バカ×3=無敵の3人組
これはバカのバカによるバカのためのファンタジー小説です。
この小説を読むには心を生暖かい温度にして生暖かい視線で、バカトリオを観察しましょう。
俺たち三人は、一心不乱に走っていた。
ここで立ち止まってしまえば後はないと解っているからだ・・・・
「コラァ、待たんか! またお前らだろう、あの体育館の落書きは!!」
ジャージを着た体格の良い体育教師が走ってくる。
「やっべぇ~! よりによって見付かったのが式峰teacherとかマジでdangerだわ」
「俺の計算に間違いは無かったはず・・・いや、もう少し色合いを濃くしたほうがより多くの人々に俺たちの芸術を見せられたな」
「お前はパソコン弄くりながら走る余裕があるんだったら逃げ切れる作戦でも立てろよ!」
その教師から逃げる三人の生徒。
一人は首にヘッドホンをかけて、髪が茶髪の少年。
一人はノートパソコンを持つ、メガネをかけた少年。
そして、最後の一人は明らかに染髪した赤いツンツンと逆立った髪の、がたいの良い少年が、そんなことを言いながら走って逃げて行く・・・
「お、またあいつ等か」
「ガンバレー、今日こそ式峰に負けんな~!」
「鼻明かしてやれ!!!」
絶妙なタイミングで三人とも親指をグッ、っと立ててそれに答える。
「「「モチのロンさ!」」」
「古いよ! 表現が!!」
そんなツッコミは意に介せずに逃げる算段を立てていく。
「で? ハマー、これからどう逃げる?」
「俺の計算ではあの窓から飛び出して前方に生えている巨大な木に乗り移れば逃走成功確立20%アップだ」
「ああ、あの文化祭とかの夕方に告白すると成功するという、ありきたりすぎるジンクスが何故か男子校なのにあるあの木か! よっしゃ! 行くぜ二人とも!!」
「「おう!!」」
「あ、おい!? お前ら!!!」
そうして勢い良く飛び出したその先には・・・・
「あの、リュウ、ハマー? treeがinvisibleなのは僕だけかい?」
「シュウ、大丈夫だ。俺にも見えん。」
「くっ、誤算だった。今日、あの木は業者が切り倒していたのを忘れていた・・・」
「「そんな大事なこと忘れんなよ!!」」
ドンドン近づく地面。
「「「うぎゃああああああああああ!?」」」
覚悟を決めて目を瞑る!
しかし、一向に自分達が落ちたという衝撃がこない・・・・・
と、言うよりももう既に地面に足が着いている感覚がしていた。
「what?なんで痛くないの?」
「目を開けて良いもんなのか? これは。
目を開けたら行き成り地獄の門だとかないよな?」
「そんな事有って欲しくない。というか俺の計算でどんなにその確立が高くても認めない。」
「え、つーかなに?全員まだ目開けてないの!? foolじゃないのお前ら!」
「いや、お前も開けてないんだろ!? お前もバカだ!」
「俺の出す確立から推定するにお前らどっちもバカだ」
「「いや、お前だけには言われたくねぇ」」
「なん、だと?」
その後10分間ほど同じように馬鹿な会話が続いた・・・・
「ハァ・・ハァ・・・・と、とにかく、誰がバカとかそう言うのは置いておこうぜ?」
「そうだね、こんなinsignificantな言い争いは置いておこうか・・・・」
「くそ、無駄に体力を使った・・・・」
一通り文句を言い終わって疲れたのか、やっと話が収まりつつある。
・・・・未だに目を開けないまま。
「じゃあ、一斉のーせで開けるぞ? はい! 一斉ーのーせっ!!!!」
そこには・・・・
広大な世界が広がっていた。
「な、なんだ? ここ・・・・」
「え、なになに!? もう目openしたの?」
「俺の計算では300%の確立で誰も目を開けないと踏んでいたんだが・・・」
「って! まだ開けてなかったのかよ! なに! 素直に開けたの俺だけ!?」
そう赤い髪の少年は叫んでいるのを無視し、残りの二人も目を開けた。
「・・・・なんだよ、fantasticな光景は」
「俺の計算では、明らかに学校どころか東京、いや、日本にこんな光景が広がっている事は10000000000%ない。断言する。」
目の前には巨大な木々や綺麗な花が咲き誇り、見たこともないような鳥が飛び立つ世界だった。
「おいおいおいおいおい、俺たちはいつの間に外国に来ちまったんだ?」
「そんな、ありえない。僕が・・・この僕が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不法入国なんていう愚かな行為を!」
「気にするな、過ちは誰でもある。きっと事情を説明すれば30%の確立で信じてくれる」
「いや! そこじゃねーだろ!! 何でそんな要らん心配してんだお前らは!」
「い、要らん心配って・・・だってこの歳で犯罪者とかNo thank youだよ!」
「俺だって嫌だわ! つーか問題点はそれよりも、なんで学校の窓から飛び降りた俺たちがこんな意味の解らないところに居るかって事だろ!」
「「!?」」
「あ~、はいはい、今気づいたのな?解ってたよ、何となく」
「く、リュウにfoolにされるとは・・・・・」
「一生の不覚・・・・」
「どんだけ俺を下に見てんだよ! つーかショウ! お前それ微妙に使い方間違ってんだろ!」
「良いんだよ。言葉なんて伝われば」
「ぶっちゃけたな。おい・・・・」
まぁ、頭の悪い会話をしながら3人は辺りを見回す。
すると・・・・
「あれって剣か?」
「ふむ、手甲もあるね」
「・・・杖?」
視界に捕らえたのは祭壇の様な場所に備えられた3つの武器だった。
「へぇ、意外とcoolじゃないか」
「手に馴染む」
「確かに、剣なんて持ったことねぇけど・・・」
「まぁ、ここがどんな所かも解らないし貰っておこうか。これだけだったら犯罪になるのリュウだけだし」
「銃刀法違反確率100%」
「俺、置いてこうかな。これ・・・」
「「まぁまぁ、そんなこと言わずに貰えるモンは貰っていこうぜ」」
「息ピッタリだな。お前ら・・・ どうしようか。これから」
「とりあえず俺のパソコンでGPSでここがどこかやってみよう」
「じゃあ、僕はちょこっとだけexplorationしてこようかな」
「気を付けろよ?」
「心配thank you」
そうして各々自分がしたい事をしていた。
そして、ここから事件は動き出そうとしていたのだ・・・
「・・・・おかしい」
「ん、どうしたんだ? ハマー」
「GPSが反応しない、しかもインターネットにも繋がらない」
「ハァ? 壊れてるって事か?」
「いや、これは・・・」
「リュウ! ハマー! ヤバイヤバイ! なんか凄そうなところ見つけた!」
そう言ってヘッドホンの少年が走ってきた。
「凄そうなところ?」
「・・・要領を得ない」
「Seeing is believing! とにかく来てくれよ!」
走っていく少年を二人は追いかけていった・・・・
「・・・ほぉ、確かに、スゲェな」
「俺の計算から言って80%神殿だな」
「だろぉ? まるでRPG見たいじゃん!」
「ああ、確かになんか定期的に儀式とか行なわれてそうだな。草とかも手入れしてあるし」
「・・・あの木」
「あん? どうしたんだハマー」
「あの木、切り倒された学校の木と同じ種類」
神妙な面持ちで告げる。
「・・・それがどうしたんだよ」
「ここまで来るのに見てきた木は、全部見た事のない植物だった。
だけど、アレだけはあの校庭の木と同じだ」
「つまり、ハマーは何が言いたいの?」
「ここは別の世界で、あの木が扉に成っていたという確率が非科学的だが、50%」
「「・・・・・・・・・」」
2人の思考回路が完全停止する。
「い、いやいやいや、ないないない。それはない! ゲームのやりすぎだろ~」
「そ、そうだぜ、ハマー、それにハマーが知らない木だってあるだろきっと・・・・」
「俺は植物図鑑の内容をほぼ全て網羅している。その中に引っかからない植物があんなにあるとは思えない」
「・・・いやいや、って事は何か?どこぞのSF小説みてーな展開って訳?」
「This can't be happened!」
「いや、日本語で喋ってくれ。俺が理解できる範囲を超えた」
「とにかく、人を探すのが得策だ。そうすれば生存確率は40%アップだ」
「そ、そうだな。まずは落ち着こう」
「たしかに、僕としたことが焦っていたよ」
そう言って落ち着きを取り戻した。
しかし、現実はそう甘いモンではないのだ。
神殿から出た一行は、とりあえず道のようなところを辿って行く事にした。
「なぁ、俺たちは人、もしくは村とか町を捜し求めてたよな?」
「That's rightその筈だったよね?」
「なぜ俺たちはこの巨大なクマを相手しているんだ・・・・」
巨大な体長2mを越しそうで、腕が異常に発達し、そこには巨大な爪があった。
その爪は鋭く、あたれば簡単に引き裂かれてしまう雰囲気が漂っていた。
「まぁ、不良が一人と思っていれば良いんじゃないの?」
「天下無敵の僕たちを敵に回そうって言うのは感心しないなぁ」
「俺の計算で勝率5%だがな・・・」
「「お前は空気読めよ! 折角怖いのを紛らわしてんのによ!」」
その時だった、3人の頭の中に直接響く声、自分が持つ武器の使い方・・・・
「戦うしか無い、よな・・・・」
「戦うしか無い、か・・・・」
「仕方が無い。俺たちの力、見せてやるよ!」
そう叫ぶと同時に、3人は行動に出た。
ハマーと呼ばれていたパソコンの少年は一歩後ろに下がると集中するように目を閉じる。
すると彼の足元から光が発せられる。
「フレイム!」
杖を突き出すとその杖からサッカーボールほどの炎が4つ飛び出す。
その火球は熊の化け物に着弾し爆発した。
しかし、まだ熊の化け物は倒れなかった。
「まだ、sleepには早いからね。腕試しにはその位でないと」
そう言ってヘッドホンを首に下げたショウと呼ばれていた少年が熊に殴りかかる。
腹に一撃、そして顔面を殴りそして蹴り飛ばす!
「ほ~い、待ってました。ホームラン宣言だ!」
熊が蹴り飛ばされた先には剣をバットのように振りかぶったリュウと呼ばれていた少年がいた。
「ホ~~~~~~ムラン!!!!」
まさに真っ二つ。
両断された熊はもちろん生きて居る何て言う事はなかった。
「・・・・なんだこれ」
「ホント、なにこれ・・・・」
「憧れの魔法デビュー・・・」
「「なんでお前だけ魔法が使えるんだ!!」」
やはり何かずれた事を言っている3人組だった。
そして、物陰にはそれを見ていた集団が居た・・・・・・
続く
きっと思うことでしょう。
何だこのバカ3人組は、と・・・
しかし、作者も案外このテンションなので大丈夫だと思います。
感想、直すべき点などがあったら教えてください!
また次回~♪