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デチャルネーレ  作者: ハゲタカ
プロローグ
1/19

約束

その豪奢な屋敷は日本に立つには不釣り合いな洋風のものだった。

二階建てで屋根は赤、壁は城、窓枠は木目のある茶色、明暗のはっきりしたカラーリング。一度見たら誰でも印象付けられるようなデザインだ。

その屋敷の一室、二人の男が窓際でチェスをしていた。


「湿った空気も風情があるものだな、志木」

「黒野、風情とか俺よくわかんねえんだけど」


曇った空に今にも雨が降りそうな湿り気、そんな中で窓を解放している。


「さっさと閉めてくんね?」

「それはダメだ、私のモチベーションが下がる」


強情なやつだな、と志木は譲歩する。

チェスの盤面を見ればお互い五分のように見えた。


「んで?お前が勝ったら何をやるわけ?」

「世界を貰い受ける」

「…」


黒野の突拍子もない発言に志木はただ唖然としていた。笑うべきか怒るべきか、思考に混沌が渦巻く。


「成人にもなってガキみたいなこというなよ、冗談言う場面ぐらい考えたらどうだ?」

「冗談と取るか本気と取るか、お前に任せるよ」


そう言って黒野は志木の駒を次々と取っていく。


「あ、卑怯な番外戦術を…」

「勝手に惑わされておいて文句を垂れるな、お前が勝ったらどうする?」


志木は納得いかないような表情を浮かべるが、ついには愉快な表情で駒を動かしながら言った。


「息子の未来を約束してもらおう」

「…ふ、それでいいのか?」

「ああ、それだけでいい」


その愉快な表情の裏には確かにれっきとした思惑がある。

だが黒野は、志木の思惑など読み取れなかった。


「じゃあ、約束だ」

「ああ、二言はない」


勝敗の行方は、誰にも分からない。例えおてんとうさまでも曇った空に遮られては見え辛かろう。


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