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決心


目が覚めると、いつものベッドだった。

ストレージに中身を確認すると、


******************************

銀貨       ×1

大鉄貨      ×5

鉄貨       ×6

木のコップ    ×1

薬草       ×9

ホーンラビット肉 ×1

******************************



「あれ?」



確か銀貨なんて持ってなかったハズなのだが……もしかしてだが銅貨が100枚が勝手に両替されて銀貨1枚になったとか? そんなことってあり得るのか? ……まぁ、良く分からない世界だし、そう言うこともあり得るのだろう。きっと……

それ以外は、記憶にあるものと同じのが入っていた。と言うか、木のコップを入れっぱなしだったな。とりあえずコップは取り出しておこう。


******************************

名前:ケイン

職業:剣士


LV12

HP:115/115

MP:115/115


STR:11

VIT:11

INT:11

AGI:11

DEX:11

LUK:11


POINT:0


スキル:未取得

******************************


ステータスを確認すると、しっかりとレベル12となっていた。これで俺のスキルがどんなものか確定したな。

俺のスキルは、現実世界と『リンルージュ・オンライン』を行き来できるスキルだということだろう。



「さて、起きるとしますか。」



俺はベッドから降りて台所へ向かうことにした。

台所に着くと、朝食を作っている母さんが居た。



「母さん、おはよう。」


「おはよう。ケイン。今日は甘えん坊さんじゃ無いのかしら?」


「や、止めてくれよ。もう!」


「うふふふっ、さあ、朝ご飯にしましょうか。」



母さんにからかわれてしまったが、自業自得だ。諦めることにしよう。

テーブルに着き、朝食を頂くことにする。



「「いただきます。」」



今日も黒パンに豆のスープだった……って忘れてた。



「母さんコレ!」



俺はストレージからホーンラビットの肉を取り出して、母さんへと差し出した。



「えっと……お肉? そんな大きな物、どこから出てきたの?」


「俺のスキルだよ。昨日お金を沢山稼げたから、買ってきたんだよ。」


「……危ないことはしてないんでしょうね?」


「してない、してないよ!」


「本当でしょうね?」


「本当だってば! 信じてくれよ!!」


「それなら良いわ。でも2人で食べるのには多すぎるわね……この間のお礼にロンドさんの家と、ジャック君の家にでもお裾分けした方が良いかしら?」


「その辺は任せるよ。」


「分かったわ。とりあえず今出されても困るから、朝食が終わるまでしまっておいてもらえる?」


「あ、はい。」



俺はストレージにホーンラビット肉をしまうのだった。




・・・・




朝食が終わり、ホーンラビットの肉を母さんへと渡した俺は、仕事をするため畑へと向かうことにした。



「やっぱり早くなってる。」



普通に歩いているのに、いつもの倍以上の速度で歩いていたのだ。もちろん速度を落とせば何時もの速さで有ることも可能だ。

そして鍬の重さもナイフを持つ程度の重さになっていたのには驚いた。



「凄いな……」



こんな状態で、思いっきり頑張って畑を耕したらどうなってしまうのだろうか……

畑に到着したと同時にジャックもやってきた。



「よぉ!」


「おはよう。」


「じゃあ、仕事を始めようか。」


「だな。」



俺たちは二手に分かれて今日の分を耕し始めることにした。


ザクッ! ザクツ! ザクッ!


やべぇ! 力を入れなくても掘れてしまう。楽しい~!

そんなこんなで、いつもの半分の早さで終わらせることが出来たのだった。



「ジャック、手伝うぞ。」


「えっ? もう終わったのか?」


「あぁ。」


「凄いな……遅くてすまんな。手伝ってもらえるか?」


「もちろんだ。」



俺はジャックと並んで畑を掘り出した。今回はジャックの速度に合わせるとしよう。


ザクッ! ザクツ! ザクッ!



「なぁ、ジャック。」


「何だ?」



ザクッ! ザクツ! ザクッ!



「俺さ、冒険者になろうと思うんだが。」


「良いんじゃないか?」



ザクッ! ザクツ! ザクッ!



「反対しないのか?」


「何で? 本人がやりたいって言うんだし、やれば良いじゃないか。」


「だって、俺が冒険者になったら、ジャック1人で畑を耕すことになるじゃないか。」


「馬鹿だなぁ、俺1人でやる訳無いだろ。別の人が来るようになるさ。もし来ない場合は、単に耕す畑が半分になるだけだよ。」


「そうなのか?」


「そういうものだ。さすがに領主様だって、不可能なことはさせないって。」


「ふ~ん。」


「安心したか?」


「抜かせ。」



口では文句を言ったが、安心したのは事実だ。ジャックの仕事に問題が無いのであれば、冒険者を目指してみるのも本気で目指してみても良いかもな。



「頑張れよ。」


「!? お、おう。」



俺が冒険者になるってことを決心したのがバレていたみたいだ。恥ずかしいぜ。


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