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プロローグ 生きた心地のしない日々

気づくとスマホに手が伸びている。


指紋認証によって一瞬でロックを解除すると、まるでプログラムされたロボットかのような滑らかな手付きでSNSを開く。


特に知りたい情報があるわけでもない。


しかし、俺は何も考えずただひたすらに画面をスクロールする。


時折、おかしな投稿にくすりと笑う。しかし声を出して笑うことはない。


画面をスクロールすることに飽きてくると、SNSを閉じて動画サイトを開く。


お気に入りの投稿者が新しい動画をアップしているのでチェックする。

いつもどおり面白かった。表示されている関連動画をタップする。まあまあ面白い。


それ以外何も考えずに動画を見る。何度それを繰り返したかわからない。


気がつくと深夜2時を過ぎていた。目はそこそこ冴えているが、明日は一限の講義があるので寝なければいけない。


スマホの充電器をスマホに差し、ベッドに横になった。しばらく眠れずにいたが、やがて眠気に襲われ俺は眠りについた…。


いつも何をするわけでもなくスマホやパソコンを触っている。休日でさえそうだ。だらだらとSNSを見て、動画サイトで動画を見て、エロサイトに行ったら一日が終わっている。


そのルーティンの間、俺はほぼ何も考えていない。ただ麻薬中毒者のように快楽を貪っているだけだ。


人生がつらいとは正直そこまでは思わない。


しかし、人生を生きているという実感もあま

りない。


死ぬのは痛そうだし、怖いから仕方なく生きている。


あ、新しい動画がアップされてる…


俺は生きている意味をまだ見出せないでいた。この時。この世界では。

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