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その先は朱か黒か……  作者: ぬい葉
二章:鎮静

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第29話:ラードルの実力

「どうしてやろうかのぉ」


 そう不敵な笑みを浮かべて前方を見やるラードル。


「そうじゃ、ついでに通りやすくしておくかの、なら……クロハ、お嬢様、見ておくのじゃよ」


 彼は何かを思いついたのか、そう言って右手を前に突き出す。


「は、はい」


「わかりましたわ」


 呼ばれたクロハとリリアはそう返事をして、彼をまじまじと見つめる。


「まずは魔術発動のための魔法陣の構築じゃ」


 ラードルはそうして魔法陣を構築し始める。


(これが魔術……)


 初めて目にする魔法陣構築の瞬間に、クロハは密かに興奮していた。


「うむ、次は魔法、二人も居るし詠唱するかのう」


 魔法陣を構築し終えたラードルはそうして魔法の詠唱を始める。


「我が体内に疼く魔力よ、偉大な精霊と会釈を交わし、今宵形を成す。大地を吹き荒れる塵旋風となり、その周囲を吹き飛ばせ」


 ラードルがそう唱えると、彼の周りに暴風が吹き荒れる。


「さて、これを魔術で極限まで圧縮……」


 すると周囲の吹き荒れる暴風は彼の展開している魔法陣へと吸い込まれていく。


「ラードル様! すぐそこまで来ています!」


 ラードルが準備している間に、すでに魔物は近くまで迫っていた、それを見ていたクラゲーヌがそう告げて剣を抜き始める。


「安心して見ておれ……『ストームクリア・コンプレステンペストォ!』」


 刹那、耳をつんざくような轟音が辺りに響き渡った。


「……」


「……」


「え?」


「ほっほっほっ、な?大丈夫じゃったろ?」


 土煙が晴れると、先程魔物の群れが居た場所には魔物の姿は一匹も見当たらなくなっており、更に地面が遠方まで半円形に抉れていた。


「……お強いのは知っていましたが、こ、ここまででしたか」


「うん、流石はラードル先生だ」


「すごい」


 一同はラードルの実力に驚き感服していた。中には恐怖を抱くものも居たが……。


「でも通りにくくないですか?師匠」


 半円形になり、更に進みづらくなった道を見て、馬車から降りたクロハはラードルにそう告げる。


「問題ないわい、道ぐらい儂が整備しようではないか。ほれ」


 ラードルがそう言うと、次々と道が平らになり、整備されていく。


「先生凄いですわ!……でも、始めからこれをやっていればもっと早く進めたのでは?」


「師匠がサボらなかったらもっと早く進めた」


「……煩いわい! 儂はもう歳なんじゃ、少しは労れい」


 サボりだと喚くクロハとリリアに、少しは労れと少々怒り気味のラードルが返す。


「まあまあ、環境の破壊は良くないからね。今まで通りの進み方で良いよ」


 三人を落ち着かせようと、馬車から降りてきたハンズは三人にそう告げる。


「さ、進もうか。ラードル先生、ありがとう」


「弟子らに死なれたら困るから当然じゃ」


 ハンズの感謝に、少し照れくさそうにラードルは返す。


「進んでいいよ」


「承知いたしました」


 それぞれが再び馬車に乗ったところでハンズが御者へ進んでいいと告げると、御者の返事の後、馬車はまた進み始め、再びサンクラット王国へと向かい始めた。



    ◇



「あれがサンクラット王国王都なのですね!」


「やっと魔の森を抜けた、長かった」


 あれから数時間後クロハ達は無事魔の森を抜け、安定した道を走っていた。

 その際、前方に佇むサンクラット王国王都の外壁を見て、一同は改めて『無事に切り抜けられた』と安堵する。


「うん? あれは……お出迎えしてくれているみたいだね」


 サンクラット王国の正門付近に使者と見られる小規模の軍隊が佇んでいるのを確認したアサークはそう呟く。




 そこからは、スムーズに物事が進み、一同は迎えの使者達と、ソラーヌの宮殿まで向かい、そこでソラーヌとその娘と軽く挨拶を交わした。

 その後、疲れているだろうと気を遣ったソラーヌの案内により、各自宮殿に用意された部屋へと向かい、その日は素早く就寝した。

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