3-18 スキャンダル6
2019年12月28日公開分 三話目。
3-16 スキャンダル4から公開
※書き方を変えています いつもは一人称視点。三人称型神視点? 何でもあり視点?
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記者会見会場の前は報道陣でごった返している。大半の報道関係者は中の状況を有る程度把握しており、出てくるところを今や遅しと待ち構えている。
「この会場で名無し(仮)さんの三股疑惑に対して会見が行われておりましたが、会見内容が急遽変更され、名無しさんが勇者で有る事、そして神を名乗る人物が魔族に対応するための協力を呼びかけました。
報道している私達も理解しきれていないため、皆さまにも伝わらないかも知れませんが、勇者なんて馬鹿な事を、と思われるかも知れませんが、自称神様が行ったワープ、テレポートとでも言いますか、実際に先ほどまでこの記者会見場に居た二百人以上の方が一瞬にしてフランスにワープして、本当にフランスにワープしており、その力は本当に神様の可能性を感じさせます。そしてその神様が名無しさんを勇者であると述べており、神様がもし本物であるならば名無しさんが勇者であることも肯定されると思われます。
そろそろ記者会見は終了との連絡が入っておりますので、そろそろ通用口から外に出てくるのでは…と…はあぁあ!! えええ!!」
通用口では無く、二階位の高さに名無しと神様が宙に浮かんでいた。先ほどまでは誰も居なかった空間、そんな所に人が居れる訳が無い、しかし確かに今、記者たちの目の前で名無しと神様が宙に浮いていた。突然の出来事に相当慌てている報道陣、そしてゆっくりと報道陣の前に降りていく。
「今名無しさんと自称神様が会見場の前に、空中に突如出現し、浮いております…」
テレビのレポーター達が状況を説明し始める。
「名無しさん、何ですか今のは?」「神様、私達もどこか海外に転移して貰えないですか?」「今の技は何というのですか?」「勇者というのは本当でしょうか?」「すみません視線をこっちに下さい」
報道陣から質問が多く飛んでくる。普段であれば、もう少し間を考えて質問をするのだろうが、そんな間など無視して、引っ切り無しに質問が浴びせられる。しばらくすると会場の中に居た報道陣も合流し始めた。
しばらくこの建屋の前で立ち止まる事で、中にいる人たちを出来るだけ早く外に出そうという思惑だった。
「名無しさん答えて下さい! 本当に勇者なんですか?」
記者が大声で問いかけに対して、名無しはウンウンと頷く。引っ切り無しに質問が来るため間が掴めない、それでも幾つかの質問には答える。
名無しはスマホを眺めると、そこには担当から撤収OKと記載されていた。
「すみません! 会見は終了です。皆さんお引き取りをお願いします。私達もこれで失礼します」
名無しの発言に対して、記者からは続けて欲しいと要望が出続ける。
「はっ、洗濯物をタンスにしまってないのじゃ」
神様が思い出す様に口にした。
「良いですよ別に、家に帰ったら一緒に片付けましょう」
【え? 嘘でしょ? 一体神様に何させてんだよ】
【世界を破壊出来る神様に洗濯物をさせるとか、とんでもねーな】
【名無しやべー、超やべー】
「あ…プリンはどうなるのじゃ? まだ洗濯が完了していない事になるのじゃが…」
「特別にOKにしますよ。今日はいきなり呼び寄せてしまったのですし」
【神様をプリンで働かせるとか、頭おかしいだろ】
【神を使う人間。何様だよ】
【名無しやべー、超やべー】
「じゃあスーパーに、あーもうやってないか。じゃあコンビニまで転移をお願いします」
【神様用のプリン、スーパーの物で済まそうとしたぞ、しかも最終的にはコンビニ】
【神様をタクシー代わりに使っている…大丈夫か? 世界滅んだりしないよね?】
【名無しやべー、超やべー】
「あっコンビニの前まででお願いします。えーと…コンビニは人間用なので神様が入ったら皆緊張してしまいます。なのでお店の前で待機しててください」
「そういうものなのかや? ん? でも清子と服を買いに行ったときは店に入ったのじゃが?」
「これからは止めた方が良いです。えーと…。
そう、神様はお金を持っていないですよね? 買い物するにはお金が必要です。でも神様が欲しいと言ったら、お店の人は地球が滅ぼされてしまうかもと思って、貢いでしまうかも知れません。でもそれは脅迫になってしまいます。はい」
「分かったのじゃ店の前で待つのじゃ」
【何でコンビニに入ったら駄目なんだ? 神様って言わなければ、まだ浸透していないから気が付かれないだろ】
【もしかして店の商品を見せたくなかった? 色々とアレもコレもと言われるのを回避しようとした? 神様相手にとんでもねーな】
【名無しやべー、超やべー】
「あ、一つ言い忘れたのじゃ。お前等マスゴミどもの取材は行き過ぎなのじゃ。人の家の前に大挙して押し寄せるとか本当に自分達の事しか考えてない典型なのじゃ。しかもそれを視聴者のため、ジャーナリズムという権利を振りかざし、まるで自分達は視聴者の代弁者のような振る舞いをする、本当に気に喰わないのじゃ。
なので我や名無しの家、清子の家、他本件に関係しそうな所で待ち伏せしたり、取材したりする企業は、神の反対勢力として企業名をインターネットに公表する事にするのじゃ。当然勇者を応援する活動の許可も与えないのじゃ。
必要があれば我がインターネット上に情報を発信するのじゃ。どうしても取材がしたければヨンミュージックに申し込むのじゃ。一時間当たり一億円で取材に協力するのじゃ。値段を高く設定したのはどうでもいい質問を排除するためじゃ。
それと我を不機嫌にさせれば地球を滅ぼすのと同義と理解するのじゃ。マスコミではなく一般人であっても容赦はしないのじゃ。それと念のため生活の場所を名無しの家から別の場所に変える予定じゃ。だから張り込みしても無駄だから止めるのじゃ」
【流石に一億円は高すぎだろ】
【本当に神様なのか? 実は詐欺師で大金を巻き上げようとしている?】
【もしかしてプリン代か? 百万個プリンが買えるとか思っているんじゃないだろうか? 税金で半分持ってかれることを知らないのかも。いや神様って税金払うのか?】
「それじゃあコンビニ行くかや? 場所はドイツで良いかや?」
「なんでやねん。近所で良いですよ近所で」
思わず神様の肩をものすごく軽く叩いた。
「叩いたのじゃ! 今見たか? こやつが我を叩いたのじゃ!」
報道陣の前に移動し、叩かれた事を猛烈にアピールする神様。気持ちが昂っていたせいか思わず手が出てしまった。あのくらいなら全然怒る事無いと思うんだけど。
「申し訳ありません。地球を滅ぼさないで下さい」
「悪いのは彼です。名無しだけを罰して下さい」
「命だけはお助けを、どうか、どうか」
【馬鹿じゃ無いの? なんで地球を破壊出来る相手を叩くんだよ】
【相手神様だろ? 正気か?】
【名無しマジやべー】
「凄いのじゃ! もっと叩くのじゃ」
そう言って両手を拡げながら名無しに近づく神様。そして何気に頭をクイックイッと突き出している。頭を叩けという事だろうか?
「何でだよ! 意味が分からん。それじゃコンビニに行きますよ」
神様の頭を軽く叩いた後、何故か抱きつこうとしている神様の両肩を押さえて近づこうとするのを阻止する。
「なんで抱きつこうとしているんですか」
「転移するにはしっかりと抱きついてる必要があるのじゃ」
「いやそれ嘘ですよね? さっきそんなのしなくても転移したじゃないですか」
「えーとあれじゃ。宇宙上の座標があれで、転移が阻害されやすいポイントなのじゃ。我くらいになるとそういうポイントが直ぐに分かるのじゃ」
「え? そうなんですか? 本当に? そうですか、それは失礼しました」
【いや、それは嘘だろ。気が付けよ】
【ツッコミじゃなかったのか? もしかして天然ボケとのハイブリット?】
【名無し純粋。マジピュア】
「精密な転移には必要なのじゃ。遠慮しなくて良い、恥ずかしがらんでも良いのじゃ」
「いや確かに恥ずかしいですけど、いいから落ち着いて下さい」
神様が名無しに抱きつくつとその状態でその場から消えた。
「「「ええええ」」」「どこに行った?」「ラブラブじゃん」「もしかして神様と付き合ってるの?」
傍から見たらイチャついてる状態で消えていった。
私はジャーナリストを否定するつもりはありません。
必要だと思っています。
例えば不正を暴くとか、埋もれている事実にスポットライトを当てるとか、
問題を振り返りそれを繰り返さない様に教訓にするとかね。
神様は過度な取材がお嫌いのようです。
特にゴシップのようなタレントがお付き合いしている人をスクープするとか、
有名になった素人に、密着し続けるとか。




