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目を覚ますと冒険者ギルドの前だった。

今日の予定だが、経験値が良いと言ってもさすがに2日連続でゾンビを狩るのは遠慮したい。匂いもキツイしな。

それなら気分転換に少し街中をブラブラしてみるのも良いかもしれない。俺は目的も無く彷徨ってみることに決めた。



「よし、こっちに行ってみよう。」



適当に露店を眺めてみたり、通ったことが無い細道をわざと進んでみたりと、色々と足の向くまま気の向くまま散策してみた。



「ん?」



ある裏通りの細道で、地面に倒れている黒猫を見つけた。どうやら怪我をしているみたいだ。



「シャー!!」



近づいてみたら威嚇されたがそのまま倒れてしまった。どうやらかなり弱っているみたいだ。このままだと死んでしまうかもしれないな。



「あ、そうだ。」



確かストレージ無いに初級HPポーションが入っていたんだっけ。

俺は初級HPポーションを取り出すと、黒猫へと振りかけてみた。



「ニャ!?」



傷が回復したことに驚いたみたいだが、まだ完全回復には程遠いな。俺は2本、3本と使ってみた。

7本を使ったところで黒猫の傷は全て回復したのだった。



「ゴロゴロゴロ……」



さすがに怪我を治してくれた恩人だと理解してくれたみたいで、喉を鳴らしながらすり寄ってきた。



「可愛いな。」



残りの初級HPポーションの数は減ってしまったが、黒猫を助けられたんだし、後悔は全くない。

すると、目の前にウィンドウが現れた。


******************************

特殊クエスト:黒猫の飼い主を探せ

猫を飼い主のもとへと返す

報酬:不明

経験値:1,000EXP

******************************



「何だ!? 特殊クエスト?」



『この調査依頼を受けますか? はい/いいえ』


特殊クエストがどんなものなのかは分からないが、この黒猫を飼い主のところに返してあげるのは賛成だ。

それに貰える経験値が多いのも魅力的だしな。俺は「はい」を押した。



「よしよし、お前の飼い主を探してやるからな。」


「にゃ~ん。」



探すと言っても全く情報が何もない。どうすれば良いのだろう……

とりあえず辺りを見渡してみるが特に変わった様子は無い。



「そーいや、何でお前は怪我してたんだ?」


「にゃん?」



首をかしげてて可愛いぜ……じゃなくて、聞いても答えてくれる訳無いよな。他に何か無いだろうか……

毛の色は黒で足としっぽの先が白くなっている以外は普通の猫だ。首輪はしていない。



「とりあえず聞き込みでもしてみるか。」



俺は黒猫を連れて行くことにした。

大通りに出て冒険者に声を掛けてみることにした。



「あの、すいません。」


「ん? 何だ?」


「この子の飼い主を探しているのですが、何か知りませんか?」


「猫? 何かのクエストか? そんなクエスト聞いたことが無いな。」


「えっと?」


「あぁ、悪い悪い。ゴメン知らないかな。」


「そうですか。」


「前回のアップデートで追加されたクエストかもしれないな。冒険者ギルドへ行ってみるか。」



男性がそう言うと、颯爽と去って行った。



「……まあ良いか。」



大した情報も持ってなさそうだったしな。次行ってみよう。




・・・・




「ダメだぁ~!!」



あれから何人かの人に声を掛けてみたが、結局この猫の飼い主を知っている人は居なかったのだ。



「こうも情報が無いとどうしようもないよな。」



ドン!


よそ見をしていたせいで人とぶつかってしまった。



「すいません。よそ見をしていまし……あっ!」



前に同じことしか話さなかった衛兵さんだ。面倒くさいから離れるとするか。



「ん? その猫はカンテール男爵夫人が飼っている猫じゃないか。」


「えっ?」



まさか違う言葉が聞けるとは思わなかった。



「カンテール男爵夫人って何処に行けば会えるんですか?」


「ん? その猫はカンテール男爵夫人が飼っている猫じゃないか。」


「えっ?」


「ん? その猫はカンテール男爵夫人が飼っている猫じゃないか。」


「えっと……」


「ん? その猫はカンテール男爵夫人が飼っている猫じゃないか。」


「・・・・」


「ん? その猫はカンテール男爵夫人が飼っている猫じゃないか。」



違うことを言ってくれたのだが、同じことしか話さないのは同じか……

俺はこの場を離れることにした。



「でも、分かったことがあるな。クエスト中だと衛兵の話すことが変わるってことは、他に話すと変わる人が居るってことだな。よし!」



俺は冒険者以外の色んな人に話しかけてみることにした。


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