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辛勝


あの後からは、必要時以外は走るのを止めて、歩くか小走り程度に抑えている。これならBOTとして怪しまれることも無いだろう。

ただ、隠れたりとかそういった行動は行わず、堂々と移動しまくっているので、先ほどよりは減ったとは言え、それなりにホーンラビットを見つけることは出来ていた。



「このくらいで良いかな。」



それなりの数のお肉も手に入れたことだし、そろそろ切り上げることにした。

とりあえず肉以外の角と毛皮は冒険者ギルドへ売りに行こう。

そんなことを考えていたら、突然夕方になり、そして夜になった。



「しまった!」



狩に夢中になっていたために、太陽の位置を全く見ていなかったのだ。



「と、とりあえず街に向かおう。」



俺は走って街の方へと向かうのだが、周りからウルフの遠吠えが聞こえてきた。


ダッダッダッダッダッ!


すぐそこまでウルフの足音が聞こえてきた。近いぞ!


ガサッ!



「ガウッ!」


「危なっ!」



ウルフが横の茂みから襲い掛かってきたが、かろうじて避けることが出来た。



「囲まれたか。」



避けた際に足を止めてしまい、囲まれてしまったのだ。囲んでいるウルフの数は3匹だ。

どうあがいても向こうの方が脚が速いので逃げられないし、逃げるとまたトレインとか言うのになってしまい、迷惑がかかるのだろう。戦うしか無さそうだ。

俺はショートソードを構えてウルフへと切りかかった。



「キャイン!」



俺の攻撃はウルフに当てることが出来、HPも3分の1程減らすことが出来た。これなら行けるか!?

だが、数の上でも向こうが有利のため。2匹目のウルフが飛びかかって来て左手をかまれてしまった。



「くっ!」



痛みは無いのは幸いだが、少しとは言え、HPが減っているのが確認出来た。

マズイと思った俺は、ショートソードを振り回して、ウルフを離れさせた。



「ウウゥゥ~~~!!」



一定距離を保ちつつ、ウルフ達はは襲い掛かろうと様子を見ている。



「どうすれば良いんだ。」



ちらりとHPを確認すると『113/115』になっていた。どうやらダメージは2程度らしい。

この程度ならば、多少の無理をしても倒せるかもしれない。だけど時間を掛ければ掛けるほど仲間が集まってピンチになるかもしれない。



「よし!」



俺は勝負に出ることにした。とにかく数を減らすことが優先だ。先ほどダメージを与えたウルフをターゲットにして攻撃を仕掛けた。


HIT!


よし、あと1撃で倒せるぞ!

振り下ろしたショートソードを返すことで、下から切り上げる!



「キャイン!」



よし! 倒したぞ!!

だが、死角からから襲い掛かってきた1匹のウルフに噛まれてしまう。



「くそっ! こいつめ!」



噛んでいるウルフに向かって切りかかろうと振りかぶった時、最後の1匹の足元が光る!


ドカッ!



「うわああぁ~~!!」



思いっきり吹っ飛ばされて転がりまくった。そしてダメージが思いっきり入ったのが見えた。



「ヤバイ!」



HPは『85/115』を示している。同じ攻撃を4回も食らったらお終いだ!

くそっ! こんなことなら初級HPポーションを買っておくんだった。ホーンラビットの時にすぐに回復していたから忘れていたよ。

何とか立ち上がると、先ほど吹っ飛ばしたウルフが、再び襲い掛かってきたので追撃するために切りかかる。



「キャイン!」



よし! 上手く行った!! カウンターで切り付けたからか、1回の攻撃で、ウルフのHPは半分まで減っていた。

嬉しさのあまりに油断していたみたいだ。もう1匹のウルフの足元が光ると同時に吹っ飛ばされた。



「しまった!」



これで後3回食らったらお終い……あれ?

残りHPを確認してみると『68/115』だった。あれ? さっきの攻撃より減ってない!?

単に強さが違かったのかは分からないが、考察は後にしよう。

その後は、なんだかんだで3回ほど食らったしまったが、何とかウルフの群れを倒すことが出来た。



「ふぅ~、助かったぁ~!!」



残りHPは『62/115』だった。もう1度同じ群れに出会ったら終わるな……あれ? 『64/115』になって……『66/115』って回復している?

戦闘中は全く回復していなかったのに……もしかして戦闘中だから回復していなかったのか? とりあえず考察は後にして街に向かおう。俺はウルフが落としたのを拾うと、街に向けて走り出した。




・・・・




その後はウルフに出会うことも無く、無事に街まで戻ってくることが出来た。

ふと、HPを見ると『66/115』のままだった。戦闘は終わっているのに何でだ?

止まったまま考えていたら、またHPが回復しだした。



「もしかして!?」



とにかく歩いてみる……HPの回復が停止した。

歩くのを止めてみる……HPは再び回復を開始した。



「なるほど、そういうことか。」



どうやらHPの回復は、動いていると回復しないみたいだ。

これでまた1つ勉強になったな。だけど1つ疑問が沸いた。



「……戦闘中でも止まっていたら回復するのだろうか?」



ウルフみたいな敵だと無理だが、スライムやホーンラビットみたいな敵だったら試してみるのも良いかもしれないな。



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