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叙事詩
浅い眠りの破られて、
春の嵐の檻の中、
今ひとたびの邂逅に、
永の不在の罪を知る。
夢野原にて出会いしは、
幼き日のきらめきの、
今ひとたびの邂逅は、
時に澱んだ冥の瞳。
突きつけられた白刃は、
けれど我が身を損なわず、
今ひとたびの邂逅に、
冥の瞳を彩る涙。
永の不在のその罪に、
慄く我が身をもてあまし、
今ひとたびの邂逅に、
ぬぐえぬ涙の甘辛さ。
春の嵐は通り過ぎ、
晴れたる夜空の遠き星、
今ひとたびの邂逅は、
夢と消えむときびすを返す。
浅き眠りの名残り水、
己が不徳の流せし涙、
今ひとたびの邂逅に、
夢か現か頭を返す。
振り向くその目に映りしは、
はるか彼方に忘れた形見。
今ひとたびの邂逅に、
遅れてこぼれる悔やみ言。
今ひとたびの邂逅を、
夢とするにはあまりに苦く。
今ひとたびの邂逅を、
現とするにはあまりに甘く。