エクスと一緒に
目を覚ますと鍛冶屋の前だった。
さて今日は何をしようかな。
「あれ?」
右上に点滅している四角いアイコンが有った。メッセだ。
俺はアイコンを押してみた。
******************************
エクス『ケイン、今暇か?』
******************************
エクスからのメッセージだ。
******************************
ケイン『暇です。丁度今、何しようか考えてたところだ。』
エクス『それなら、これから一緒に狩に行かないか?』
ケイン『良いのか? 良ければ行きたいかも。』
エクス『OK、今どこにいる?』
ケイン『鍛冶屋の前だ。』
エクス『そうか、そっちに向かうから待っててくれ。』
ケイン『はい。』
******************************
どうやらケインがこっちに来るみたいだ。しばし待つことにする。
「よぉ!」
「久しぶり。」
「3日ぶりか。」
「そ……うかな? 毎日が色々と有りすぎて、もっと前の気もするけどな。」
「そりゃ良かった。楽しんでる証拠だな。」
「かもしれないな。」
「じゃあさっそく狩りにでも行くか。ところでケインのレベルは今幾つだ?」
「12だ。」
「はぁ? 3日前も12だったろ? 何で上がってないんだよ。」
「そんなこと言ってもなぁ……別に遊んでた訳じゃないぞ?」
「ちなみにどのくらい狩りをしたんだ?」
「そうだなぁ……ホーンラビットが50匹くらいとウルフが俺の世界のを入れて4匹かな。」
「……そりゃ、その程度しか狩ってない無いんだし、レベルも上がらないわな。
と言うか、現実世界での狩りも経験値になるのか?」
「その程度って、かなり頑張ったんだけどな。
経験値は分からん。この世界に来て初めて知ったものだしな。」
「まあいいか。そのレベル帯で効率が良い狩場か……何処が良いかな……」
エクスが腕を組んで悩んでいる。
そして何かを思い出したみたいだ。
「よし、墓場に行こう。」
「墓場? お参りでもするのか?」
「いや? さっき狩に行くって言ったよな?」
「そうだった。ちなみに墓場って何が狩れるんだ? まさか幽霊とか!?」
「ゾンビだ。と言うか、そっちの世界にも幽霊って居るんだな。」
「見たことは無いけどな。ところでゾンビって何だ?」
「動く死体だな。」
「墓場で動く死体……それって死者への冒涜にならないか?」
「大丈夫だ。それにゲームだから本当の死体じゃないしな。
ゾンビは、力が強くてHPも多いが、動きが遅くて無限沸きするから、初心者にはもってこいの狩場なんだ。」
「……まあいいや、エクスに任せるよ。」
「よし、じゃあ門を出て少し歩くから着いて来てくれ。」
「了解。」
こうして俺は、エクスと一緒にゾンビを狩に墓場へと向かうのだった。




