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再会


10匹目を倒したところで、画面の右上に、点滅している四角いアイコンが有ることに気が付いた。



「何だろう、これ……」



まぁ、押してみれば分かるか。俺は点滅しているアイコンを押してみた。

するとウィンドウが表示され、何やら文字が書かれていた。


******************************

ましろ『やっほー ケイン君居る?』

******************************


ましろさんからのメッセだ。


******************************

ケイン『居るよ……で良いのかな?』

ましろ『この前は返事できなくてゴメン。』

ケイン『いえ、親切な人に色々と教えてもらったので大丈夫。チャット機能もその人に聞いたんだ。』

ましろ『そかそか、とりあえず連絡できたってことは、無事にログアウトは出来たみたいだね。』

ケイン『うん。無事に家に帰ることが出来たよ。』

ましろ『ねぇ、今から少し会えない?』

ケイン『えっと、大丈夫だ。』

ましろ『じゃあ、う~ん……冒険者ギルドでいっか。そこに集合で良い?』

ケイン『わかった。』

ましろ『おっけー、じゃあそこに集合。』

******************************



「よし、急いで戻ろう。」



俺はウィンドウを閉じると、冒険者ギルドへ向かうことにした。




・・・・




冒険者ギルドへ到着した。相変わらず人が多いが、ましろさんは何処かな……



「あっ、居た居た。ケイン君こっちだよ。」



呼ばれた方を向くと、テーブル席に座っているましろさん……と男性が1人居た。あれ? あの人はどこかで……

とりあえずましろさんの方に向かうことにした。



「お待たせしました。」


「私もさっき到着したばかりだから大丈夫だよ。」


「えっと、そちらの人は、前にも会ったことが有りましたよね?」


「いや、どうだろう……すまんが覚えてないな。何処かで会ったことが有ったか?」


「ほら、昨日ここで、依頼を受けられるのが10個までだって教えてくれた人ですよね。」


「あーあの時のか! そーいやそんな恰好をしていた人に話しかけてたな。」


「その節はお世話になりました。」


「気にすんなって。」


「えっ? あんたたちって知り合いだったの?」


「知り合ったというか、俺が困っている時に教えて貰ったんだ。」


「いや、こいつがな、依頼の紙を不思議そうに何枚も剥がしていたからな。つい声を掛けちまったんだ。」


「ふ~ん。まあ良いわ。」


「良いのかよ。それよりケイン、俺もましろと同じような話し方で構わないぞ。」


「あ、はい。いや、よろしくな。」


「おう。」


「それでエクス、この人が例の異世界人よ。」


「こいつがそうなのか。」


「エクス?」


「あーすまん。自己紹介がまだだったな。俺はエクスって言うんだ。よろしくな。」


「ケインだ。よろしくな。」



俺は手を差し伸べてエクスと握手をした。



「知ってる? エクスって聖剣エクスガリバーから名前を取ったのよ。笑っちゃうわよね。」


「おまっ! それを言うなって!!」


「聖剣エクスガリバー? それってそんなにも凄い剣なのか?」


「そそ、勇者が使う剣で、それでしか魔王は倒せないのよ。」


「勇者? 魔王? それって何だ?」


「えぇ~!! ケイン君って、ファンタージーの世界から来ているのに、勇者も魔王も居ないの!?」


「マジか……」


「ファンタジーが何なのかは知らないけど、そんな名前の人は聞いたこと無いかな。」


「そっか。じゃあ魔物も魔法も無いのか~」


「いえ、魔物や魔法だったら有るぞ。」


「「本当か!!」」



2人が襲い掛かる勢いで顔を出してきた。



「え、ええ……とは言っても、魔法を使えるのは魔法関係のスキルを貰った人だけどな。」


「そーいや成人の儀式でスキルがどうのって言ってたわね。」


「あぁ。」


「なるほどな、魔法は誰でも使えるって訳じゃねーんだな。それでケインは、何のスキルを貰ったんだ?」


「えっと『MMORPG』ってスキルだ。」


「ブッ! げほっ! げほっ!」


「ちょっとエクス、大丈夫?」


「す、すまん。ちょっとむせた。……で、何だよそのスキルは。」


「このゲームにログイン(?)出来るスキルみたいだ。ただ、元の世界でもステータスとかストレージの機能は使えるみたいだけどな。」


「そうなの!? なら、こっちのスキルも使えるんじゃないの?」


「こっちのスキルと言うと、剣術とか? まだ習得してから戻ってないから、使えるかどうかは確認はしてないな。どうなんだろう?」


「ケインは剣士か。なら他にもスラッシュとか身体強化とか色々と有るけど、そっちも使えないのか?」


「スラッシュや身体強化がどういったのか分からないけど、とりあえず帰らないと何とも言えないな。」


「そーいや初心者だっけな。スラッシュはレベル15になったら覚えられるぞ。」


「そうなんだ。」



これは良いことを聞いた。例の男性がレベル15とか言っていたのは、スラッシュってスキルを覚えさせてくれるってことなのだな。



「でもさ、向こうでもこっちのスキルやアイテムが使えるようになるってことは、最強になれるんじゃない?」


「俺もそう思った。」


「どうなんだろうな。向こうの冒険者がどのくらい強いのかもよく分からないしな。」


「「冒険者!」」



2人とも冒険者の言葉にもの凄く反応したな。でも、あんたらも冒険者なんだろ? 何でそんなに気になるんだ?



「ケインは冒険者なのか?」


「いえ、農家だけど。」


「そーいや畑がどうのって言ってたわね。」


「何だよ、期待させやがって。」



だから冒険者の強さを知らないって言ったじゃん。ちゃんと話を聞いてくれ。



「ケイン君は、冒険者にはならないの?」


「一度なろうかと思ったけど、こっちの世界で稼げるし、無理に冒険者にならなくても良いかなって思ってさ。」


「稼げるって?」


「ほらお金に銅貨とかってあるじゃない。あれがそのまま俺の国のお金になるんだ。」


「マジで!?」


「何それ、チョー羨ましいんですけど。」


「えっ? そっちではストレージから取り出して使えないの?」


「使えるも何も、ゲーム内のお金はゲームでしか使えないわよ。もし使えるんだったら、私は今頃かなりの大金持ちになれるわよ。

 と言うか、私達がいる現実世界では、スキルどころかストレージも使うことは出来ないわよ!」


「そうなんだ。」



どうやら両方のスキルが使えるのは俺だけみたいだ。ちょっとだけ優越感だ。



「殺るか。」


「そうね、協力するわよ。」


「待って、ゴメン、許して!!」


「「冗談よ(だ)。」」



そうは言ってはいるが、目はそう言ってない。俺は、優越感に浸るのは止めておこうと心に誓うのだった。


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[良い点] 面白そうやんポイントいれたろ!続き期待してます
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