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惑星記  作者: フランクなカイザーフランク
第一章 結末へ向けて
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プロローグ

 私はセイツェマン、戦災孤児だ。3歳の時に戦争で両親を亡くしたらしい。“らしい”と言うのも自分には戦争の頃の記憶が全くない。


 戦争というのは12年前に起こったシグマ帝国による世界侵略戦争のことだ。この戦争で戦車、戦艦、航空機、ミサイルなど多くの兵器が登場し、戦争の激化に繋がった。戦争はこれらの兵器の開発国であり圧倒的な科学力を持ったシグマ帝国の勝利で終わり、周辺諸国は領土を大きく失った。ラース共和国もそのうちの一つで、私は帝国と共和国の国境あたりに住んでいたらしい。


 私は帝国の孤児収容計画によって国営の孤児院に入れられてから12年、ついに15歳の誕生日を迎えた。この日をどれだけ待ち侘びたことか。超大国である帝国なら自分の身に危険が及ぶはずがない。しかも衣食住までついてくるし、何より思い出の一つもないこの孤児院を出られる。幼い頃から、士官学校に志願できる最低年齢の15歳で合格することを目標にしていた私は、孤児院を出るとすぐに帝国軍士官学校に入学した。


 「帝国が負けるはずがない」あの時の安易な考えは間違っていなかったようだ。


 眼前には帝国旗をつけた無数の空飛ぶ戦艦が、ほぼ一方的に地上へ大量の爆弾を落とし続けている。時々付近で敵の対空砲が炸裂するが何重にも覆われた装甲を破ることはなく、限りなく敵意のある花火の中を悠々と浮かぶその姿はまるで人智を超えた鋼鉄の龍だ。鋼鉄の龍は死の雨を降らしながら敵地を蹂躙していた。


 惑星歴2050年、セイツェマン初めての実戦である。

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