3-32 誰?
2020年9月27日公開分 四話目。
3-29 エマとシャルロッテから公開
謝っておきます。ごめんなさい。
■記者会見の数日前
「少し良いかな?」
「お巡りさん。昨日も話したじゃないですか、勘弁して下さいよ」
「不審者の通報が有ったので対応しない訳にはいかないのでね。簡単に話だけ聞かせて貰うよ」
名無しこと鈴木一郎が住んでいるマンションのすぐそばで、警察に職務質問を受ける記者。そのマンションの敷地内ではプランターの花を植え替えている女性が居た。土いじりが終わったのか道具や古い花を持って敷地を出て行く、それを気にする人は居ない。
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机に座りヘッドフォンを付けて何かを聞いている女性、聞きながら何かをメモしている。一番最後の文を見ると、“リムたん辛いっす”と書いてある。
「えっ? 何の話? もう一度。神様? スキルを悪用? どういう事なの、働き過ぎで頭がおかしなっちゃった? 誰もいないのに、一人で何でこんな変な事を言っているの? 名無しさん大丈夫かな」
機械を操作して何度か聴き直し、それをメモしていく。しばらく聞き進めていくと、どうやら日付が進んだようだ。
「あれっ誰か部屋にいるわ、女性? 神様? 何でその発言を認めるの? 普通神様と名乗って納得する? 一体何が起きているの…」
メモを取るのを止めて、聞こえてくる内容を聴き続ける。
「復活スキル? 二百ポイント? 何なの一体…。ひいっ!」
“ところで先ほどから話を聞いているあやつはだれじゃ”
ヘッドフォンから漏れる声。
「まるで私が盗聴している事に気が付いてるような。まさかね」
「名無しさんが泣いている。酷い、この女性許さないんだから」
そして最後まで聞き終えたのか。ヘッドフォンを外して深い溜め息をつく。
「神様? 神様なんてこの世にいるの? それがどうして名無しさんの部屋にいるのよ全然理解出来ないわ。ただ分かるのは名無しさんと神様を名乗る女性が同棲しているってことよね。しかも嫁を名乗ったり…ぶっ殺す! それに洗濯をするなら私が手伝うのに水臭いな名無しさん。
異世界、勇者、という言葉も聞こえたし、中二病の彼女が居るって事なのかしら。名無しさんも中二病っぽいところあるしなぁ。もしかして、まさか、まさかね、でもそうだとしたら昨日の事って…。いずれにしても準備を始めないと。変な女性に名無しさんが騙されないようにしないとね、ふふ、ふふふ」
そう言いながら自分の頬を触っている。
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キンコンカンコーン、キンコンカンコーン。昼休みのチャイムが鳴った。それぞれがお昼ご飯を食べたり、購買に買い物に向かったりしている。
一人机で持ってきた弁当を食べる女子高生。マスクを少しずらしご飯を食べる、注意深く見ると頬に痣があるのが分かる。ヘッドフォンから流れるのは名無しの曲。
「ふふふ」
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■記者会見の日
「え? 何よこの記事! 名無しさんがそんな事する訳無いじゃん! ちゃんといつも見張っているから分かるんだから! そんなことしていないって」
持っているスマホには、名無し三股疑惑のネットニュースが表示されている。
「このクソビッチの所為で名無しさんの活動に支障が出るじゃない! 私が! 私が一番名無しさんの事を好きなのに! 私なら迷惑を掛けずに何でもしてあげるのに! 私が一番幸せに出来るのに!」
部屋にある鏡を見る。ボールペンの後ろを使って、痣の場所をグリグリと押し続ける。痣の周辺含めて色が変わっていく。
「わたしとぉー名無しさんとの絆。きずなぁあぁー! 私が一番大事に思っているんだから! 本当に三股しているなら全員ぶっ殺す! そして悲しんでいる名無しさんを私が癒してあげる。うふふふ」
そしてスマホを再度弄り始める。
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「勇者? 神様? 本当に? という事は以前あったあの時の会話は? 私もスキルが覚えられるじゃん! まずは歌唱スキルを覚えて…」
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■最新の時系列
「名無しさん泣かないで、クソビッチの代わりに私が癒してあげる」
マスクちゃんに対して複数人の警備員が警棒で殴りかかるが、警棒を腕で受け止め、あるいは背中に直撃するが動じることなく、殴り飛ばして警備員達を倒していく。
「みんな待って、私に任せてください。私は高レベル勇者なので攻撃されても大丈夫ですから」
警備員達に回復魔法を唱えて怪我を回復させたあと、マスクちゃんと向き合う。
「どうしてこんな事を」
「どうして!! どうして!? 名無しさんのために決まっているじゃない。人前でイチャイチャしやがって私の名無しさんに対して!! 露出狂のくそビッチに騙されて、勇者なんて危険な事をさせられて、でももう安心して、私が代わりに戦ってあげる。全員ぶっ殺してやるよ、魔族も、ビッチも、色目を使ってくる他の女もね。うふふ。私がずっと一緒にいてあげる。名無しさんが望むなら何でもしてあげるわ」
喋っている間に、鑑定でマスクちゃんのステータスを確認する。なに!
名 前:栃木茜
職 業:女子高生、勇者、ユーチューバー
L V:100
H P:1080/1100
SKP:544/544【550】
M P:550/550
STP:550/550
攻撃力:330
防御力:330
素早さ:210
器 用:210
知 力:330
羞恥心:10
状 態:正常
スキル:歌唱R4、舞踊R2、
特 別:言語理解R2、神殺しR1
称 号:新米勇者、女子高生ユーチューバー、ありのまま、超時空シンデレラガール、個人情報ダダ洩れ茜ちゃん、※他省略
結構高LVな勇者、私に比べればまだまだだけど、普通の成人男性の十倍位のスペックが有りそう。
「クソビッチを倒したらLVがいっぱい上がっちゃった。LVアップの音が全然鳴り止まないからドーパミン出まくりー! クソの割には役に立ったじゃない。ふふふ」
そう言った後、マスクを脱ぎ捨てた。頬には痣が残ったままだった。回復魔法では痣が治らなかったのか?
「あれ? 茜ちゃんじゃない?」
「本当だ、茜ちゃんじゃん」
「うそうそ、本当だ茜ちゃんだ」
周囲のやじ馬が騒ぎ出した。
「だれ? 茜ちゃんって?」
「ご存じないのですか? ユーチューブでチャンスを掴み、スターの座を駆け上がっている超時空シンデレラ茜ちゃんです!」
やじ馬の説明を聞いてもピンと来ないが、人気ユーチューバーという事だろうか。
「もうよそう、止めよう。大人しくしてくれないか」
マスクちゃんの目を見ながら説得を試みる。
「ええ。名無しさんが望むなら、それに従うわ」
「じゃあ一緒に警察に行こう」
「はあ? 一体何で、どういう理由で警察に行かないといけないの?」
「だって神様を殺したじゃないか」
「神様を殺したら日本の法律に触れるの? 何罪に問われるの? 何の罪も犯していないの警備員が私に暴行するから反撃しただけだし、逆になんでそのビッチが公然わいせつのような恰好で出歩いていたのに罰せられないの? 神様だったら何でも許されるの? じゃあ私が神様になるわ」
そう言って、両手を天にかざして、少しお道化たようにポーズを取った。
「馬鹿な事を」
私の言葉を遮るように、直ぐにマスクちゃんが会話をかぶせてきた。
「馬鹿な事? だって勇者なのよ。スキルがあれば何でも出来るし、人以上の存在になったのよ。それにこんなに強くなって誰も私を止めることなんて出来ないわ。
でもそんな事はどうでもいい、同じ勇者同士、手を取り合って生きて行きましょう。魔族を倒さないといけないんでしょ? さぁ一緒に魔族をやっつけよう!」
拳を上にあげて、元気いっぱい、物凄い笑顔で、そして私の目を見つめる。その目は私の心の中まで浸食してくるような感じがした。狂ってる、狂ってるよ。
マスクちゃんは、随分前からヤンデレ要員でした。
マスクちゃんファンの方申し訳ない。
2-18で音に反応するおもちゃの記述がありますが、その時にはヤンデレ要員でした。
多分クリスマス辺りの記述位からヤンデレ要員だと思う。
3-13 神様のようなもの3 で勇者にスカウトされてます。
ちなみに状態:正常というのは、状態異常に掛かっていないという事であって、
病むほど愛しているのは状態異常では無いという解釈です。




