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とりにがした

作者: 須賀 玲衣

この話はノンフィクションです。

特にヤマもオチもありませんが。

 今日の出来事。


 所用で長時間運転して、夕方やっと帰宅。疲れたなぁと思いながら俯き加減でアパートの内階段を昇っていると、上の方から「キャキャキャキャキャッ‼︎」というようなけたたましい声が聞こえてきた。

 反射的に顔を上げたら、踊り場の窓ガラスにホバリングしながらぶつかっている鳥が一羽。


 え、キミ、一体どこから入ってきたの?


…って、一階下の踊り場の窓が開いているから、そこから入ってきたのだろうけど。で、おそらくパニックに陥り出口を見失ったのだろう。

 近付いたら(いや、丁度玄関の近くだから近付かざるを得ないので)、鳥は警戒したのか反対側に飛びのいて再びガラスにぶつかり、そのまま床にうずくまってしまった。


 うわぁ、まさか死……⁉︎どうしよう…。


 恐る恐る覗き込んだら、良かった、生きてた。しかし、ガラス激突のダメージのせいか、ちょっとぐったりしているようだ。

 サイズは掌に乗る位(目見当)で全身黒っぽい灰色。カラスに似ているけれど、生憎見分けられるほどの知識はない。種類は何であれ、可能であれば救出したい。とは言うものの、いくら掌サイズだからといえ本当に掬い上げる訳にも行くまい。窓を開けて置き、勝手に出て行ってもらうのが最善だろう。


「大丈夫よ〜、何もしないからね〜」と妙なテンションで鳥に声をかけながらジリジリ近付いて窓を開け、

「窓を開けたから、自分のタイミングで出て行ってね〜」と言い残して自宅に入る。

 害意がないということは伝わっただろうか…。伝わらなくても別に良いのだが。


 荷物を片付けてお茶を飲んで一息付くと、鳥もこの暑さで脱水症状になるかもしれない、と急に不安がよぎる。嫌だよ、玄関前で鳥が干涸びていたりしたら。流石に短時間では干物になったりしないだろうけど。

 気休めにヨーグルトの蓋に水を入れたものを持って玄関ドアから様子を窺う。すると、私に気付いた鳥が羽ばたいて、開けて置いた窓から逃げて行った。思ったより呆気ない幕切れ。


 ま、いいか。


…いつか恩返しに来ないかな…なんて、思ってませんよ。ちょっとしか。

御高覧ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 須賀サマも、鳥もびっくりしたでしょうね笑 窓から出て行ってくらて良かったですね お疲れ様でした〜 [一言] 私事ですが。 私の家にもこの夏、コウモリが入ってきました。 その事は活動報告に…
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