買い物
「じゃあ、俺は買い物をしたら帰ろうと思います。」
「何を買いに来たんですか~?」
「えっと、何か美味しい食べ物とかが無いかなと思って。」
「食べ物ですか~、例えばどんなのですか~?」
「肉や卵が有れば良いんだけど、無ければパンとかでも良いかな。」
「肉だったら私も売ってるよ~。」
「本当ですか? 見せてもらっても良いですか?」
「あれ? 表示されて無ませんか~?」
あまりりすさんはそう言っているが、目の前には何も置いてなかったのだ。
俺の視線に気が付いたあまりりすさんが、何かに気が付いたみたいだ。
「あーそっか。じゃあ、ここを見てください~。」
そう言って、自分の頭の上を指さした。
あまりりすさんの頭の上には、『クエスト用』と書かれたウィンドウが浮いていた。
見るというのは、薬草採取みたいに集中して見れば良いのかな?
俺はウィンドウを集中してみると新たにウィンドウが現れた。
******************************
クエスト用
・ホーンラビット肉 44L ×37
・ホーンラビット角 55L ×18
・ホーンラビット皮 33L ×23
・薬草 15L ×12
・スライム魔石 25L ×5
・初級HPポーション 110L ×7
******************************
ホーンラビット肉と言うのが売っていた。44Lって幾らになるんだろう?
「すいません。44Lって幾らですか?」
「44Lは44Lですよ~?」
「えっと、お金に換算すると幾らになるのでしょうか?」
「あぁ、そういう意味ですか~。あまりお金換算で使わないからアレですけど、えっと……確か、鉄貨が1Lで、大鉄貨が10Lだから……大鉄貨4枚と鉄貨4枚の値段になりますね~。」
「ふむ。」
確かに今銅貨は101枚も有るから買えない訳でも無い。
とは言え、俺のいる世界だと、101日分働いたお金なので、それなりに高い金額なのだが……折角余裕があることだし、買っていくか。
俺はホーンラビット肉を押すと、個数を聞いてきたので1匹だけ購入することにした。
購入すると勝手にストレージからお金が引かれるらしく、いちいちストレージからお金を出さなくても買い物が出来るのは楽だな。
「まいど~」
「こちらこそありがとうございます。」
「まぁ、ホーンラビットならその辺りに結構いるモンスターなので、初心者でも狩れますよ~。」
「そうなんですか?」
「はい~。武器さえ持っていればだけど、レベル10も有ればとりあえずは問題ありません~。」
レベル10か、そのレベルはすでに超えているから、俺でも狩れるってことだな。
ホーンラビットの肉が美味しければ自分で狩ってみるのも良いかもしれない。
「買い物も済んちゃったし、そろそろ帰ろうと思います。」
「わかりました~。それじゃあ、また~♪」
「はい。でまたまた。」
あまりりすさんが、手のひらをひらひらと振ったので、同じように振って別れることにした。
俺はメニューを開くと、ログアウトを押すのだった。




