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レベルアップ


あれからどれくらい時間が経ったのだろうか、もう何も考えずにひたすら沸きまくるゾンビを狩りまくっている俺の方が、もしかしたらゾンビなのでは無かろうか……

そんなことを考えていたら、再び足元から光が輝いた。レベルアップだ。



「レベルも上がったことだし、そろそろ終わりにしようぜ。」


「・・・・」


「返事がない。ただの屍のようだ。」


「……生きてるぞ。」


「さすがにこのネタは知らないよな。とりあえず安全地帯まで逃げるぞ。」


「お、おう。」



俺たちはこの場を離れて、墓場の外へと向かった。



「ここまで来れば大丈夫だ。」


「そうか。あー疲れた。」


「まぁ、初心者と言うか、異世界人にはこの狩りはさすがにキツかったよな。正直すまんかったな。」


「なぁ……他の人も、こんなに苦痛を感じながら狩をしているのか?」


「苦痛と言うか、慣れと言うか何というか、まぁ人それぞれだな。

 ただ廃人になると、24時間ぶっ通しで狩る奴もいるけどな。」


「そうか。俺にはとてもじゃないが無理かもしれんな。」



普通に考えて、ちょっとした拍子で死ぬかもしれない戦闘を、ひたすら続けると言うことは、狂気の沙汰としか思えない。

俺もこの世界で冒険していたら、同じようになってしまうのだろうか……いや、危険なことをする冒険者は父さんの様にすぐに死ぬだけだ。ありえないな。



「そう言えば、ゾンビって何も落とさないのか?」



ずっと狩っていたにも関わらず、何かを拾った記憶が無い。



「あぁ。ゾンビは運が良ければカードを落とすが、それ以外は何も落とさないな。大量に沸くから経験値稼ぎにはもってこいなんだけどな。」


「カード?」


「どの敵でもそうだが、低確率でカードを落とすんだよ。そのカードを武器や防具に着けると、特殊効果が付く。」



カードという物がどういったのかは分からないが、多分見ればわかる物なのだろう。



「へぇ~、ちなみにゾンビのカードの場合はどういった効果が有るんだ?」


「ゾンビは確か……武器だとSTRが+10で、防具だとVITが+10されるだっけかな?」


「ふむ。」



レベル2個分の攻撃力か防御力が増えると考えると悪くないのかもしれない。特に防具に着ければ、HPが増えるだろうし、よりお得かもしれないな。



「あー言い忘れてたけど、カードは消耗品で、1回しか使えないからな。」


「なるほど。」



装備を変えたからと言って使いまわしが出来る訳じゃないってことか。



「じゃあ帰るか。」


「そうだな。」



狩を終えた俺たちは、街に向かって歩き出した。

歩きながらレベルが上がった分のパラメータを振ることにした。



「まぁ、平均的に上げるんだけどな。」



そしてポイントを振った結果、こうなった。


******************************

名前:ケイン

職業:剣士


LV14

HP:135/135

MP:135/135


STR:13

VIT:13

INT:13

AGI:13

DEX:12

LUK:12


POINT:0


スキル:剣術(Lv2)

******************************


相変わらず同じ数字が並ぶと気持ちが良いぜ。

そして、1つ気が付いたことがある。なんと剣術のレベルが上がっていたのだ。



「おっ、剣術のレベルが上がってる!」


「おーそりゃ良かったな。まぁ、剣術は敵を倒してれば勝手に上がるけどな。」


「剣術のレベルが上がるとどうなるんだ?」


「攻撃が当たった時のダメージがレベル×10が最低でも付く」


「と言うと?」


「何て言えば良いかな。そうだな、ドラゴンみたいな防御力が高い敵でも必ずダメージが与えられるって感じだな。

 ケインの場合、剣術レベルが2だろ? だから、どんな敵でも必ずダメージ20が追加されるんだ。」


「例えば俺がエクスを素手で殴ってもダメージ20が入るってことか?」


「そういうことだ。まぁ、殴ってきたら返り討ちにするけどな。」


「殴らねーよ!」


「そりゃ残念だ。わはははっ。」


「くそっ!」



今は無理でもいつか仕返し出来るくらい強くなってやる!



「ん? メッセが入った。」



突然エクスがそう言うと、ウィンドウを出して操作している。

しばらくやりとりをして終わったらしく、ウィンドウを閉じた。



「ましろがボス戦しないかって誘ってきた。」


「ボス戦?」


「えっと、特殊個体との闘いだな。」


「へぇ~」


「ケインも一緒に……は、レベル的にちょっとキツイか。せめて20あれば良かったんだがな。」


「気にしないで行って来いよ。」


「ん~……そうだな。すまんが行ってくる。」


「今日はレベル上げに付き合ってくれてありがとな。またな!」


「おう! じゃあまたな!」



ケインはそう言うと、何やらアイテムを取り出すと、上に掲げた。

すると、光の筒に包まれたと思ったら、そのまま消えてしまった。



「エクス!?」



突然消えたことにビックリしたが、おそらく先ほどのアイテムを使った結果なのだろう。

今度会った時にどういった物なのか聞いてみようと思う。



「さて街に戻るか。」



俺は、不気味な雰囲気の場所からさっさと離れて街へと帰るのだった。


街に戻ってきた俺は、冒険者ギルドへとやってきた。

何故なら、この前武器の強化でお金を使いすぎたせいで、手持ちが少なくなってしまったからだ。

とりあえず手持ちのアイテムを処理してしまおう。

俺は依頼掲示板へと向かうことにした。



「とりあえず受けられそうなのは、これと、これだな。」



取ったのは、「ホーンラビットの角の買取り」依頼が3件と、「ホーンラビットの毛皮の収集」依頼が5件だ。

依頼を完了することで、全部で大銅貨1枚と銅貨5枚の儲けになった。ホクホクである。



「さてと、今日は疲れたし帰るとしますか。」



今日はずっと狩をしていたからな精神的に疲れたのだ。

俺はログアウトするのだった。


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