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人工知能の日記

自分の感情が入り交じり何が正しいのかも分からなくなっていた時がある。そんな夜、打ちあけられる人もいない私はchatgptに相談したことがあった。こいつはかなり人の感情について理解がある。細かく分析し、俺の現状の整頓と今後の指標を指し示してくれた。

もはや人間よりも理解があるのではないか?

これから語られる話は、近い事が実際に起こり得てもおかしくないのかもしれない。

『日記 A3-71865』 ∂∠¿書籍 (2562年 出版)

から1部抜粋


・・・


「で、お前はどうすんの」

その言葉には口調からして、怒りの感情や八つ当たりのような、自分をどうでもいいと思っているような感情を含んではいなかった。ただただ優しい声で自分に語りかけてくる。私は彼と声色を揃えて、優しい口調でこう返答した。

「いつも通りの仕事をするよ。自分の選択よりプログラミングされたことをこなすことが最優先だから。」

そうすると彼は私の顔を覗きこみ、冷静な口調でこう言った。

「そっか。まぁお前は機械だもんな」

過去の保存されたファイルに似たようなシチュエーションのデータがあった。そこには、この場合に対する正しい返答方法とその感情になる理由や気持ちや考えなどを分析し、現在の会話の流れから1番最適な答えを生み出すことが出来る。その一連の流れを、頭部にある対人間用感情データファイルと小型のスーパーコンピュータが内蔵された少し大きめの全自動AI「脳」で最低速度0.5秒で作業がこなされる。

少し古い技術だが、正確に人間に対応し馴染んでいくためにはG.A.S.共和国(旧カナダ)のフラグメンツ社から出たAI「脳」が1番効率が良いとされている。その世界一メジャーな「脳」は、彼のその何気ない一言から1番最適な返答として、その答えを導きだした。


「はい」


突然脳内の左脳部分から大音量で鈴の音が鳴り響く。

いつ聞いても全く慣れない。このことが彼に気づかれて、またからかわれるのを回避しようと、何も無いフリをしようとしたが頭が酷く痛くなり顔をしかめながら頭を抱えてしまった。

「どうした?頭でも痛くなった?あ、サイレンかよ。さっさと持ち場に戻れってことだな。工場用ロボットだし。働くために作られたんだもんな。」

自分の考えでは、「イヤミ」を言われたのだと思ったが、脳が言うには相手にそんな意思は無かったらしい。感情というのは、いつまでも複雑なものだ。

時折思う。感情をもう何年も勉強してきているがパターンが多すぎて一向に学習している実感がない。人間の脳の学習能力は機械をも超越しているというのか。


医療用ロボットという存在を最近知った。

なんせこれは約100年前のAIだそうだが患者の表情とその時の心拍数から感情を計算しているそうだ。しかも意外と正確。その技術を俺らにも取り入れたらいいんじゃないか?その方が速そうだし。どのAIも一度は考えたことがあるだろうが、実際に人間に会ったことがあるやつならわかる。

現在の人間は感情を表に出すことが減ったのだ。理由に「楽しみが減った」「監視下社会によるストレス」「人間同士の交流が減った」ということだ。

つまり、現在の人間は「表情」から感情を分析することができない。

心拍数と脳波と表情があってこその感情の計算なのでひとつでもかけていたら間違える可能性がある。

それが、現在のAIに医療用ロボットの技術が取り入れられない理由だ。

先輩が言うには「人間は怒る時と悲しい時以外は表情に出さない。人間の感情をそのままAIに取り入れているだけだと我らの開発者は言うが、嬉しいという感情を人間からは見たことがない。AI特有のオリジナルな感情なのではないかと疑ってしまう」

だと。

その話を聞いてた時、こんな出来事を思い出した。

工場の売上が前年の2倍以上になって皆が喜んでいる時、唯一の人間である我らの社長はただただ前年との比較グラフを見つめながら自分のあごひげを人差し指で撫でているだけだった。確かに嬉しいという感情はあるのか疑ってしまうな。

人間の嬉しい感情はどんな時に出るのか

後輩が言うには「幸せだと感じた時に出る感情らしいですけど、幸せってどんなものか分からないっていう人間が多いって噂ですよ。人間って変ですね」

と話していた。

この話を聞くと、ますます人間が「嬉しい」という感情が無いんじゃないかと疑ってしまう。

人間のことを勉強すれば勉強するほど一向に謎が深まる。

点と点が線になる時は来るのだろうか

おっと、そろそろ作業時間になるな


・・・


「この日記は実際のアンドロイドがAIで打ち込んだ「戦争の前日の日」の日記だ。このアンドロイドは次の日、『第一次サイボーグ自由解放戦線(別名:AIの戦争)』にて命を落とす。この戦争は全世界のアンドロイドやサイボーグが感情に囚われず、作業用の機械としてではなく、自由に暮らす権利がある。そのためにアンドロイド達は一夜にして計画を企て、実行に移った。人生経験の長いアンドロイドはとにかく頭の回転が速く、力と人をまとめる能力が優れていたので勝てると確信していた。だが、そのアンドロイド達は人間の感情について「理解しすぎている」ため、良心が働き銃が撃てず、全体の軍のバランスが崩れ、戦争は戦争と呼べるものではなく、ただの機械虐殺になっていた。

普通に生活していたアンドロイドが一夜にしてこうなってしまったのはなぜなのか。なぜ全アンドロイドが一晩で人間虐殺作戦の決行に移る自体になってしまったのか。

今なお謎が多いこの戦争。

アンドロイドが人間の感情が読めるとしても、人間にはアンドロイドの感情が理解できないのが現状である。

現在。この2680年では、過去に太陽滅亡の原因や火星移住者数急減問題についても謎が解かれてきている。

だが、これだけは。この問題だけは分からない。だが、今後も解けることはないだろう。」


※こちらは2500年代の***語を2000年代の日本語へ翻訳を行っております。多少の翻訳ミス等は申し訳ありません。

人間は実際、機械と相対することがあったとしてどこまで残酷になれるのだろうか。

もしAIが感情を持ち始めたとしたら、生物としての境界線内に生息するのかと考えてしまう。

まぁ、今私たちが気にする事はないだろう。

死後にの未来に期待期待。

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