第三章【「シミセ」の古本屋】
かなりいい出来栄えだと思います。雪を喰らうもの第三章の伏線回収って事になるのかな?まぁ楽しんで頂けると幸いです。
「で、どこに行くんですか?結構歩いたと思うんですけど……」高瀬の額には、汗が垂れていた。
「これから行くのは、「シミセ」という裏の人間とかとも繋がっていたりする情報屋だ。そこのトップの江頭という男と知り合いでな。」
「その江頭って男に会いに行くんですか?」
「会えたらいいな……。多分江口だろうが」と波佐谷は不安気に言った。
「江口?トップなら常にその店に居るんじゃないんですか?」と高瀬は困惑した顔で言った。
「普通ならそうかもしれないが……あいつはちょっと特殊でな、色々な店舗を行き来しているから会えたら奇跡だな。しかも「シミセ」ってのは表向きが古本屋のせいでそこらの一般人が情報をとってしまうってのもよくあるな。」
と波佐谷は何かを思い出しながら言った。
「まぁ、俺には関係ない話か。」
「お前みたいな普通の人間は関わることのない筈の場所だからな。」
「おっと、もう着いたみたいだぞ。」波佐谷は目を光らせながら言った。
「えっ、このなんの変哲もない古本屋がですか!」高瀬は、驚きを隠せず大きな声で言ってしまった、
「悪かったね、何の変哲もない古本屋で……。あれ?波佐谷じゃないか久しぶりだな。」
「情報屋と馴れ馴れしくするつもりはない。」
波佐谷はキッパリとまるで突き放すかのように言った。
「相変わらず冷たいなー、もっと仲良くなろうぜ。でー、何の用で来たの?おやっさんはいないよ」
「そうか、江頭はいないか。まぁいい、情報を買わせてくれ。」
「あのー、俺は何をすればいいの?」高瀬は気まずそうに言った。
「お前の事を忘れてたな、そこら辺で本を見てろ。言い忘れてたなこいつが江口だ。」
「で、何の情報が必要なんだ?まぁ大体予想はつくがな、雪禍岳のことだろ。」江口は、あきれたように言っている。
「もっと高い情報買ってくんないとこの支店潰されちまうからさ。」
「珍しく今日は、雪禍岳じゃなくて他の情報を買わせてもらう。」
「何の情報だ?」江口は乗り気で聞いてきた。
「まぁそんな訳なく今日も雪禍岳の情報だ。」
「くそが!なんだよ。人の心弄びやがって。」
「雪禍岳の情報ならー、死亡者数と安全な登山ルートそれと謎の都市伝説の本あとはー、お前が書いたー、って無くなってる?!」江口は驚きで目を見開いていた。
「俺の書いた本無くなったのか?」
「あぁ、もう無くなってる。おやっさんが誰かに売ったんじゃねぇのか?買った人間の欄にはー、あっ!あった、高瀬陸って書いてあるぞ?」
「高瀬が持ってたのか!それを買おうとしていたのにまぁいいか手間が省けた。」
「そいつと知り合いなのか?」
「知り合いどころか今そこにいる俺の連れだ。」
「へぇー、運いいなあいつ、おやっさんに会ってるぞ、でこのまま何も買わずに出ていくなんてこたぁねぇよなぁ?」
「はぁ、わかったよ。じゃあこの「新たな裏組織、雪暗について!」っていうやつ買うよ。」
「まーいどありー、これからもご贔屓に。」江口は満面の笑みでそう言った。
「おーい、高瀬!行くぞ!」
「わかりましたー!今行きまーす。」
「で、何買ったんですか?」
「この「新たな裏組織、雪暗について!」って本だ。」
「何でこんなの買ったんですか?」
高瀬は、何でこんな本買ったんだ、と言わんばかりに言ってきた。
「不思議なことにな、欲しかった本お前が持ってたんだよ。」
「え、でもあんな古本屋行った事ないですよ?」
「思い出してみろ、最近古本屋行っただろ?」
「あっ!あの古本屋って「シミセ」の店だったんですか!」
「しかもお前が行った時にいたのは江頭だってさ。」
「あの人が江頭なのか、なんか不気味で考えてる事がよくわからない人でした。あと前にあなたの本見たって言ってた気がするんですけどぉー。」
「多分あの時は興奮しすぎて覚えてなかったんだ。でもまぁ、そうだろうな。あいつと馴れ馴れしくする奴なんて……いないな。」まるで誰か思い当たる人がいるかのように言った。
「そういえばその裏組織の本って何なんですか?」
「これか?これはな、少し気になっただけだ……」
(何か隠しておきたいことがあるんだろう、深くはきかないでおこう。)
「じゃあ俺は帰るんで、さようなら!」高瀬はそう言って走って帰ってった。
「はぁ、鷹也、お前は何で、なんであんなことをしたんだ、だから雪那は、雪那は死んだんだ!
こんな事言っても、仕方ないか……。鷹也、お前は今どこにいるんだ、どこで何をしているんだ、お前に会って問いたい、何であんな事をしたんだって……」
鷹也に焦点を当ててこの作品は進んでいくと思います。鷹也ってなんだっけって思ったなら読み直す事をお勧めします。赤雪の残響は、絶対に終わらせようと思ってるんで、応援よろしくお願い致します。




