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異世界転生しそこなったけど、スキルは貰えたので現実世界で楽に生きたい  作者: ぐわじん
天罰? ノースVSアメリカ

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3-37 茜ちゃん(マスクちゃん)2

2021年2月28日公開分 一話目。


3-37 茜ちゃん(マスクちゃん)2から公開

■三人称視点


「どうぞー」

 ノックの音が聞こえ、茜は入室を許可した。ドアから入ってきたのは金髪のイケメン男性。


「どう元気?」


「元気よ。って昨日も来たじゃん」


 イケメン男性はベットの上で上半身を起こした茜に軽くハグし、茜は少し照れながらハグし返す。


「これお土産」

 そう言って箱を開けるとカラフルなケーキが10個入っていた。


「ナニコレ可愛いーーー! 凄い! これ全部貰っていいの?」

 テンション爆上げで喜ぶ茜。


「うん、あっでも1個は俺も食べたいから」


「えええっ!?」


「えええっ!?」

 驚いた茜に驚くイケメン。


「私9個も食べられないよー」


「あっそっちね。びっくりした」


「2個食べて良いよ」


「8個は食べれるんだね」


「冗談よ。私が2個で良いよ。あっでも、うーん」


「いや1個で良いよ。後で皆で食べて」

 イケメンが紅茶を淹れ、それぞれ1個選んで食べだす。


「おいしい~。幸せ」


「でしょ? 近くのホテルのシェフにお願いして作ってもらったんだ」


  :

  :


「それと他にもプレゼントを持ってきたんだ」


「えっウソウソ! なになに?」

 イケメンは水色の箱を取り出し蓋を開けて茜に見せる、中にはネックレスが入っていた。


「凄い綺麗! あれ? これってテファニー? ウソウソウソ! 高かったんじゃないの?」


「大したことないよ、いつも頑張ってくれている茜ちゃんへのご褒美。ここに来れる人は限定されるから、世界中のファンの代表としてね」


「ありがとう、大切にするね。でも世界中のファンとか大袈裟だよ~」

 照れながら、でも満更そうでもない雰囲気の茜。


「いや、今茜ちゃんの人気は凄い事になっているよ。敵として現れたのに、戦って負けて、今は一緒に戦っているとか、作品から出てきたヒロインのようだって」


「ヒロイン? いやいやいや、そんなの褒めすぎだよ~」

 デヘヘと大分だらしない顔つきになる茜。


「そんな事ないって。可愛い衣装で戦っている姿とか、愛敬のある仕草とか、ファンによるコスプレ動画とかも流行っているし」

 イケメンは愛敬のある仕草のところでお尻フリフリと動かした。


「そんなに煽てても何も出ないよ~。も~幾ら欲しいの? んっん。でも、頻繁に来てもらって嬉しいけど、仕事は大丈夫なの?」

 恥ずかしさからか、話題を変える。


「大丈夫。やっと仕事が一区切りついてね。ん? 仕事の内容? んー。AK(金属鎧殺人鬼)の特別対策チームの一員で対策を練ったり、兵器、切り札となるような秘密兵器を開発とか」


「秘密兵器? なになに、それどんな物なの?」


「いや、秘密だから」


「そりゃそっか。あーあー、でも知りたいなぁ」

 チラチラと上目使いをしながら、媚びるようにイケメンを見る。


「うーん、他の人には秘密だよ。名無しさんや清子さんにも秘密に出来る? じゃあ、教えるね…」

 耳打ちして小声で伝える。


「何それ?」


「分かりやすく言えば核兵器の一種かな」


「それ駄目なやつじゃん!」


「そそ、使ったら駄目な兵器だよ。使わないと思うし使って欲しくない。でもね、どうしても使わないと駄目な状況が出るかも知れないから。もしもの時に切れる札は沢山あった方が良い」


「・・・ちょっと、なんか、あの、聞いてゴメンね」


「ううん、でも仕事だから。使う使わないはもっと上の人が考える話だし、与えられた仕事をキッチリするだけさ。軽蔑した? もうここには来ない方が良いかな?」


「ううん、ぜんぜんぜんぜん。仕事だもんね、仕方ないよ。会いに来てくれて嬉しいし。また来てね」

 慌てて身振り手振りで、また来て欲しい事を表現する。


「そろそろ帰るね。欲しい物があったら、何でも言ってね。今度差し入れするから」




■一月後


 茜は基地内の自室で自分の動画を見ながらお尻の振り方を練習していた。そこにノックの音が聞こえた。


「どうぞ~、あっチャーリー♪」

 入ってきた金髪イケメンにダッシュで抱き着く茜。直ぐに両頬にチュッチュとキスをし、イケメンも同じように頬にキスをする。キスをした後も抱き着いたまま離れることなく、チャーリーの目を見つめる。


「事前に連絡してくれればいいのに、そしたら色々と準備したのに~」


「ごめんごめん、茜はそのままでも十分可愛いよ。今日もあんまり時間が取れないから。これだけ渡したら帰るよ」

 そう言って茜の額にキスした後、ラッピングされた箱を差し出す。


「うそ、ナニナニ? 開けて良い? …。ミンテンドウのスイッシ(携帯ゲーム機)じゃん! 凄い、どうやって手に入れたの? 全然手に入らないのに。高かったでしょ、お金払うよ~」


「実は俺が買ったんじゃなくて、他のファンからの差し入れだよ。直接会える人は限定されているから、代理で持ってきただけさ」


「えーそうなの? でも自分が買ったって言っておけば良いのに、正直なんだから」

 そして再度チャーリーの顔を見て何かに気が付いた茜。


「あれ? なんか浮かない顔してない? どうしたの?」


「いや、大丈夫だよ。本当。……、凄いな茜は。隠せないね」


「私に出来ることなら何でも言って」


「これは名無しさんや清子さんにも内緒でお願したいんだけど。実は、作っていた秘密兵器、使用されそうなんだ」


「え? 核兵器って使ったら駄目な兵器なんだよね?」


「そう、使ったら駄目な兵器さ。ただAK(金属鎧殺人鬼)との戦いに勇者が負けた場合に、使うらしい」


「じゃあ、私たちが負けなければいいんだ」


「そうはそうだけど。正確には負けそうになったら使うらしい…。で信頼できる勇者にその使用を任せたいって話になっていて、俺は茜に任せたいと思っているんだ」


「私!? 何で私なの!? 名無しさんや清子さんが居るじゃない。私なんか…」


「名無しさんや清子さんは、そもそも核兵器の使用は否定的でね。何事にも本音と建前があるというか、そうだな…。必要悪って言葉は分かるかな? 世の中は綺麗ごとだけじゃ済まされないんだ。

 例えば勇者が倒されてそれがアンデッドとして敵に回ったら、それは脅威でしかない。なのでアンデッドにされる前に、絶対にAKを殺す必要がある。そう考えているらしい」


「でも、使ったら自分たちも死んじゃうんじゃ?」


「死んだら名無しさんに生き返らせて貰えばいい」


「あっそっか」


「アンデッドになったら復活も出来なくなるし、どうせ死ぬならAKも道連れに。後で勇者を生き返えさせることが出来ればそっちの方がより確実、そんな考えみたい」


「なるほど。自分が死ぬような、どうしようもなくなった時に相手も一緒に死んで、自分たちは生き返るって方法かあ。でも確実じゃないんだよね? 生き返らない確率もあるんだよね?」


「そうだね100%復活出来るとは言えない。ただAKが生き残って勇者が負け、死体を持ち去られたら100%復活は不可能だ」


「…」


「俺は茜に生きていて欲しい。本当はこんな兵器を預けたくはない。でもね、持つことで、逆に生き残る可能性が高くなるなら、使うかどうかは別として持って戦いに行って欲しいと思う」


「…。ちょっと直ぐには返事が出来ないかな」


「分かっている。ただ、勇者の誰かにこの兵器を任せたいという話になっているけど、もし断られたら軍がその使用判断をすることになると思う。そうなったら、実際に最前線で戦っている人の事を配慮せずに使われるかも知れない。そんなのは避けたいんだ。

 それとこれも秘密でお願いしたいんだけど、もし茜がアメリカ政府と専属契約をしてくれれば、契約金として1億円、また契約内容次第ではあるけど、年俸も高い金額を提示出来る」


「1億円!? というか何でそんなお金が貰えるの? そもそもそのお金はどこから出るの?」


「茜のファンの中には偉い人やお金持ちの人が沢山いるんだ。そういう人たちから出ると思って欲しい」


「うーん」


「政府から依頼される仕事だってAKの件が片付けば、そんなに忙しくなるような事は無いはずさ。茜が困らないように不利にならない様に一生サポートするよ」


「一生サポート? もしかして!? それってプロッ…」

 言い終わる前に茜を抱きしめる。


「前向きに考えて欲しい。今日は話を聞いてくれてありがとう。また連絡するね」


  :

  :


 茜と会っていた男、チャーリーが誰もいない部屋で誰かと会話をしていた。


「こちらシルバーフォックス。エヌビー計画は順調です。はい…。お任せください。また連絡します」


  :

  :


 一方その頃、茜が一郎と清子にチャーリーの件を報告していた。


「しかし何が目的なのかしらね? 真意は分からないわね。何か分かる一郎」


「うーん良く分からないです。ただアンデッドになってしまう位なら、その前に確実にAKを倒そうということなんでしょうが…。今でも魔法や化学兵器などを使って倒せているんだからそれを使うって事でも良い気がするんですけど。というか化学兵器だって使うのは良くないと思いますけど」

 清子の発言に一郎が答える。


「でもどう考えてもおかしいわよ。だって兵器開発に携わった者が使用について何らかの権限を持っているとか有り得る? 利用が許可されそうというのは分かりそうかも知れないけど、それを外部というか茜に漏らしたら駄目よね。絶対おかしいわ、何か目的があるはず」


「多分ですけど、対策チームであって、実際に作っているのは別部署なのでは? でもこちらに対して警告をしてくれているのかな? だって絶対怪しいし、これをすんなり信じるとかどこの馬鹿だって話になるでしょ。となるとワザとアメリカ側を警戒するように情報を流しているんじゃないかな。

 とりあえず、茜ちゃんには申し訳ないけど、これからも彼との会話の内容を教えて欲しい。ごめんねこんな事をお願いしてしまって」


「ううん、ぜんぜんぜんぜん。名無しさんのお願いなら何でもきくよー、何でも言ってね。でも意外だったなぁ」


「うん? スパイみたいな真似をさせるのが?」


「いや寝取られ願望があったなんて」


「ちげーよ! じゃなくて、違うよ?」


「なにか勘違いしていそうね。今回はアメリカ政府が何かを企んでいそうだから、調べて貰っているだけよ。寝取られは一郎の性癖であって、ついでよ」


「ちげーよ! 性癖って!」


「名無しさん、私どんなプレイでも頑張ります」


「いやだから違うからね。危ない事や変な事しちゃ駄目だよ、身の危険を感じたら芝居何てしなくていいから逃げるんだよ」


「え!? それってヤキモチ! もうー好きなのは名無しさんだけです」

 茜は一郎に抱き着きキスをしようと迫る。茜の両肩を手で押さえ、自身の身体を反らしてキスを避けようとする一郎。


「いや、それも違うから、茜ちゃん落ち着いて」

清子さんは一郎の同人誌の中に、寝取られモノがあったことを知ってます。

他にも色々な18禁の本があることも。

それと一郎の事をからかいたかったようです。

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