になって仕方ない。
ねぇ。
また、誰かと口づけの練習をしていたの?
しなくていいよ、下手じゃないから。
もう、しないで。
……嫌い。
あたしに口づけてくれないトモハルの唇は、嫌い。
お読み戴きありがとうございました、まだまだ続きます。
時間がありましたら、また次回もお付き合いくださいませ。




