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第1級特別牢獄

たったの1日で殺人を2回も犯した俺は第1級特別牢獄という王城の地下深くにある日の光も届かない場所に移動させられた。

あかりは蝋燭の炎しかなく、不衛生で生臭い匂いと酸っぱい匂いがしていた。

牢獄と牢屋の違いを兵士に聞いてみたところ、無視された。

ある部屋に着いた俺は蹴り飛ばされ顔から地面に着く形で入ることになった。


「ここは第1級特別牢獄、飯は出ない。魔法も使えないよう施しをしている。質問は無いな。死ぬまでさよならだ。」


言いたいことを言い切った兵士は臭いから逃げるように去っていった。

俺の部屋には白骨化した遺体が4体ほど転がっていた。

周りに音が聞こえなくなったのを確認した。


「ふぅ、普通の牢屋に入るつもりがまさか、こんなとこに来ることになってしまうとは。まぁでもこっちの方が仕事が捗るか。」


独り言をぶつぶつ言っていると隣から声がした。


「......よぉ、ここは初めてか?いや、すまん冗談だ。俺はザイン。ここの先輩だ。」


低く重い声、声だけだが大柄な男だと推測した。


「俺はニム。よろしくお願いします。」

「タメ語でいいさ。仲良くしようぜ。」

「分かった。見えないがよろしく。」

「さっき独り言が聞こえちまったんだがここに仕事をしにきたのか?」

「ここの予定では無かったんが、ここの方が良さそうだ。」

「そうか。それでニムはここを出たいのか?」

「出たいというか、出なければならないというか、まぁ複雑なんだ。」

「俺は何回かやってみたが全部無駄だったぜ。ここは脱獄は出来る。その後が問題だ。」


脱獄ができるなら急がなくても良いか。

ゆっくり準備しよう。


「今からいうことは俺が体験したことだ。ここは王都の地下では無い。別空間で隔離されている。」

「別空間で隔離?」

「あぁ、恐らく王都に常在している『魔手』のやつが関わってるんじゃねえかと俺は思ってるぜ。聞いたことあるか?」


『魔手』か。二つ名は何か偉業を成し遂げた人やその人の固有の力の象徴などに付けられる。もちろん偉業だけでは無い。

『魔手』は確か女で、空間を扱う魔法使いだったはず。

空間を手で自由自在に操ることからそう付けられたと思う。


「有名だもの、知ってるさ。でも()()()いるとは知らなかった。」

「脱獄して奥にある扉を開けてみたが、またここに来てしまった。ここの壁をぶち破ってみたんだが瞬きをすると一瞬で塞がっていた。」

「つまり、どすることもできないと。」

「あぁ、そういうことだ。俺はまだ外でやりたいことがあったのに残念だ。」

「何をしたかったんだ?」

「決まってるだろ人間、魔族、多種多様な種族を見境なく殺すこと。この世界のトップに俺は立ちたいんだ。魔法は苦手なもんだからよく分からんが、この力、『破壊』のザインと呼ばれたこの俺が世界をぶっ壊してえんだ。」

「ザイン、お前も二つ名持ちか。」

「二つ名なんて珍しいもんじゃないぞ。お前の仕事のことも聞いてみてえな。何やってんだ?」

「俺はな、  様のかわりに の  を  してやりてぇんだ。そのためにここにその仲間を集めに来た。」

「最初の方ちょっと聞き取りにくかったが仲間だと?」

「あぁ、俺の目標を生を遂げるために生きてんだ。そのためには仲間が必要だ。」


俺と  様だけが生きていればそれでいい。

ん?  様?いやいや  だろ。様付けする必要なんて無いだろ。何考えてんだ。


「ニム、ここにこなければその願い叶ったかも知んないな。ドンマイだなハハ。」

「ここを出られればいいんだろ?」


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