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目が覚めた。ゾンビとの戦闘で色々と疲れたと思っていたのだが、目が覚めた後はいつも通りにスッキリとしていた。



「……まあ良いか。」



理由を考えてみたが、そういう物と思うしかないので考えるのを止めた。



「起きるか。」



着替えて台所へと向かった。

朝食はすでに用意されており、母さんが俺が来るのを待っていてくれたみたいだ。



「母さんおはよう。」


「おはよう。」


「あ~腹減った~」


「じゃあ朝ご飯にしましょうね。」



テーブルに着き、朝食を頂くことにする。



「「いただきます。」」



今日の朝食は……



「目玉焼き!? マジで!?」


「そうよ~、ロンドさんがこの前のお礼ってくれたのよ。凄いわよね。」


「だね!」



卵は高級品で滅多に食べられない。有難く頂くことにした。



「旨めぇ~!!」



濃厚な黄身がトロリと口の中に広がる……幸せだ……

食事を終えた俺は、ホーンラビットの肉を3個取り出すと母さんへと渡した。



「あら? ジャックの家の分は良いの?」


「昨日ウルフの肉半分渡したらからね。多分余ってるんじゃないかな?」


「そう? なら今日は持って行かなくても良いのかしら?」


「任せるよ。」


「わかったわ。適当に配っておくわね。」


「うん。じゃあ、仕事に行ってくる。」


「いってらっしゃい。」



俺は家を出て畑へと向かうことにした。



「おはよう。」


「おはよう。昨日はありがとな。ウルフの肉、すげー旨かったぞ!」


「そりゃよかった。じゃあ今日も頑張ろうな。」


「おう!」



俺たちは別れて作業を開始するのだった。




・・・・




畑を耕しながらふと昨日のことを思い出していた。

俺の攻撃をウルフは避けた。よくよく考えれば、それは当たり前のことだった。俺だって攻撃されたら避けるしな。



「やっぱりあの世界が変なんだよな。」



何故なら死を恐れないってのは生物的にあり得ないからだ。

この世界での戦闘とは命のやり取りだ。そう考えるとやっぱりこの世界で冒険者としてやっていく自信は無くなったな。

まぁ、冒険は向こうの世界でやればいいしな。とは言っても昨日の件も有るから、万が一の防衛については頭の片隅にでも置いておこうと思う。

そんなことを考えていたら、なんだかんだで今日も仕事が終わった。



「そろそろ上がろうか。」


「だな。」


「じゃあまた明日。」


「じゃあな。」



ジャックと別れた俺は、家へと帰ることにした。



「ただいま~」


「おかえりなさい。夕食が出来ているわよ。手を洗ってきなさい。」


「はいよ。」



俺は手を洗いテーブルへと着く。さて、今日の夕食は何だろうな。

運ばれてきた料理を見て驚いた。



「すげー! 何だそれ!!」


「凄いでしょ~♪」



初めて見る料理だった。細長い生き物を半分に割って焼いたものだ。



「これって何?」


「これはね、魚と言う生き物らしいわよ。」


「これが魚か……」



話には聞いたことは有ったが実際に見るのは初めてだ。この辺には海どころか川も湖も無いからな。

昔、魚が水の中に住んでいるって話を聞いて一生懸命井戸の中を探した記憶が蘇った。

魚は川や湖、そして海にか居ないと知った時の絶望感は無かったな……(遠い目)

ちなみに水は井戸を掘れば出てくるので、水不足で困ったことが無いのは幸いである。



「どうしたの? これ。」


「えっとね。今日は村に行商人が来たのよ。そこに魚の干物ってのが有って、思わずお肉全部と交換しちゃったの。ごめんね。」


「いや、全然問題ないよ。だって魚だよ?」


「そう思ったから奮発しちゃったの。さぁ、温かいうちに食べましょう。」


「うん!」



初めての魚に期待大だ。どんな味がするんだろう……

ぱくり……ふむ、肉とは違って身がホロホロと崩れるな。味は淡泊だが、ほんのりと塩っけが有ってなかなか旨いな。



「美味しいわね。」


「だね。魚ってこんな味がするんだな。」


「たまにだったら、またお魚を食べても良いかしら?」


「うん。お肉の方は全然気にしないで良いから母さんにまかせるよ。」


「ありがとう。」



こうして初めての魚料理、まぁただ焼いただけだが、満足することが出来たのだった。

また魚を食べる機会が有ることを期待して頑張るぞ~!!


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