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篝火

作者: としよし
掲載日:2026/01/01


小学生の頃、おばあちゃんと出掛けた大晦日の神社。

暗い夜道。冷たい風。燃える篝火。

甘酒は、言うほど美味しいものではない。むせそうに甘い。

夜遅くまで起きているのと寒いのが億劫で、あれからずっと行くことはなかった。

でもずっと覚えていた。あの非日常感。真夜中なのに人がたくさんいて、不思議な感じ。

煙って火の粉を放つ、篝火。顔に熱を感じた、あの篝火。





息子が十になった。

初めて真夜中まで起きていた。初めて夜中に外を歩いた。

空気は冷えていたが、風はあまり無かった。

丸い月が我が物顔で輝く。道は明るく照らされたが、その分星々は控えめだった。オリオン座とおおぐま座はあったが、カシオペア座は見つからない。

神社は盛況だった。鳥居の外まで人がいた。二人で列に並んで、その時を待つ。前の人のスマホの光が、角度によって時折目に刺さる。

寒いのにうつらうつらしながら、目を瞑って立っている。



ごー、よん、さん、にー、いち!

花火が上がった、びっくりした。ヒュルルと上がって、ドンと弾けた。時間をずらして、違う種類の花が咲いた。

少し列が進んで、鳥居をくぐる。

もう眠そう。列は遅々として進む気配がない。


帰ろうか。うん、帰ろう。


列を外れて、篝火を見に行った。順路を逆走しない程度に、遠目から。

オレンジ色の炎が天高く踊る。火の粉がぼうぼうと舞う。消防車も控えている。

神様、また明日ね。

響く除夜の鐘を聞きながら、手を繋いで歩いた。

月が煌々と、星が深々と。



今年もよろしくね。

よい年になりますように。



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