【第5話】殺スンジャー、大ピンチ!
コッ!コッ!
「【ブルーハンマー!】」「【ブルーハンマー!】」「【ブルーハンマー!】」
全身をハンマーで砕かれていく、僕。
クソ……記録が499人なんて、締まらねえ……な……。
薄れゆく意識。
ザッ。
そこには、レッドがライフルを下げ立っていた。
そのユニフォームは、赤黒く返り血で濡れている。
ああ。男は終わったのか。
これから僕は、彼らに【違法殺人】されるのだろう……
レッドは銃を構える。
パァンッ!
僕は目を瞑る。
だが、数秒が経過する。まだ意識はある。
何が起こった?
僕は目を開ける。
ブルーは腹を撃ち抜かれ、ピクピクと痙攣していた。
「な―――!?」
「やあ、気分はどうだ?」
レッドは、顔に被っていたスーツを取り、僕に手を差し伸ばす。
「奴は俺の足を打ち抜き、いたぶろうとしていた。だが、俺は陸上選手。鍛え抜かれた筋肉が、弾丸を通すわけがないだろう?」
「なるほど……仲間に化け、僕を助けてくれたわけだ。」
「フン、お前の為じゃない。レッドを殺したところで、他の奴らに命を狙われる。だとしたら―――全員殺すしかないだろ?」
男は、銃口をブルーの頭に向ける。
「待て……僕にやらせろ……」
僕は、ライフル受け取る。
だが、銃身は男の方に向ける。
「待―――!?」
トリガーを引く。
パァン
「これで500人目だ。」
僕は引き続き、ブルーを殺そうとするが、既に息絶えていた。
「フン。キリのいい数字だ。引退にはちょうどいいかもな。」
心地よい風が、僕の全身を撫でていた。